B&B Italia&Maxalto東京ショールーム探訪(前編)~Camaleonda、Tufty-Time 20から最新サステナブル家具まで

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

骨董通りに面したB&B Italia(ビー・アンド・ビー イタリア)のショールームを探訪した。裏には緑に囲まれた岡本太郎記念館がある。Maxalto(マクサルト)のショールームである地下1階も含めると4フロアにも及ぶので、前後編2回に分けてレポートする。4フロアにわたる空間のうち、前編では1階・2階のインドアコレクションにフォーカスする。Patricia Urquiolaの「Tufty-Time 20」、Mario Belliniの「Camaleonda」、Antonio Citterioの最新作など、名作と新作が共存する展示構成を、FlosやLouis Poulsenの照明演出とともにリポート。サステナビリティとカスタマイズ思想が融合する、いまのB&B Italiaの現在地を読み解く。

B&B Italiaとは? イタリアンモダンを牽引する家具ブランドの現在地

B&B Italiaは1966年設立のイタリアの家具ブランドで、グループ内にはほかにMaxalto(マクサルト)およびAzucena(アズチェナ)といった個性豊かなブランドを展開している。

東京・表参道にある旗艦店B&B Italia Tokyo(ショップ)は、2024年11月プレオープン、2025年2月にグランドオープンした。イタリア本社内に設けられたショールームに倣い、縦に伸びる広大な空間を、インダストリアルな印象を与えるブラックメタルのフレームやセラミックのスクリーンなどで区切ることで、シーン毎に異なる展示空間を創出している。

そうしたシーン演出に一役買っているのが、同じFlos B&B Italiaグループ内の2ブランドFlosとLouis Poulsenの照明。とくにFlosは同じイタリアブランドだが、大ぶりで個性的な器具が多いにもかかわらず、このショールーム空間への馴染み方には心底惚れ惚れするのでそちらにも注目してほしい。

1階 新作と人気モデルが集結するB&B Italia最新コレクション

Tufty-Time 20──Patricia Urquiolaが再定義するモジュラーソファの未来

訪問したのは、2026年明けてすぐの1月上旬。エントランスを飾るのは、Patricia Urquiola(パトリシア・ウルキオラ)が2005年に発表したTufty-Time(タフティータイム)の20周年記念ソファ&テーブル「Tufty-Time 20 (タフティー タイム 20)」だ。腰掛けられるほどボリューミーなアーム、もっちりとした抱擁感ある座り心地で、このたび追加されたカーブモジュールが柔軟なレイアウトを実現している。25年の新作ながら、すでに人気を獲得しているという。

フレームをウレタンで包むような構造ではなく、両者を分解処分できるサステナブルな構造に進化している

Antonio Citterioの構築美|Alex × Jensのダイニング提案

続いてAntonio Citterio(アントニオ・チッテリオ)のダイニングセット。光沢のある木製天板のテーブル「Alex(アレックス)」と、細い足にレザーの薄い背のチェア「Jens(ジェンス)」が組み合わさる。照明もレザーを用いたFlosの「Belt」だ。

イタリアの高級家具は、素材感を際立たせた構築的なデザインで語られることが多いが、B&B Italiaの最新コレクションは、コンテンポラリーな視点からサステナビリティや柔らかな造形にフォーカスしている点が印象的だ。日本市場においても、この柔らかでエフォートレスなスタイルのソファやウッドを用いた天板は、ここ数年で人気を集め始めている。

B&B Italiaの多くの製品は素材や色のカスタマイズが可能で、異なるマテリアルやカラーを組み合わせることで、まるでファッションのように個性を表現したいというオーナーの感性に応えていることがうかがえる。一見カジュアルでありながらも、カスタマイズによって自分らしさを反映できるものへの関心は高く、B&B Italiaらしいアイコニックな表情を保ちつつ、天板にあえて大理石ではなくウッドを選ぶといった選択は、そうした価値観を象徴している。

Noonu、Mart、Pianura、B&B Atoll──イタリアモダンの柔と剛

同じくチッテリオのリビングコーナー。ソファは写真のセイル(帆)型やピアノ型のデザインが特徴的な「Noonu(ヌーヌ)」で、人気を博しているという。2段階にリクライニングできるアームチェア「Mart(マート)」も、どこかメカニカルな背景が感じられ面白い。それに呼応するように、フロア照明にFlosの「Tolo」が添えられている。

1階奥は階段でフロアがステージのように上がっており、細長いフレームワークで座面や天面を支えキリッと見せる、いかにもイタリアらしい印象の逸品が映える。

チッテリオのスタイリッシュなブラックテーブル「Pianura(ピアヌーラ)を、中綿にフェザーをふんだんに仕込んだクッションで高級感を醸し出すソファ「B&B Atoll(B&B アトゥール)」が囲む。

