イタリアのデザインと日本の技術が結集。ジャパンメイドの“魅せる収納”~GiGi~

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

第24回LWLの会場でもある東京・赤坂のHIDEOショールームには、床から天井まで突き抜ける巨大ながらショーケースのような美しさと開放感に溢れた「GiGi」のガラス収納がある。これらの製品は、設計から施工まで国内で賄うオーダーメイド品。そのコンセプトについて、ブランドマネージャー藤田朋大さんに話を聞いた。

細部まで吟味して積み上げるパーツ

GiGi(ジジ)は、2019年に日本で立ち上げられた新しい家具のブランドだ。ブランド名は、マスターアーキテッドかつデザイナーであるイタリア人のルイージ・マスケローニ(以下ジジ氏)の愛称に由来する。

彼が得意なのは、金物の細部に亘るデザイン。“アルミの魔術師”と呼ばれ、アルミフレームの中にいかにレールや機能を内包しつつスタイリッシュに見せるか、より少ない断面で必要な強度とデザインを実現するかといった設計に長ける。

しかも、アルミフレームの型を自ら起こす。すなわちパーツデザイナーでありながら、パーツサプライヤーでもある。

こうしたジジ氏の考えるディテールの集大成が、HIDEO内の赤坂ショールームにも展開されている「ePole(イーポール)」だ。それぞれの間取りに必要な機能と意匠を吟味しオーダーメイドで積み上げ、シンプルながら自由度が高く伸びやかな収納を実現した。

ジジ氏

設計・施工は創業78年のジャパンメイド

ジジ氏とタッグを組み、日本でオーダーメイド収納「GiGi」の設計・施工を手掛けているのが、今年創業78年を迎える家具メーカー、秀光だ。

秀光が長年得意としてきたのが、予め既製した部材を持ち込み建築に貼り付けずに内装を組み上げる“乾式”工法。埃を立てることなく、短時間でノックダウン式に仕上げることができるため、オフィスやショップなどの内装に用いられることが多い。

木造家屋の多い日本ではモルタルやコンクリートなど水分を含んだモノで壁材を作る“湿式”が多いが、石造りの伝統的な建築にハイブランドのブティックが入るようなイタリアではむしろ“乾式”が常識であるし、現場で端材・廃材が生じないため環境負荷を低く抑えられる点でも注目されている。

秀光は「ePole」の構成材料である金属やガラス・木といった様々な素材の加工や扱いを得意とするほか、最近ではセラミックなどの新しい素材を用いることで、オフィスやショップ、住宅内装に、よりハイエンドなデザインを短工期で提供している。

「昨今、オフィス、店舗、住宅といったマーケットの境界がなくなってきました。住宅の家具がカフェで使われたり、カフェのような住まいに憧れたりと、コントラクトとレジデンスは融合してきているんです。そんな環境下で、弊社としては、これまでのオフィスだけでなく、住宅マーケットのお役に立ちたいと考えております」(藤田さん)

秀光は、自ら設計から納品、施工もできるので、単なる輸入代理店・商社ではない。適材適所でパーツを仕入れ、そのアッセンブルに必要な職人や工作機械などの設備をすべて神奈川・川崎の工場に集中させている。そのため、原則2ヶ月という短納期で仕上げられるし、アフターメンテナンスにもすぐ対応できるのだ。

秀光の川崎工場

ベースとなるシリーズを参考にあなただけの収納を

このようにGiGiの収納家具は、イタリアンデザインのジャパンメイド。それがほぼフルオーダーかつ2ヶ月で手に入る。「ほぼ」フルオーダーと書いたが、GiGiというブランドイメージを損ねないかぎり、ほとんどオーナーの願い通りに仕上げられるという。

「お宅の間取りやお客様のお好みに合わせて何でもできてしまいます。著名ブランドの輸入家具では、本国のデザインに縛られることが多いのですが、GiGiなら、ここだけ色を赤にしたいとか、特殊素材を組み込みたいといったことはもちろん、寸法もミリ単位で指定できます」

ガラスとアルミとそこにLEDを組み込んだ。全く配線レスで引っかける爪の端子で接合し奥のアルミから給電している
アルミフレームが太くて強靱なうえにガラス自体も構造物のため地震にも強い。家具全体が天井まで伸び、加えてガラスによる視覚的なヌケがあるため、フレームが太くても圧迫感がない
ベースとなるラインナップのひとつ「VENTO(ベント)」。アルミフレームとガラスで構成され、中央のポールのみで支えられている人気モデル
ラインナップ「CIMA(チーマ)」は既存の壁に付けて組み上げる。ウォークインクローゼットの構成などに最適
「ISLA(イスラ)」は両面からアクセスできるアイライド型収納。JAXSON赤坂ショールームに展示あり
キッチン収納にも好適
ワードローブにも魅せる収納を構築できる
最近人気なのは、背板のガラスの代わりに個性のあるセラミックを用いる手法。大判のセラミックで収納をよりエレガントに

これからのトレンドは“魅せる収納”

「ePole」のような魅せる収納は世界的な潮流であり、日本でもこれからトレンドになるという。

「隠す文化ではなく、綺麗に飾る文化がここ10年ほどで進みました。持ちものをしまい込むのではなく、むしろ趣味のグッズをディスプレイして自分らしさや個性を出そうというのがトレンドになりつつあります。これまでの日本なら、それを実現するには、木の造作にガラス扉を付けるぐらいしかできませんでした。

でもGiGiなら、床から天井いっぱいまでガラス扉にし、ライトアップしてディスプレイすることも容易です。アルミの良さを生かし、より建築にフィットしたダイナミックな家具を、後付けでも実現できます。そこがGiGiの最大の魅力なんです」

ディスプレイ収納で大空間を仕切る、伸びやかで抜けのいい心地よさ。スムーズかつ機能的な美しさを、ぜひ赤坂ショールームで体験されたい。ハイブランドを超えた、あなたの個性を生かした世界でひとつだけの空間作りという夢が叶うはずだ。

バリエーション豊かな導入事例

  • ●TVシェルフ
    • テレビ周りに収納を充実させながら視覚的にヌケのいい空間を実現している
  • ●ワインラック
    • お気に入りのワインをディスプレイできるラック
  • ●ワインルーム
    • 昨今はラックごと冷蔵室にディスプレイする邸宅も増えている

[問い合わせ先]

GiGi

  • 住所:港区南青山 2-11-16 METLIFE 青山ビル 6F
  • メール:gigi@shukoh.co.jp
  • 電話:03-6434-7450

https://gigi-japan.com

ショールーム(予約制)

赤坂Showroom

  • 住所:東京都港区赤坂3-3-3 住友生命赤坂ビル1F HIDEO TOKYO スタジオ内

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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