年末年始は眠れているのに、なぜ疲れる? パナソニック「RizMo」が可視化した「睡眠リズム崩壊」という現代的課題
取材/LWL online編集部
年末年始の長期休暇。「いつもより長く寝られたはずなのに、仕事始めがつらい」。そんな違和感を覚えた人は少なくないだろう。この感覚をデータで裏付けたのが、パナソニックの体調ナビゲーションサービス「RizMo(リズモ)」だ。同サービスが年末年始の睡眠データを分析した結果、睡眠時間は増えているにもかかわらず、睡眠リズムが大きく乱れているという実態が明らかになった。
睡眠時間は増えている。それでも「回復していない」理由
調査によると、年末年始はたしかに睡眠時間が増加している。
11月の平均睡眠時間は6時間14分だったのに対し、以下のように平均で約3〜7%の増加が見られた。
- 12月29日〜31日:6時間27分(+13分)
- 1月2日〜4日:6時間43分(+29分)
仕事や学校といった社会的拘束が緩むことで、慢性的な「睡眠負債」を返済している様子がうかがえる。
一方で、同時に浮かび上がったのが睡眠リズムの大きな乱れだった。
最大の問題は休み中ではない! 「1月5日」に起きていた
注目すべきは、睡眠リズム(就寝・起床時刻の中央時刻)の変動幅だ。
年末・年始ともに平均1時間以上のズレが生じており、夜更かしや起床時間の遅れが常態化していたことが示されている。
さらに、休暇明けの1月5日には、そのズレが平均1時間23分と最大値に達した。
つまり多くの人にとって、仕事始めは「乱れた睡眠リズムを一気に元に戻そうとした日」だったのである。
この急激な調整こそが体内時計に大きな負荷をかけ、
「強い眠気」「集中力や意欲の低下」「気分の落ち込み」といった休み明け不調の背景になっていると考えられる。


専門家が警鐘を鳴らす「休みぼけ」の正体
睡眠評価研究機構代表・医学博士の 白川修一郎 氏は、今回のデータを次のように読み解く。
「大晦日を除いた年末年始に睡眠負債返済をはかっている女性が多いことが見て取れます。一方で、大晦日以降の睡眠リズムの変動が大きく、その乱れたリズムを休み明けの5日に強引に戻そうとしていることがわかります。年末年始の休み中に体のリズムが大きく乱れてしまうと、休みぼけのリスクが高くなり、意欲やパフォーマンスの低下、注意散漫、気分の落ち込み、不眠や胃腸の不具合などに見舞われてしまうかもしれません。また、女性の中には月経前や月経中に睡眠が悪くなる人もいます。これはホルモンバランスの乱れと自律神経の変調が原因のひとつで、長めの休みで体のリズムが乱れると症状がより悪くなるとされています。」

長期休暇でもリズムを崩さないためのヒント
白川氏は、長期休暇中の睡眠について、次のような具体的なアドバイスを挙げる。
- 午前3時前後を中心に、4時間程度は必ず睡眠時間を確保
- 起床時刻は、普段より1時間以上遅らせない
- 朝は外光を浴び、朝食をしっかり取る
- 休み最終日だけでなく、1〜2日前から徐々に調整する
また、冬場は睡眠環境も重要だ。
理想的な寝室温は16〜23℃、最適は20±1℃。就寝前に寝室や寝具を暖め、40℃前後の入浴を就寝20〜30分前に行うことで、入眠しやすくなるという。
「睡眠時間」ではなく、「睡眠リズム」を可視化するという発想
今回の分析を支えたリズモの特徴は、単に「何時間寝たか」ではなく、睡眠リズムのズレを可視化する点にある。
ウエアラブルデバイス「リズムモニター」で衣服内温度や睡眠状態を計測し、専用アプリ(iPhone専用)と連動。
睡眠時間、覚醒時間、睡眠の質、前日からのズレを自動分析し、「今、どれくらい生活リズムが乱れているのか」「今日、どちらの方向に調整すべきか」を直感的に把握できる。
長期休暇のように生活が不規則になりがちな時期ほど、客観的なナビゲーションが無理のないリズム回復を支えてくれる。

データが導く、次のウェルネスのかたち
「たくさん寝たのに、疲れが取れない」
その原因は、睡眠時間ではなく、睡眠の「構造」にあるのかもしれない。
リズモが示したのは、感覚では捉えにくい体内リズムの変化を、データとして見つめ直すというアプローチだ。
ウェルネスが「気合」や「根性」ではなく、設計と調整の対象になりつつある現在、その示唆は小さくない。
「RizMo」(リズモ)の詳細・申し込み方法は下記参照
https://ec-plus.panasonic.jp/store/page/RizMo/
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