肘掛けのボルスターで印象がガラリと変わる

2階 Camaleondaを中心とするアイコン空間と進化する名作

Mario Bellini「Camaleonda」復刻モデルの現在

階段を上がってすぐの2階には、B&B Italiaのアイコン的存在ともいえるMario Bellini(マリオ・ベリーニ)のソファ「Camaleonda(カマレオンダ)」で組んだリビングシーン。70年代より改良を重ねつつ2020年に復刻、張り地もベルベット調から新たにブークレなどコケティッシュなものもラインナップに加わったことで選択の幅が広がり、現在も高い人気を誇っている。

Brionvagaの一体型ステレオシステム「Totem」が。70年代からある製品で、扉を開ければレコードが再生できるほか、ラジオチューナーも内蔵し、いまやBluetooth機能も搭載。煌びやかな高品質サウンドを響かせていた

Monica ArmaniのAllura O’/Flair O’ 60年代ドレスからの着想

「Camaleonda」の低いソファと丸いテーブルで組んだリビングシーンの傍らには、Monica Armani(モニカ・アルマーニ)のダイニングセット。

柔らかい丸みを帯びたデザインは60年代のドレスからインスパイアされたもので、チェアは構造体を重くしつつ回転式にして機能性を高めている。テーブル「Allura O'(アリュール オ)」も素材の組み合わせによって表情が変わり、ここではオークと大理石が組み合わされている。一部のチェア「Flair O’ (フレール オ)」は、カントゥという地域の伝統的なレース編みが用いられており、全体としてフェミニンな印象だ。

階段脇には、座にもウレタンが入ったVincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・デュイセン)のアームチェアは愛犬の名を取った「Pablo(パブロ)」

Piero LissoniのDambo、Eda-Mame──都市的ミニマリズムの系譜

Flosのフロアランプ「Arco」を中心にしたリビングシーンでは、Piero Lissoni(ピエロ・リッソーニ)をフィーチャー。人気の「Dambo(ダンボ)」ソファは、マンハッタンにある地域の名前を用いた。曲線的なフォルムの「Eda-Mame(エダマメ)」は、デイベッドとしてはもちろん、ベンチとしても使える柔軟な存在。空間やシーンに応じて多様な使い方ができる点が魅力だ。

組み合わせるテーブルは、沖縄出身の大城健作デザインの「Lemante(レマンテ)」。揺らぎのあるモルテンガラスを使い、高さとサイズの異なるもの同士を互い違いに差し込むことで多彩な表情を描く

隣接するダイニングスペースには、まるで漆仕上げのような赤茶色のロッソレヴァントマーブル色のテーブル「Assiale(アッシアーレ)」。橋をイメージしており、展示されているものは長さ3メートル近くにも及ぶが比較的細いため空間に圧迫感を与えていない。Flosの1.7メートル近い筒状のペンダント「Luce Orizzontable」がマッチしている。

ナイトシーンとワードローブ ラグジュアリー邸宅の「私的領域」

Husk、Alys、Harbor Laidback──触感まで設計された寝室提案

奥の一角はナイトシーン。B&B Italiaのスッキリしたベッドフレームは人気が高く、ここでは寝具も含めてコーディネートしたパッケージとして展示・販売されている。近年、不動産を購入する外国人は迅速な納品を求めることも多く、シーン全体をまとめて在庫しておくのだという。

Patricia Urquiola(パトリシア・ウルキオラ)のシリーズ「Husk(ハスク)」のベッド版。テレビと組み合わせたシーン演出
Gabriele & Oscar Buratti(ガブリエル アンド オスカー ブラッティ)のベッド「Alys(アリス)」。本革のヘッドボードが見た目にも触感も柔らかい。両サイドにルイスポールセンの「AJ Oxford」ランプ
ベッドサイドには深澤直人のアームチェア「Harbor Laidback(ハーバー レイドバック)」が。内部のウレタンを含めちょうどいい塩梅の座り心地で、スリムなフォルムながら柔らかくしっとり包まれる。見た目や耐久性だけでなく、触れたときの心地よさを大切にし、ナチュラルでしっとりとした柔らかな生地を使う。レイドバック(リクライニング)のレバーも座面とアームの境目という目立たないところに配置

Backstageワードローブ──収納は“展示空間”へ進化する

また、チッテリオが「Backstage(バックステージ)」と名付けているワードローブもある。

近年は、収納を単なる機能としてではなく、大切なコレクションを美しく引き立てる「空間の一部」として捉える意識が高まっている。コレクションを展示した空間に足を踏み込んだときに心躍る部屋と言えばご理解いただけるだろうか。この造作すべてで数千万円だが、すべてイタリアで制作して輸入していると聞けば納得。

後編では、3階アウトドアフロアと、地下1階のMaxaltoフロアを紹介する。

後編予告 3階アウトドア&地下1階Maxaltoへ

B&B Italia Tokyo|Maxalto Tokyo
東京都港区南青山6-2-3
Tel. 03-3478-3837
Fax. 03-3401-3839
営業時間: 11:00-18:00 
定休日: 水曜日(祝日を除く)
https://bebitalia.co.jp/

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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