【スマートホーム/ホームオートメーション特集】HomeWorks 徹底解剖:ルートロンが切り開く「光 × 空気 × 建築」を統合するHome OS──高級住宅の標準装備となる新世代ホームオートメーション

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

11月7日、来年26年1月よりLUTRON(ルートロン)が発売する住宅制御システム「HomeWorks(ホームワークス)のお披露目会が開催されたのは速報の通り。それを受け、このたび東京・青山にあるルートロンアスカのショールームを再訪した。

HomeWorksは単なる調光システムではない! オーケストレーション層「Home OS」である

高級住宅が求める「光 × 空気」を統合的にデザインする思想

ルートロンといえば、消え際が美しい調光システムというイメージをお持ちの方が多いだろう。
しかし、ルートロンアスカのカントリーマネージャー谷崎宗孝さんは、
「HomeWorksは、調光システムではありません」
と断じる。

「キッチンと同じ。高級住宅には“それ相応の設備”が必要」というルートロンの哲学

「HomeWorksが世界的に採用されているのは、高級住宅に相応しいグレードのホームシステムだからです。調光性能がいいとか調光システムとして優れているからというのは様々な側面のいち要素でしかありません。
HomeWorksは高級住宅のグレードを更に高めてくれるシステムとして選んでいただくべきものだと考えています。
わたしがいつも引き合いに出すのは、2000万円や3000万円のキッチン。これが採用される最大の理由は、高級住宅に見合った高級品だからです。
もちろん、質感のディテールや機能性も優れていますが、そういう委細なことが直接的な理由ではなく、もはや高級住宅なら必ず付いてくるべき住宅設備だということが重要なんです」

住まいの構成要素としてもっとも大切なのが、光環境と空気環境だ。
これらがあたかも快適な季節の自然界に身を置いているかのように、室内環境を保ってくれる。
それこそが生活していく上で最高の贅沢であり、そのベースの上に家庭内エンターテインメントであるホームシアターなども成り立つ。

この点、HomeWorksは、どんな家でも住宅設備として必要な光環境と空気環境を中心に自動制御し、快適な住まいを実現してくれる。

HomeWorksは単なる調光システムではなく、照明・外光・空調を統合する「住宅OS」です。 住宅OSの概念はこちらの記事で詳しく解説しています。

ラグジュアリー邸宅に見合う、キーパッドという「唯一の触れるインターフェイス」

Alisse(アリース)/Aviena(アヴィエナ)/Palladiom(パラディウム)──素材・造形・仕上げが空間価値を決める

一方で目に付くのは、デザイン性に優れた新型キーパッド(スイッチ)の投入ラッシュだ。

「HomeWorksによる照明の調光と電動カーテンによる外光制御、そして空調の制御。
これらを司るプロセッサーや調光モジュール、インターフェイス等は、ふだん目に見えない裏方としてバックヤードで活躍しています。

一方で、唯一と言っていいほど目に見えたり触れたりするのが、キーパッド(スイッチ)です。
もちろんスマートフォンやタブレットのアプリでも操作できるのですが、壁付けのキーパッドや卓上のPicoリモコンなどでも操作できるようにしています。
壁キーパッドはそのバリエーションを増やしており、素材もデザインもハイクオリティで、高級住宅のデザインに見合うものを用意しています」

写真左がハンドメイドな仕上げと彫り込み文字にバックライトが印象的なHomeWorks専用のプレミアムキーパッド「Alisse(アリース)」。中央が新製品、クラシカルなつまみながら機能は上/下や長上げ/下げなどプログラミング可能な本格的スマートスイッチ「Aviena(アヴィエナ)」
カラーバリエーションや素材も豊富に取り揃え、インテリアコーディネートしやすい
主力の「Palladiom(パラディウム)」ほか多彩なサイズとフェースプレートを持つキーパッド群

空調コントローラ問題を解決する、パラディウム・サーモスタットの存在感

“目に見える”ものとして照明キーパッド(スイッチ)とともに重要なのは、空調コントローラだ。

「高級住宅で必ず出てくるのが『空調のコントロールパネルどうするか問題』です。
どこかに付けなければならないのですが、あれがひとつ壁にあるだけでインテリアが台無しになってしまいます。
内装設計の方は隠そうとするのですが、そうすると今度は不便極まりない。
そこでルートロンは意匠と使い勝手という総合的なデザイン性を最大限尊重したタッチパネルを用意しています」

大きな液晶ディスプレイで視認しやすく、スケジュールなど豊富な機能を持ちながら他の照明キーパッドとトータルコーディネートできるPalladiom Thermostat(パラディウム・サーモスタット)

30年先行していたHomeWorksに、ようやく日本市場が追いついた

スマートフォン以前の日本では普及しなかった「全館制御」という概念

人間の住まいに欠かせない3要素、照明、電動カーテン、空調の全館制御。
これらをパッケージにした高級住宅版HomeWorksシリーズは、既に30年ほどの歴史があり、アップデートされながら世界中でずっと販売が継続していた。

所有そのものがステイタスとなる、ハイグレードなインターフェイス群

「2003年から2010年頃には日本でも取り扱ったことがありますが、住宅全館制御というコンセプトは、住宅の規模が大きいアメリカとは異なり当時は普及しなかったのです。
オートメーションといってもタッチパネルによるものがせいぜいで、スマートフォンでの操作という時代でもありませんでした。
それが昨今、個人の戸建て住宅や高級マンションで住宅全館制御のニーズが高まっているんです。
特に、超高級マンションや戸建てを手掛けるデベロッパーさんが他社と差別化するために、ラグジュアリーなライフスタイル提案として、HomeWorksの魅力が高まっていると感じます。
所有すること自体がステイタス。通常のオフィスビルや公共施設では必要のないハイグレードな仕上げのキーパッドを用意している理由も、そこにあるのです」

以下はHomeWorksの導入事例となります。

© Carlos Velez
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© Carlos Velez
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© Carlos Velez
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© Carlos Velez
© Carlos Velez
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© Carlos Velez
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro
Photo by Jaime Navarro

以下はRitz Tower NY

ショールーム情報:LUTRON EXPERIENCE(青山)

建築設計者向けの体験型ショールーム

ルートロン東京ショールームLUTRON EXPERIENCEは、原則として、建築設計関係者向けだが、HomeWorksの機能を確認できる、オフィス併設のショールーム。

  • 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館14F
    営業時間:10時 – 17時(土日祝定休、予約制)
    フリーダイヤル : 0120-083417
    TEL : +81-3-6699-7666(代表)
    E-mail : asuka@lutron.com
    https://www.lutron.jp/

HomeWorksの操作性・質感・光の変化がリアルにわかる

「室内の照明は、このぐらいの明るさと色温度が快適だと感じます。しかし外光が入ってくると、さきほど心地良いと感じた照明器具の色と合わず気持ち悪くなります。そんなときは5秒かけて外光の色温度に調整してくれます。室内の光環境においては、照明のみならず外光が及ぼす影響も非常に大きいので、ルートロンは電動カーテンを作ったのです」
ルートロンは外光制御のカーテンも自前で用意。壁のキーパッドでもシアー/ウッドブラインドの羽の角度を変えられる
電動ロールスクリーン「Palladiom(パラディウム)」。動作していることが分からないほど超静音で上下に動作する。素材のバリエーションも豊富
複数の電動スクリーンがある場合、昇降の速度が揃わない製品がままあるが、ルートロンなら同期して昇降するので常に面一
調色も可能

HomeWorksシミュレーションアプリ

HomeWorks専用HP

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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