テクニクス、ダイレクトドライブの頂点。限定モデル”Master Edition”「SL-1200GME/SL-1210GME」

 取材/LWL online編集部

アナログレコード人気の再燃が続く中、テクニクスがダイレクトドライブ技術の粋を凝縮した「SL-1200GME」「SL-1210GME」を2026年1月下旬に限定発売する。ΔΣ(デルタシグマ)-Driveや「Multi-Stage Silent Power Supply」など最新設計を投入し、ゴールドの装飾で特別感を纏わせた本機は、音を“聴き、触れ、空間とともに味わう”アナログ体験を鮮やかに提示する。

ターンテーブル進化の軌跡が導いた「Master Edition」

ストリーミングが支配する時代にあって、いま、レコードが「体験」として再発見されている。
ジャケットを手に取り、盤を選び、針を落とす。時間を注ぎ、音に向き合い、空気の振動を身体で受け取る。アナログならではの儀式が、音楽を“所有する”感覚を取り戻していく。

テクニクスの歴史をひも解くと、同ブランドは1965年にパナソニック(当時は松下電器産業)から高級オーディオブランドとして始動した。
ターンテーブルそのものは、1877年にトーマス・エジソンが蓄音機(フォノグラフ)を発明したことに始まり、1930〜60年代には電動プレーヤーが普及。1950〜60年代にはアイドラー方式が主流となり、1960年代後半から1970年代にかけてはベルトドライブ方式が広く採用された。

そうした中でテクニクスから1970年に世界初のダイレクトドライブ方式ターンテーブル「SP-10」が市場に送り出された。回転ムラ・摩耗を抑制した駆動システムで放送局にも採用された。耐久性・回転精度が圧倒的に向上し、高音質につながった。この技術革新が、後に1972年発表の「SL-1200」シリーズを通じてDJ文化の基盤を築く。

テクニクスについて

こうしたテクニクスの技術的蓄積とアナログ・プレーヤーが進化した地点に、今回登場の「SL-1200GME/SL-1210GME」は立っている。
ブランドの象徴たるSL-1200シリーズを磨き上げた「Master Edition」の銘とシリアルナンバーを刻印したプレートを装着し、限定シリーズという希少性を伴う。

「SL-1200GME」
「SL-1210GME」

精緻を極めた回転、音楽の静寂を支える技術

モーター駆動方式には最新の「ΔΣ(デルタシグマ)-Drive」を採用。可聴帯域内のモーター駆動信号ノイズを低減し、モーターの微振動をさらに抑制した。
また、モーターには、微小振動の徹底的な排除を実現した「新ツインローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」を採用。ΔΣ-Driveとの組み合わせによって、わずかな回転ムラや駆動ノイズまで抑え込む。
モーター駆動のための電源回路には「Multi-Stage Silent Power Supply」を採用するなど、最新技術を投入している。
マグネシウム製トーンアームや多層構造のシャーシ/プラッター構成は、振動制御と音の精度を徹底するため。

テクノロジーはあくまで音楽に奉仕し、音像は静かに、しかし強く浮かび上がる。

触れ、見つめ、聴く──フィジカルな音楽体験の再興

ゴールドで統一されたトーンアーム、ロゴ、ヘッドシェル、そして「Master Edition」と刻印されたプレート。ブラック(1210GME)とシルバー(1200GME)の対比は、現代インテリアの静謐さの中に確かな存在感を放つ。

もはやオーディオという枠にとどまらず、空間に置かれた“作品”である。

若い世代を含め、アナログに人が惹かれる理由は単純ではない。可視化された音の運動、素材の質感、所有する悦び、そしてデジタルでは決して得られない「フィジカルな音楽体験」。

アナログレコードはノスタルジーではない。モノと時間を尊ぶ新しい文化として成熟しつつある。
そこで生まれる問いは、もはや音質だけではない。音楽をどう扱い、どう空間に招き入れるか。

SL-1200GME/SL-1210GMEはその答えのひとつを提示している。

SL-1200GME/SL-1210GMEが導く、再生芸術の新基準

限られた台数で世に送り出されるこのモデルは、アナログ再生を極めた者だけでなく、音とデザインを“生き方の一部”に据える人にも深く響くだろう。

「レコードをまわす」とは、単に音を再生するのではない。時間を迎え入れ、空間に静かな緊張と高揚を宿す行為である。音楽は部屋を満たす空気だけでなく、そこに暮らす人の心の輪郭までも磨き上げる。
そうした体験の質を、テクニクスは妥協なく追求し続けてきた。100年以上の時を刻む音楽再生の歴史において、今回、またひとつ“基準”を更新したといえよう。

SL-1200GME/SL-1210GMEは、単なる名機の継承ではない。音楽体験そのものの未来を、静かに、しかし揺るぎなく指し示す存在である。

グランドクラス ダイレクトドライブターンテーブルシステム SL-1200GME/SL-1210GME

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    LWL online 編集部

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