第24回『Living Wellness in Luxury®』詳細レポート(前編)~上質なインテリアが五感を刺激

fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人 

コロナ禍による中断を経て6年ぶりの『Living Wellness in Luxury®』(LWL)イベントが、2025年10月18日に、東京・赤坂のHIDEO(ハイデオ)TOKYOショールームで開催。本稿ではその詳細レポート第1弾をお届けする。

ラグジュアリーとは豪華・贅沢ではなく心と体の豊かさ。

当日、14時30分に開催された第24回『Living Wellness in Luxury®』(以降LWL)には、100名以上の招待ゲストが来場。趣旨に共感する協賛企業のプレゼンテーションに耳を傾け、会場内の展示を体感した。

イベントは、田村奈子さんの司会で進行された。

「2020年に発生したコロナ禍によりしばらく休止しておりましたLWLですが、このたび約6年ぶりに開催させていただくこととなりました。第24回目となる今回のテーマは、『AI時代のラグジュアリーライフ』と題しましてスマートホームをフューチャーさせていただきます。また、本日のスペシャルトークセッションでは、k/oデザインスタジオ代表・押野見邦英さんをゲストスピーカーとしてお招きし、『スマートホームの現在とこれから』をテーマにお話しいただきます」

田村奈子さんのMCで進行した

その押野見先生のトークセッションを挟んで、協賛企業が各5分のプレゼンテーションを開催。その後は立食形式での飲食を交えながらの懇親会、さらにチャリティ・ロトでは合計80万円以上相当の景品が当選者に配られた。

開会にあたり、LWLを第1回目から15年にわたり主催してきた株式会社GA代表・渡我部一成氏が登壇し、LWLについて紹介した。

LWLを15年にわたって主催してきたGAの渡我部一成氏

「今回初めて参加される方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明いたします。第1回目開催は2010年。もともとは、私が当時、イタリアのTechnogym(テクノジム)という高級フィットネスブランドのマーケティングマネージャーをしておりまして、ドイツの高級キッチンメーカーpoggen pohl(ポーゲンポール)さんと一緒にイベントをやろうという雑談に端を発し、デンマークのオーディオブランドBang & Olufsen(バング&オルフセン)を合わせた3社でスタートしました。インテリア業界は非常に魅力的なブランドがある一方、ファッション業界や化粧品業界と比べると一般的には周知されておらず、マーケティング予算も限られています。しかし同じ志を持ったブランドが集まりターゲットを絞れば、新しいイベントができるのではないかと立ち上げたのがLWLです。翌2011年から『家の中での生活をいかに快適でラグジュアリーに過ごすか』というコンセプトに共感する家具、家電等さまざまなカテゴリーの企業さまからのご協賛を得て、10社前後の協賛企業と年に3回のペースで2019年末までに23回、累計60社ほどの企業にご参加いただきました」

LWLの理念について、渡我部氏は次のように説明した。

「LWLは『Living Wellness in Luxury®』の略称です。ここでいうラグジュアリーという言葉は、一般的には豪華、贅沢といった見た目をイメージされますが、我々の提唱するそれは、心と体、両方の豊かさ。ゆとりや快適性といった本質的なものを意味します。そういったものを大切にしようというのがLWLのミッションです」

LWLの理念のひとつにNoblesse Oblige(ノブレス・オブリージ)がある。社会貢献によって、社会全体の幸福実現を目指すものだ。それに則り、毎回協賛企業各社から景品の提供を受け、一口1,000円で参加できるチャリティ・ロトが行われるのもLWLの名物のひとつ。公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンに全額が寄付される。

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンの鈴木聖仁氏は次のようにコメントした。

「人間は誰もが平等です。日本では考えられませんが、紛争や災害を受ける途上国では、女の子であるというだけで学校に行けない、仮に行けるとしてもきちんとしたトイレがない等の差別を受けています。特に、3人にひとりが18歳未満で結婚をさせられるという状況があります。しかし、子どもたちは決して弱い存在ではございません。ほんの少しの助けがあれば、社会に貢献するような大きな成功を遂げていく自立した存在になります。私たちは普段、子どもたちの教育や衛生面のサポート、早すぎる結婚への対策、成長支援といった活動を行っています。皆様方からのご寄付が、こうした子どもたちの強い後押しになります」

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンの鈴木聖仁氏

続いて、協賛企業各社のプレゼンテーションが行われた。

日本のお風呂文化を世界に。~「JAXSON/HIDEO」

続いて、協賛企業各社のプレゼンテーションが行われた。

株式会社JAXSON(ジャクソン)営業部鈴木氏が登壇した。

「JAXSONは1982年、43年前に創業したデザインバスタブのブランドです。一方、HIDEO(ハイデオ)は2021年にローンチしたフリースタンディングバスのコレクションです。これら2ブランドの全製品のアイデア、デザイン、型作り、カタログ等に至るまで、すべて創業者でデザイナーである清水秀男が監修、制作しています」

「インテリア業界出身の清水は、インテリアとしてのデザイン・機能性を世界に発信するブランドとなることを夢見てJAXSONとHIDEOを創業しました。ジャクソンの名前の由来は、ジャパンとお釈迦様をかけ合わせた造語で、日本文化への敬意を表しています。日本では古くからお風呂をコミュニケーションや流行の場として捉えており、そうした過ごし方や入り心地といったすべてが、ジャクソンのバスタブには込められているのです」

