ステンレスの概念を超える“光のアート家具”──CYUON「SENSUI」が描くグラデーションの新境地
fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人
広島・福山の粉体塗装工場から生まれたクリエイティブブランド CYUON(キュオン)。DESIGNART TOKYOで注目を集めた「SENSUI」は、ステンレスに高耐久の粉体塗装を施し、光の角度で色が変わる唯一無二のアートスツール。瀬戸内の自然を映す多層的なグラデーションは、インテリアにも建築にも新たな表現をもたらす。
広島・福山発、自然の情景を表現
DESIGNART TOKYO期間中には、東京・渋谷の西武百貨店B館1階イベントスペースにも作品が展示されていた。中でも目を惹いたのは、平面体にもかかわらず見る角度で変幻自在にグラデーションが変容するスツール「SENSUI」だ。
製作したのは、広島・福山市にある粉体塗装工場・有限会社シリウスのクリエイティブブランド「CYUON(キュオン)」。正方形を四分割した構成のステンレスプレートに、グラデーション塗装を施している。中身はスチロフォーム(発泡素材の一種)で軽量なことから、自由に移動して積み重ねたりちりばめることで、新たな情景を生み出そうというのがコンセプトだ。
インスピレーションの背景にあるのは、瀬戸内の穏やかな海原と仙酔島の豊かな地形に宿る自然の力。デザイナーはMORIYUKI OCHIAI ARCHTECTSの落合守征で、自然の景観と人の営みを響き合わせる空間と家具を創出するプロジェクトである。

いますぐステンレスキッチンに使いたい!
粉体塗装とは、色の付いた粉を焼き付けて塗装する技術で、耐久性が高く水にも強いことから、クルマのコーティングや飲食店の壁などに活用されているという。
この「SENSUI」では、研磨の時にできる傷を敢えて生かすことで、多様な表情を持った個体ができあがる。旋盤の当て方で円を描いたり、風そよぎ波打つような揺らぎも表現できる。

ひとつひとつも素晴らしいアートピースだが、同じ長さの一辺同士を組み合わせることで大地に根を張る空間アートになる。



イタリアのミラノサローネにも出展し、盛況を得た。ヨーロッパの来場者はこうした色使いをいたく気に入り、精細な仕上げもまこと日本的で評価が高かったという。


ステンレスのキッチンにすぐにでも活用したいと思わせる素晴らしい意匠。インテリア業界に革命を起こすかもしれない。
[問い合わせ先]
CYUON(有限会社シリウス)
東京オフィス/ショールーム
東京都台東区台東1−1−10台東NSCビル801号室
電話番号:03−4577−9653
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fy7d(エフワイセブンディー)代表
遠藤義人
ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。