生成AIとの対話でキッチンは進化する。毎日の調理助手になるシャープの冷蔵庫 

オーディオ&サブカルライター/杉浦みな子 

シャープのキッチン家電といえば、クラウドAIと連携して毎日の料理をアシストするサービスで市場を牽引してきた存在。そして今、そのステージは生成AIと融合し、新たな領域に入っている。

黎明期から築き上げた「AIoT家電」の信頼 

シャープは、早くから家電をインターネットに接続し、クラウドAIと連携させるスタイルを提案してきた企業のひとつだ。同社ではそれを、AIとIoTを組み合わせた「AIoT家電」と位置づけている。 

なかでも、同社のウォーターオーブン「ヘルシオ」や、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」などのキッチン家電は、2017年に無線LAN接続対応を果たしている。クラウドサービス「COCORO KITCHEN」から、調理準備やおすすめメニューを提案するなど、毎日の料理をAIがアシストする仕組みを確立しているのが特徴だ。 

そんなAIoTの進化形として2025年から提供がスタートしたのが、対応する家電の使い方や悩みを相談できる生成AIサービス「COCORO HOME AI」である。 

特に、2026年1月に発表されたプラズマクラスター冷蔵庫の最新モデル「FiT63シリーズ」は、この「COCORO HOME AI」に対応することで、国内の冷蔵庫で初めて生成AIサービスに対応する存在となった(※シャープのプレスリリースより。国内における家庭用冷蔵庫と連携した生成AIによる応答サービスとして。2026年2月12日サービス開始)。 

具体的には、連携させた冷蔵庫の使い方やお手入れの仕方、食材をおいしく保存する方法を知りたいときなどに、スマートフォンアプリ「COCORO HOME」からテキストで質問を入力すると、AIが自然な言葉で回答。その冷蔵庫に関する質問や相談に、幅広く応じる。 

画像はシャープ公式サイトより(https://jp.sharp/ai_smartlife/refrigerator/)

生成AIとの対話がもたらす調理の未来 

これはいわば、LLM(大規模言語モデル)の活用によって、家電サービス側でユーザーの文脈を理解する能力が高まった状態だ。現在はアプリ「COCORO HOME」を使用してテキストベースで対話を行う状態だが、ゆくゆくは家電本体と会話する未来、それが冷蔵庫とヘルシオの間で連携される進化も期待できる。 

「SJ-MF61R」

例えば、冷蔵庫に対して「今日は疲れが溜まっている。包丁を握る手間を省きつつ、活力が湧くものが食べたい」と語りかける。生成AIは「疲労」と「簡便さ」という文脈を即座に汲み取り、連携するヘルシオやホットクックで作れるレシピとして、その瞬間のユーザーに寄り添ったアレンジ提案をリアルタイムで生成する……といったことだ。 

キッチン家電における生成AIの対応は、機械的な応答を脱し、気心の知れた調理助手と対話しているかのような、温かみのあるコミュニケーションを可能にする。ゆくゆくは、「キッチン家電との会話も楽しい調理工程のひとつ」という環境になっていくかもしれない。 

毎日の食事は、我々の健康に直結する大事な要素だ。「何を食べるか?」という、ウェルネスに直結する問いへの答えを、キッチン家電とのコミュニケーションによって導いていく未来。さらに、キッチン家電によって調理プロセスを効率化することで享受できる心のゆとりや、未知の味に出会う高揚感も、豊かな暮らしの源泉となるだろう。 

  • オーディオ&サブカルライター

    杉浦みな子

    1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。在学時は映画研究会で映像制作に勤しみつつ、文芸評論家・福田和也教授に師事。2010年よりAV・家電メディアの編集/記者/ライターとして13年間従事し、音楽とコンシューマーエレクトロニクス系の分野を担当。2023年独立。音楽・オーディオ・家電から、歴史・カルチャーまで幅広いテーマで執筆中。実績はこちらから→https://sugiuraminako.edire.co/

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