廃棄衣類が全長25mの巨大インスタレーションに。旧KK線で「RE:FIT」公開

 取材/LWL online編集部

博展と東合板商会が、廃棄衣類などから生まれたリサイクル建材「PANECO® board M」を使い、全長25mの巨大インスタレーション「RE:FIT」を公開する。会場は「DESIGNART TOKYO 2026」のメイン会場となる、銀座・有楽町の旧東京高速道路「KK線」。2026年10月30日(金)から11月3日(火・祝)までの5日間、衣服と道路の役割を捉え直し、都市の新たな居場所を提案する。

全長25mの「RE:FIT」とは。廃棄衣類が都市の居場所に

着なくなった服が都市の新たな居場所をつくる。素材と空間の役割を捉え直す新たな試み。この試みをわたしたちはどう捉えるべきなのだろうか?

空間デザインやイベントプロデュースを手がける博展と、木材・建材を扱う東合板商会(AZUMA PLYWOOD)が、デザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2026」に共同出展する。

発表されたのは、全長25mに及ぶ大型インスタレーション「RE:FIT」。2026年10月30日(金)から11月3日(火・祝)までの5日間、銀座・有楽町エリアに位置する旧東京高速道路「KK線」で展示される。

構造物には廃棄衣類由来のリサイクル建材「PANECO® board M」を採用。衣類は本来、人の身体を包み、守り、装うもの。その役目を終えた繊維を建築素材へと生まれ変わらせ、人と都市の新たな関係をつくり出そうという試みだ。

「RE:FIT」には、衣服から建材へ、そして人のための空間へと、素材の役割を捉え直す発想が込められている。

構造物は人の行為や周囲の環境に応じて異なる使われ方を受け入れる空間として構想された。家具と建築、モノと場所の境界を越えながら、都市の中に心地よい居場所を生み出すことを目指す。

繊維廃棄物51%、木質素材49%。循環型建材「PANECO® board M」とは

今回のインスタレーションは繊維廃棄物を再資源化した建材「PANECO® board M」を用いて構成される。

使用済みの衣類やユニフォーム、作業服、古着などを原料とし、独自の特許技術によってボード状の建材に再生する。

廃棄衣類51%と木質素材49%からつくられたリサイクル建材「PANECO board M」の表面と断面
廃棄衣類などの繊維廃棄物51%と廃棄木材などの木質素材49%を配合した「PANECO® board M」。使用後も再びボードへとリサイクルできる循環型建材

その配合比率は、廃棄衣類などの繊維廃棄物が51%、廃棄木材などの木質素材が49%。繊維と木質素材を組み合わせることで、建築や内装、家具などに求められる剛性、寸法安定性、加工適性を備えた基材として開発された。

メーカーによると、従来品の「PANECO® board S」は、デザイン性を重視した意匠材として展開されてきた。「PANECO® board M」は、建築や内装、家具などの基材としての活用を見据え、量産性や耐久性などを高めたモデルに位置づけられる。

さらに、使用後には再び粉砕・成形してボードに戻すことが可能だという。製造して終わりではなく、使用後の再利用までを想定した循環型の素材である。

建築・インテリア分野では、環境負荷を抑えた素材の選択がますます重要になっている。今回の「RE:FIT」は、リサイクル建材を単なる代替材料としてではなく、空間デザインの主役として活用する実験でもある。

旧東京高速道路「KK線」で考える都市空間の再生

展示会場となる「KK線」は、銀座・有楽町エリアを走っていた東京高速道路の通称だ。

約60年にわたって自動車交通を支えてきた道路は、2025年4月5日、東銀座出口を除いて廃止された。現在は、高架道路の既存施設を生かし、歩行者中心の公共的空間へ再生するプロジェクトが進められている。

自動車のためにつくられた都市インフラを、人々が歩き、集い、憩うための場所へと転換する。

そうした再生の途上にあるKK線は、「RE:FIT」が掲げる素材や空間の再解釈というテーマと重なる。

かつて人が身にまとっていた衣服が建材に変わり、かつて車が走っていた道路が人のための居場所へと変わる。

素材と都市インフラ、双方の用途を見直すことで、これからの都市に求められる新たな価値を提示する展示といえそうだ。

DESIGNART TOKYO 2026で公開。博展×東合板商会、2年連続の共同出展

博展と東合板商会がDESIGNART TOKYOに共同出展するのは、昨年に続いて2年連続となる。

DESIGNART TOKYO 2025で博展と東合板商会が共同出展した「Cooked Matter / Crafted Space」の会場外観
2025年のDESIGNART TOKYOで開催された、博展と東合板商会による共同展示「Cooked Matter / Crafted Space」。渋谷・神泉のギャラリーを舞台に、カラーMDFの可能性を探った

2025年には「Cooked Matter / Crafted Space」を発表。おがくずを染色して成形する「カラーMDF」を使用し、床や壁、天井から家具・什器までを連続した空間として構成した。

博展と東合板商会による2025年の展示「Cooked Matter / Crafted Space」の会場内部とカラーMDFを用いた空間デザイン
2025年の共同展示「Cooked Matter / Crafted Space」。カラーMDFを床・壁・什器などへ連続的に展開し、素材の表現力と加工性を生かした空間を構成した
DESIGNART TOKYO 2025の「Cooked Matter / Crafted Space」で展示されたカラーMDFの家具・壁面・什器など6点の記録写真
2025年の展示「Cooked Matter / Crafted Space」のディテール。カラーMDFによる壁面造形や家具、什器などを通じて、素材の多様な加工表現を紹介した

2026年の「RE:FIT」では、廃棄衣類由来の建材を用い、全長25mのスケールで都市空間との関係を探る。

今回の展示は、建築やインテリアにおける循環型素材の可能性を考えるとともに、都市の既存ストックをどのように再生できるのかを問いかけるものとなりそうだ。

なお、DESIGNART TOKYO 2026は、10月30日(金)から11月8日(日)まで、東京の各エリアで開催される。KK線はそのメイン会場となり、多様な建築、アート、デザインの作品が集まる。

DESIGNART TOKYO 2026の10周年記念公式ロゴ「DESIGN & ART FESTIVAL 2026」
10周年を迎えるデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2026」。10月30日から11月8日まで、東京都内の各エリアで開催される

「RE:FIT」開催概要

  • 会期: 2026年10月30日(金)~11月3日(火・祝)
  • 時間: 10:00~19:00(最終入場18:00)
  • 初日: 12:00開場
  • 最終日: 17:00終了(最終入場16:00)
  • 会場: KK線(旧東京高速道路)数寄屋橋交差点~銀座一丁目
  • 出展: AZUMA PLYWOOD × HAKUTEN
  • 入場: 有料・チケット制
  • 会場入口は東京交通会館の隣、銀座インズ2北側のロイヤルホストの看板付近。

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