走るためのテクノロジーは、坐るための美学へ── ASICS × Karimoku New Standard が示す、循環型ウェルネス家具の新基準
取材/LWL online編集部
スポーツが身体を解放するように、家具は心と時間を解きほぐす。日本発のグローバルスポーツブランド〈ASICS〉と、次世代の日本家具を提示し続ける〈Karimoku New Standard〉による協業は、「坐る」という日常行為を、ウェルネスの視点から再定義する試みだ。
本コラボレーションで発表されたのは、デッドストックやサンプル品など未使用のまま廃棄予定となっていた〈ASICS〉製シューズを原材料として再生したクッションを採用したラウンジファニチャー。
「Castor Lobby Sofa」「Polar Lounge Chair」という2モデルは、単なるサステナブル家具ではない。
スポーツ工学が蓄積してきた“身体理解”と、家具づくりが培ってきた「居心地の設計」が融合することで生まれた、新しいウェルネスデザインの到達点である。


シューズの記憶を、座り心地へと翻訳するクッション構造
クッション構造には〈ASICS〉のシューズ「NEOCURVE」で用いられている技術を応用。シューズから分解・粉砕されたフォーム材(EVA)を、家具用素材として再構成し、フォーム材チップを混合した綿と、3mm厚のシートを組み合わせたハイブリッド構造を採用している。
長年にわたり家具製造で培われたカリモクのノウハウをもとに、フォーム材の混合比率やシート厚を細かく検証。
適度な柔らかさと反発力、長期使用でも型崩れしにくい耐久性を実現し、身体に負担をかけにくい安定した座り心地を生み出した。

オフィスワークにも応える「集中のための座り心地」
混合綿の層をシートで覆う二層構造により、身体に寄り添うマイルドな沈み込みと、安定感のある支持性を両立。
通常モデルと比べて沈み込みを抑えた設計となっており、PC作業やミーティングなど、集中力が求められるシーンにも適した仕様となっている。
ラウンジ家具でありながら、長時間座ることを前提に設計されている点は、スポーツ工学の知見を持つ〈ASICS〉との協業ならではの特徴と言えるだろう。
両ブランドの思想が刻まれた、特別なディテール
本コラボレーションモデルには、〈ASICS〉と〈Karimoku New Standard〉両ブランドのロゴが刺繍された特別なタグを配置。
素材、構造、思想──すべてのレイヤーにおいて両者のフィロソフィーが共鳴した証として、静かに存在感を放つ。

KARIMOKU RESEARCH CENTERにて特別展示を開催
本コラボレーションモデルの発売を記念し、東京・西麻布の〈KARIMOKU RESEARCH CENTER〉では、特別モデルの展示が行われる。
会場となる2F「THE MATERIALS LAB」では、〈Karimoku New Standard〉のクリエイティブディレクターであるDavid Glättliのディレクションのもと、デンマークのテキスタイルメーカー〈Kvadrat〉の張地を纏った特別仕様の家具を展示。
トレイル、ストリート、テニスコートという3つのスポーツシーンを想起させる張地が選定され、〈ASICS〉のシューズが家具へと生まれ変わるストーリーを、素材と色彩で表現する。


展示概要
- 展示期間:2026年1月17日(土)〜2月14日(土)
- 営業時間:12:00〜18:00
- 休館日:毎週日曜(※最新の開館状況は施設公式サイトにて要確認)
- 会場:KARIMOKU RESEARCH CENTER 2F「THE MATERIALS LAB」
- 所在地:東京都港区西麻布
- 内容:ASICS EDITION 特別モデル展示・試座体験
- 施設HP:https://www.karimoku-research.com/jp
坐ることで、身体と向き合うという選択
〈ASICS〉が掲げてきた「健全な身体に健全な精神があれかし」という哲学。
〈Karimoku New Standard〉が追求してきた、日本の素材と未来の家具づくり。
本コラボレーションは、サステナブルであることを目的化せず、心地よさという実感を通じて、結果として持続可能な循環を提示する。
走るためのテクノロジーが、坐るための知性へと姿を変え、暮らしの中で静かにウェルネスを支え続ける──その思想は、これからの住まいと働き方を考えるうえで、ひとつの確かな指標となりそうだ。
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LWL online 編集部