オペラ座のゴールドを纏うオーディオ。仏Devialet「Phantom Ultimate」が日本初上陸

オーディオ&サブカルライター/杉浦みな子 

フランス・パリを拠点とするラグジュアリーオーディオブランド「Devialet(デビアレ)」が、スピーカーの新たなフラグシップライン「Phantom Ultimate(ファントム・アルティメット)」の日本正式展開を発表した。これを記念し、Devialet製品を体験できるローンチイベントがニュウマン高輪で開催。フランスから来日した本社CEOのスピーチを交えながら、その模様をご紹介しよう。

音とデザインを追求する、フランス発のラグジュアリーオーディオ

Devialetは、2007年の創業からわずか10年強で、特許出願件数200件超、受賞数90件以上、グローバル規模で取扱店舗1,000店舗を獲得するテックカンパニーだ。La FRENCH TECH NEXT40にも選定され、RENAULT等からも投資を受けるなど、目覚ましい成長を遂げている。 

同社のスピーカー製品は、音質のクオリティと共にその美しいデザイン性も高く評価されており、海外のラグジュアリーホテルをはじめ、日本では「グランド ハイアット 東京」のスイートルームなどにも採用。その系譜の最上位として誕生したのが、今回、日本に初上陸する球体のスピーカー『Phantom Ultimate(ファントム・アルティメット)』シリーズである。 

ニュウマン高輪のSouth(南棟)で、大々的な発表イベントが開催された

イベントに登壇した同社CEOのJacques DEMONT氏は、日本市場への強い展開意欲を語った。「音楽を深く愛する日本の皆さんの感覚と、高音質を追求してきたDevialetの思想は、非常にシンクロしていると感じています。だからこそ、ここ、ニュウマン高輪に直営店をオープンしました(※ショップの場所はNorth・北棟2階)。今後も、音楽を愛する日本の皆さまに向けて、魅力的な製品を開発していきます」

Devialet CEO Jacques DEMONT氏

小さな筐体に宿る、圧倒的な音の存在感

Devialetはこれまで、アナログとデジタルそれぞれの美点を融合させて増幅を行う「ADH」や、音の位相を最適化する「SAM」など独自のスピーカー技術に磨きをかけてきた。

そんな同社が、初代Phantomを発表したのは10年前。APACリージョナル・ディレクター、Martin Ku氏は、「コンパクトな筐体から放たれる高いサウンドクオリティに、当時、なぜこんなにパワーがあるのかと驚かれました。私たちは常に音質最優先で、サイズを超えた音の実現に注力しています」と語った。 

Regional Director,APAC Martin Ku氏

そして登場した最新フラグシップの「Phantom Ultimate」は、ただ「小さいのに大きな音が出る」というだけではない完成度を誇る。

10年前から継承されてきたPhantomシリーズの象徴的な球形を受け継ぎながら、低域を担うウーファーの改良によって力強さと質感を高め、シンプルになったステッチラインと再設計されたグリルで表現力を向上させた。もちろん「ADH」「SAM」などの独自技術もブラッシュアップして搭載。音量を上げても歪みが少ないクリアな再生を得意とするのも特徴だ。 

大型モデル「Phantom Ultimate 108dB」と、小型モデル「Phantom Ultimate 98dB」をラインナップ。1台でモノラルスピーカー、2台組み合わせてステレオスピーカーになるタイプのアクティブスピーカーだ
花びらのようなフロントの開口部面積を10%広げることで、高域の再現性をより高めた

光のニュアンスまでデザイン — パリ・オペラ座とコラボ

本体カラーにもこだわっており、ライトパール、ディープフォレスト、ゴールドリーフの3種類をラインナップ。いずれも光の角度によって色のニュアンスが変わり、空間を豊かに演出する。 

3色それぞれに108dBモデルと98dBモデルを用意しており、ライフスタイルに合わせて合計6種類から選べる

特にゴールドリーフは、パリ・オペラ座とコラボした特別カラー。筐体表面にあるゴールド塗装が特注となっており、実際にパリ・オペラ座の内装に使われているゴールド色を採用している。 

ゴールドリーフモデル
ゴールド部分にオペラ座の刻印

というのも、実はDevialetは、パリ・オペラ座の一角にもストアを構えており、国立オペラとのパートナーシップを実現しているブランドなのだ。今回のコラボは、フランスの文化的な象徴をエレガントに音響機器へ落とし込んだ試みと言えよう。 

そして「Phantom Ultimate」は、音質とデザインだけでなく、機能性にも磨きをかけた。スマホのアプリと連携した操作が可能で、Wi-FiやBluetooth、AirPlay 2、Spotify Connectなど多様な接続方式に対応。様々な生活シーンにマッチするフレキシブルなコネクティビティを実現している。

レセプションパーティに登場した岸田一郎氏(左)。 Devialet製品を取り扱うTHT Japanの代表取締役 高橋和哉氏(右)とトークショーを行った 

雑誌「Begin」「LEON」の創刊者として有名なメディアプロデューサーの岸田一郎氏は、そのサウンドを自宅で体験したと言い、デザイン性と共に絶賛。「音圧がしっかりしていて、スピーカーとしての実力に隔世の感があった。このPhantom Ultimateはオーディオの中で次のトレンドとなる力を持つプロダクトだと思う」と語った。 

Devialetが最新の「Phantom Ultimate」でリーチするのは、単なるオーディオマニア層だけではなく、“音の美しさ”を生活に取り入れたいと思う全ての人々。洗練された音とデザインの融合が、日常に豊かな高揚感をもたらす。

レセプションパーティは大盛況のうちに幕を閉じた

製品価格(いずれも1台あたり)は、以下の通り。

▼Phantom Ultimate 108dB
・ゴールドリーフ:699,000円
・ライトパール/ディープフォレスト:589,000円
▼Phantom Ultimate 98dB
・ゴールドリーフ:339,000円
・ライトパール/ディープフォレスト:279,000円

  • オーディオ&サブカルライター

    杉浦みな子

    1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。在学時は映画研究会で映像制作に勤しみつつ、文芸評論家・福田和也教授に師事。2010年よりAV・家電メディアの編集/記者/ライターとして13年間従事し、音楽とコンシューマーエレクトロニクス系の分野を担当。2023年独立。音楽・オーディオ・家電から、歴史・カルチャーまで幅広いテーマで執筆中。実績はこちらから→https://sugiuraminako.edire.co/

Related articles 関連する記事

  1. home Home
  2. FEATURE
  3. オペラ座のゴールドを纏うオーディオ。仏Devialet「Phantom Ultimate」が日本初上陸