「ラインナップは、埋め込みタイプ、置き型の7シリーズに加え、大型バスまで79にものぼります。埋め込みタイプはジェットなどの機能を、置き型はガラスモザイクタイルなどでインテリアとしての存在感を高めています」

会場となったHIDEOショールームに隣接されるJAXSON東京ショールームに、27モデルが展示されていることも紹介された。

JAXSONショールーム紹介記事

鈴木氏は、続いてHIDEOを紹介。

2022年にミラノに常設スタジオを開設して毎年ミラノデザインウィークに参加し、高い評価を獲得。わずか3年で9モデルが世界的なデザインアワードを受賞したことを伝えた。

「2025年にはドイツのGerman Design Award 金賞を受賞しました。デザインの完成度、独自性、人間工学的な側面、環境への配慮が評価されました。日本のお風呂文化が注目され、ウェルネス=入浴という意識の高まりを実感しております」

HIDEOショールーム紹介記事

最後に、同社が国内総販売元を担うイタリアの照明ブランドFirmamento Milano(フィルマメント・ミラノ)を紹介。

「フィルマメント・ミラノは、ミラノサローネ元社長、フォンタナアルテ元社長などを歴任したインテリア業界の重鎮カルロ・グリエルミ氏によって創設されました。グリエルミ氏と清水が出会い意気投合し、HIDEOとのコラボレーションが始まりました」

そして、「グリエルミ社長自身や建築家がデザインを手掛けた独創的な照明コレクションを館内に展示していますのでぜひご覧ください」と来場者に呼びかけた。

Firmamento Milano紹介記事

イタリアンデザインと日本のクラフトマンシップが融合した最先端の収納~「GiGi」

株式会社秀光の藤田氏が登壇。背後にあるガラスのショーケースを指さしながら、同社が扱う収納GiGiの「ePole(イーポール)」を紹介した。

株式会社秀光の藤田氏

「デザインと物づくりの伝統が根ざすイタリアで製造した材料を日本に輸入し、日本で組み上げる収納のご紹介です。収納といえば木製がほとんどですが、ここで紹介させていただくのは、ガラスやアルミ、ファブリックやレザー、さらにはLEDを内蔵しています。『ePole』という名は、エネルギーを宿したアルミが作る新しい収納を意味します」

「このHIDEOショールーム内にあるものもそうですが、収納自体を天井一杯まで立ち上げることで壁として活用することができます。LEDライトも配線が見えないようなモジュール式になっております」と説明、調光も可能なのでホームオートメーションとも連携できることが示された。

「シリーズ展開としては、『vento』というガラスの収納のほか、壁付けタイプ、軽快なボードのタイプなど様々取り揃えており、これらを組み合わせて様々な仕様で作ることができます」

リビングでの使用例では、テレビ周りを飾り棚で構成、ベース部分にはセッラミックを使用してテーブルと意匠を揃えている。また、後付けで構築できることもアピールポイントとして示された。

キッチンでも活用でき、細かいキッチンパーツを使って引き出しを柔軟にアレンジできるのも魅力だ。

最近では、10畳ぐらいの部屋をまるごとワードローブにしたいという要望も多いといい、壁付けやウォークインクローゼットを設う。

GiGiはカスタム可能なので、様々な素材や色を選べる。ガラスの代わりに大判のセラミックタイルを使うことで、よりラグジュアリーな空間を演出することが可能であることも説明した。

GiGi紹介記事

暮らしにある“自分だけの特等席”~「Stressless®」

株式会社エコーネスは林氏が登壇。90年以上の歴史を持つ北欧ノルウェーの家具メーカーEkornes(エコーネス)のStressless®(ストレスレス®)を紹介した。

株式会社エコーネスの林氏

「ストレスレス®は、1971年にテレビ鑑賞用のリクライニングチェアとして誕生し、いまや世界50ヵ国以上で販売されています。その根底にあるのは、日常を豊かにするという理念です。『A Place That Moves Youーわたしに力をくれる場所ー』をコンセプトに、人生に静かな力を与える存在でありたいとの願いを込めて製造しております」

ブランドコンセプトに続き、製品の特長について解説。体に合わせて背もたれを自動的に調整し、肘、肩、背中を自然に支える内部構造を提示し「人間工学と職人技がひとつになり快適性を追求しています」と説明。一度座れば体が欲すること請け合いとアピールした。

また、すべての製品がノルウェーで一貫生産され、有害物質や化学製品不使用の安心・安全な素材を使用し、10年間保障の安心設計であることを説明。今回会場に配置された4つの製品を解説しながら、体感を促した。

最新のゼロ・グラビティを実現する『ADAM(アダム)』は発売されたばかりで2025年レッド・ドット・デザイン賞を受賞。『SCOTT(スコット)』はワンタッチでベストポジションを得られるチェア。『ARION(アリオン)』は、長年ホームシアター用の椅子として愛されている。『BERLIN(ベルリン)』はモダンデザインと確かな座り心地を両立している。

最後に林さんは「ストレスレスは、暮らしの中に自分だけの特等席を作ります。この椅子に座るだけで、皆様の特等席ができます。心が落ち着き、前に進む力を得られます。皆様にもぜひそんな時間を日常の中に取り入れていただきたいと思っています」と締めくくった。

Stressless®ショールーム紹介記事

  • fy7d(エフワイセブンディー)代表

    遠藤義人

    ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

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