【スマートホーム/ホームオートメーション特集】CoolAutomation。どんなエアコンも一括制御!──スマートホームに必須の空調の司令塔

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

スマートホーム/ホームオートメーションの中核は、光環境(照明と窓廻り)と空調まわりの制御である。光環境について照明器具メーカーを問わずほぼすべての製品を制御できるのがLUTRON(ルートロン)だとすれば、すべての空調制御を行えるのがCoolAutomation(クールオートメーション)だ。日本でこれがなぜ必要なのか、CoolAutomation Japanの代表執行役、横山大樹さんに話を伺った。

スマートホーム、ホームオートメーションとエアコンを繋ぐ“自動翻訳機”。図版上の「Home Automation」にCRESTRONやLUTRONなど好みのホームオートメーションシステムが繋がる

異なるメーカー、異なるエアコン同士をつなぐCoolAutomationという「自動翻訳機」

スマートホーム、ホームオートメーションでは、CRESTRON(クレストロン)やLUTRON(ルートロン)などが人気だ。それら単体でも一部のエアコンの制御は不可能ではないが、完全な制御はできない。
また、エアコンメーカーや製品によっては専用のゲートウェイキットの購入やサービスへの申し込みが必要になる場合もある。

その点、CoolAutomationをひとつ使えば、ダイキンだけでなくブランドや機種を問わず集中制御管理ができる。
これをひとつかますだけのプラグ&プレイで動作する、いわば自動翻訳機だ。
逆にこれがなければバラバラにリモコン操作するしかない。

手のひらサイズの集中制御管理モジュール「CoolMaster」。下にLANなどが見えるが上側にも端子がある

スマートホーム/ホームオートメーション用途ならば、お好みで選んだ複数の部屋にまたがる空調の制御や管理を行えれば十分だが、異常のアラートや自動運転といった高度な機能も扱えるので、集合住宅の空調管理をする場面では強力な味方となる。

エアコンのガラパゴス解消に向けて孤軍奮闘の日々 ─ 横山氏の原体験

代表の横山さんは、CoolAutomationを日本で取り扱うようになって3年。立ち上げの動機となったは、公私に亘るご自身の経験だという。

CoolAutomation Japan 合同会社 代表執行役社長 横山大樹氏

「サラリーマン時代から海外の経験が長く、外資系の空調業界に15年ぐらいおりました。そこで驚いたのは、何とガラパゴスな業界なんだろうということ。各メーカーの製品が独自のプロトコル、つまり言語で話していて、何も統合できない。これを何とかしたいという個人的なこだわりからスタートしたんです」

まったくの個人的な意欲から立ち上げたという心意気にまず胸を打たれた。
もっとも、空調業界での経験はトリガーであって、幼少期の体験が横山さんを突き動かした根本要因のようだ。

「わたし自身、幼少期から高校卒業までアメリカの田舎町で育ちました。そこでは住まいもセントラル空調なので、居場所によって寒暖差があるなんて、日本に帰ってくるまで知らなかったんです。トイレやお風呂場なんて寒いじゃないですか。もうそれが苦痛でたまらなかったんです」

勤めていた外資系ビルオートメーションメーカーの日本事業部長に抜擢されたことで、皮肉にも日本の空調業界の問題点を痛感してしまった横山さん。
そうした問題点を解消しようと自社にCoolAutomationの導入を促したりして孤軍奮闘。
のめり込んだ結果、自分でCoolAutomationを取り扱うことになったというのだ。

思想としてのCoolAutomation ─ オープンプロトコルが未来を拓く

CoolAutomationが何より卓越しているのは、その思想。
普及させるためには仲間が必要で、自社だけで抱え込むことなくオープンプロトコルにすること。
坂村健さんのTRONのように。

「これさえあれば、ビルだろうが家だろうが、メーカーや機種を問わずどんな空調設備も統合できて集中制御管理ができるというのがポイントです。縁の下の力持ちですが、これがたったひとつあるだけでどれほどの価値があるかということを提唱しています」

目を輝かせながら語る横山さんが印象的だった。

CoolAutomation Japan合同会社
東京都港区虎ノ門4−3−1城山トラストタワー27階
https://coolautomation.com

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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