YAMAGIWA「SOLO」― 人の営みに寄り添う、100周年のための光

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

世界の照明・家具ブランドの輸入販売のほか、独自のオリジナル照明を手がけるYAMAGIWA。創業100周年に向けて開発された初のポータブル照明「SOLO」は、“人の営みに追従して自分を照らす光”という新しい概念を提示する。デザインを手掛けたのはPRODUCT DESIGN CENTERの鈴木啓太氏。空間と人の関係を再解釈し、個の豊かさを照らすために生まれたあかりだ。

YAMAGIWA100周年に向け開発された、初のポータブル照明

「SOLO」はYAMAGIWA100周年に向けた企画としてスタートし、2年を過ぎたいまようやくリリースされたオリジナルの新商品。ほぼ4年がかりを費やして完成させた同社初のポータブル照明は、テーブルタイプと高さ1100mmのフロアタイプの2種類を用意する。

初めてアートスペースとして貸し出された展示会場Vacant/Centre(東京・渋谷)に足を踏み入れると、テーブルランプが来場者1人ひとりに「SOLO」手渡された。会場内の自由な場所に置いて使ってもらおうという企画だ。

柱部分は細いがしっかりした金属で、ベース部分は安定感抜群なのが印象的。色は3色を用意し、グリーンはややツヤがあるのに対し、黒は鉛筆のようなマットなグラファイト、白はシルクをイメージしてパールのような仕上がり。
吟味された意匠であることが窺える。

光源もこの製品のために新規で作成。あくまでパーソナルに使う照明でありながら、少し高い位置から60度の配光で射出し、灯下すぐよりも若干遠い箇所を広く照らすのも、手許照明として実用的である。

実際使ってみると、障子を開けたときにパッと差し込む外光のラインに対し、ちょうどプロジェクターの光のように空間を仕切るという相関関係が素敵で、とてもLEDとは思えない上質な光の交わりを見ることができる。

デザイナーの鈴木啓太さん(PRODUCT DESIGN CENTER)は、次のように語る。

「照明は、復興や復旧といった時期を経て『大きく照らす』ことが目的の時期がありました。このたび100周年の節目に『いま必要な光』を考え直したとき、持ち運ぶことができて、人の営みに追従して自分を照らす光なのではないかと。『SOLO』という名前にも、一人あるいは個人の孤独を照らすことで、個々の豊かさを象徴する光を作りたいという願いが込められています」

環境と光、人と光の関係を組み立て直して再解釈するような試み。
電源コードを排除し、USB-C充電によるバッテリー駆動になっているので、照明器具は人とともに移動する。
自省する道具として、パーソナルでありながら環境とも交わるような拡散する光というユニークさは唯一無二だろう。

ボタン操作で4段階に調光可能。フル充電で5時間駆動する(100%点灯時)

YAMAGIWA

  • ショールーム YAMAGIWA TOKYO
  • 東京都港区芝3-16-13 MARUWAビル 3F
  • 営業時間:11:00 – 17:00(予約優先制、水曜・日曜・祝定休)

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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