「FRANCK MULLER HOUSE No.01」誕生 ― “時を愉しむ”建築の誕生

 取材/LWL online編集部

フランク ミュラーの哲学が建築へと昇華した。諸戸の家が手掛ける「FRANCK MULLER HOUSE No.01」は、“時を愉しむ”という精神を空間で表現した世界唯一の邸宅である。スイスの美学と日本の建築文化が融合したその佇まいは、精密さと詩情を兼ね備えた新しいラグジュアリーレジデンスの象徴といえる。

時間をかたちに ― フランク ミュラーの哲学が息づく邸宅

スイスの高級機械式腕時計ブランド「フランク ミュラー」が象徴するビザン数字と、独創的な曲線フォルム“トノウ カーベックス”。
その造形哲学を建築空間として立ち上げたのが、目黒区八雲に誕生した「FRANCK MULLER HOUSE No.01」だ。

諸戸の家がブランド監修のもと設計を進め、外観からインテリアに至るまで、“時を愉しむ”という哲学を建築として具現化している。
まさに、時を刻む芸術を「住まう」体験へと昇華させた邸宅である。

FRANCK MULLER HOUSE No.01 目黒区八雲邸 外観(昼景)
FRANCK MULLER HOUSE No.01 目黒区八雲邸 外観(夜景)

ビザン数字が刻む、建築としての“時計”

外観に設置された大型ウォールクロックは、ブランドの象徴であるビザン数字と時計機構をモチーフにした。
昼はファサードのアクセントとして存在感を放ち、夜はライトアップによって幻想的な陰影を描く。

時間の流れそのものが建築の演出として組み込まれ、邸宅が「動く芸術作品」として機能する。

本邸宅を象徴する大型屋外時計(ウォールクロック)

トノウ カーベックスの曲線が描くインテリアの詩学

邸宅内では、トノウ カーベックスの曲線が家具や階段、照明、建具のディテールにまで息づく。
壁面にはビザン数字をあしらい、ラグやファブリックもブランドコレクション「FRANCK MULLER FUTURE FORM」で統一。
単なる装飾ではなく、建築全体をひとつの時計のように構築した空間構成が圧倒的な完成度を誇る。

アプローチから非日常を感じさせる玄関

建築とアートの融合 ― 「諸戸の家」が描く新たな文化価値

1975年創業の「諸戸の家」は、建築を「文化の容れ物」として捉え、職人技や地域性を重視してきた。
その理念は、本邸においてフランク ミュラーの哲学と響き合い、“建築とアートの融合”という新たな文化的価値を提示している。

「“時を愉しむ”というブランド哲学を、建築というかたちでどこまで表現できるか。その挑戦がこのプロジェクトの出発点でした。フランク ミュラーが描いたデザインを、諸戸の家の技術と審美眼で邸宅に昇華させる。異なる分野の美学が響き合い、ひとつの作品のような住宅が完成したと感じています。」
― 諸戸の家 レジデンスプロデューサー 吉川政弘

諸戸の家(株) レジデンスプロデューサー 吉川政弘

この邸宅は、時計が時間を刻むように、建築が暮らしの時間を刻むための舞台である。
フランク ミュラーのデザインを素材としながら、諸戸の家の建築思想がそれを空間の言語に翻訳している。

フランク ミュラーの遊び心のあるインテリアの数々

“SUPER LUXURY”としての位置づけ ― 世界に広がる構想

本邸は、諸戸の家が展開する「SUPER LUXURY」シリーズの一環として位置づけられる。
2024年に販売された「弦巻の邸宅 with FRANCK MULLER」の成功を経て、今回はブランドの美学を設計段階から反映するという、より本質的な取り組みとなった。

弦巻の邸宅 with FRANCK MULLER

今後はこのコンセプトを国内外でシリーズ化し、ブランドと建築が共創する文化的レジデンスとして展開していく構想も示されている。

邸宅概要

項目内容
名称FRANCK MULLER HOUSE No.01
所在地東京都目黒区八雲
販売価格8億円台後半
敷地面積237.05㎡(71.7坪)
延床面積292.04㎡(88.34坪)
構造木造2階建て/5LDK+SIC+WIC
主な設備シャワールーム、パントリー、ホームエレベーター、ルーフバルコニー、ビルトインガレージ(2台)、ゲストパーキング、テラスなど
企画・設計諸戸の家 × FRANCK MULLER
公式サイトhttps://moroto-ie.com

建築が“時”を語る場所へ

ラグジュアリーブランドが建築へと美学を拡張する――
それは「モノの所有」から「時間の体験」へと価値観が移行した現代の象徴でもある。
「FRANCK MULLER HOUSE No.01」は、その最前線に立つ建築作品として、美と時間、技術と詩情が共存する舞台を提示している。

  • 取材

    LWL online 編集部

Related articles 関連する記事

  1. home Home
  2. INFO
  3. 「FRANCK MULLER HOUSE No.01」誕生 ― “時を愉しむ”建築の誕生