ビルトイン冷蔵庫は「家電」から「建築」へ。ミラタップ《インヴィエラ》が実現するノイズレスキッチンの新基準

 取材/LWL online編集部

キッチンにおいて最後まで“異物”として残り続けてきた存在――それが冷蔵庫である。どれほど空間設計を突き詰めても、巨大な家電が持つ存在感は、しばしばインテリアの連続性を分断してきた。そうした状況に対して、住宅設備メーカーであるミラタップが提示した新たな解答が、家電ブランド《インヴィエラ》だ。

その第1弾となるビルトイン冷蔵庫は、「ノイズレス」という思想のもと、家電を空間に従属させるのではなく、建築と一体化させる方向へと舵を切る。
それは単なる新製品ではなく、「家電のあり方」そのものを再定義する試みと言えるだろう。

家電が空間を壊す時代から、空間に溶け込む時代へ先導する

近年、住宅設計のトレンドは大きく変化している。SNS、とりわけInstagramを起点とした「家アカ」の普及により、生活者自身の設計リテラシーは飛躍的に向上した。

その結果、キッチンは単なる作業空間から、LDKの中心に据えられた「見せる=魅せる空間」へと変化。アイランドキッチンをはじめとする開放的なレイアウトが主流となり、空間全体の統一感がこれまで以上に重視されるようになっている。

しかしその中で、依然として強い存在感を放つのが冷蔵庫だ。大型家電としての機能性を優先するあまり、デザインの統一性から逸脱するケースが多く、空間設計上の「ノイズ」となり続けてきた。

欧州ではすでに、こうした課題に対する解としてビルトイン家電が一般化している。
一方、日本では価格の高さが導入の障壁となり、限定的な普及にとどまっていた。

ミラタップが踏み込んだ「家電の再定義」

こうした市場環境を背景に、ミラタップが立ち上げたのが新ブランド《インヴィエラ》である。

同社はこれまで住宅設備領域で培ってきた知見をベースに、「家電を住宅の一部として再設計する」というアプローチを選択した。従来の家電メーカーとは異なり、「空間側から家電を定義する」という思想である。

その第一弾がビルトイン冷蔵庫という選択であったことは象徴的だ。キッチンにおいて最も存在感が大きく、かつ空間との不整合を生みやすいデバイスだからである。

面材自由設計がもたらす「完全なノイズレス」

本製品は、冷蔵庫本体のみを提供し、外装の面材は現場で自由に設計する仕様を採用している。

一般的な家電は製品側でデザインが固定されているが、本モデルでは「外観の最終決定権」が建築側に委ねられる。つまり、キッチンの素材や色、質感に完全に同調させることが可能となり、冷蔵庫の存在を視覚的に消去できる。

さらに2026年秋以降には、ミラタップのオリジナルキッチン収納との統合モデルも予定されており、冷蔵庫が家具の一部として組み込まれる、より高度な空間設計が現実のものとなる。

生活に対応する柔軟な構成と十分な容量

ラインアップは、以下の3タイプで構成される。

  • 2ドア冷凍冷蔵庫(267L)
  • 1ドア冷蔵庫(280L)
  • 1ドア冷凍庫(200L)

特に注目すべきは、冷蔵庫と冷凍庫を独立して配置できるサイドバイサイド構成だ。
これにより最大480Lの大容量を確保しつつ、空間設計に応じた柔軟なレイアウトが可能となる。

作り置きやまとめ買いといった現代的な生活スタイルにも対応しながら、デザインと機能の両立を図っている点は評価できる。

「家電×住宅設備」の統合が意味する未来

《インヴィエラ》は今後、冷蔵庫にとどまらず家電ラインアップの拡充を予定している。これは単なる製品展開ではなく、「住宅設備と家電の統合」という大きな方向性を示唆している。

住宅、ホテル、民泊といった空間において、家電は独立したプロダクトではなく、空間体験を構成する一要素として再定義されていく。

この流れは、LWL onlineが提唱してきた「建築統合型スマートホーム」とも強く共鳴する。すなわち、デバイス単体ではなく、空間全体で体験を設計するという思想である。

《インヴィエラ ビルトイン冷蔵庫》が提示したのは、「家電は見せるものか、それとも消すものか」という根源的な問いに対する一つの答えである。家電が主張する時代から、空間に溶け込む時代へ。その転換点が、いま静かに訪れている。
そしてこの動きは、キッチンという一室にとどまらず、住まい全体の設計思想そのものを更新していく可能性を秘めている。

インヴィエラ ビルトイン冷蔵庫

  • 取材

    LWL online 編集部

Related articles 関連する記事

  1. home Home
  2. INFO
  3. ビルトイン冷蔵庫は「家電」から「建築」へ。ミラタップ《インヴィエラ》が実現するノイズレスキッチンの新基準