Nujabesが残した「Tribe」×KANADEMONO、DJ台を共同開発。「音楽と暮らす」家具をMYAF2026で初披露

 取材/LWL online編集部

パーソナライズ家具ブランド「KANADEMONO」が、音楽プロデューサーNujabesが営んでいたレコードショップ「Tribe」とDJ台を共同開発した。鎌倉の音楽スタジオを起点に、実際のDJ機材やプレイ時の動線、配線、レコード収納までを踏まえて1cm単位で設計。「Living with Music」を掲げる新たなDJ台として、10月9日から東京・天王洲で開催される「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026(MYAF2026)」で初披露される。

Nujabesとは何者だったのか?

今回のプロジェクトを理解するうえで、まず触れておきたいのがNujabesだ。

Nujabes(ヌジャベス)は日本の音楽プロデューサー/DJ。独立レーベル「Hydeout Productions」を主宰し、ジャズやソウルなどのサンプリングとヒップホップのビートを融合させ、叙情的で独自性の高いサウンドをつくりあげた。

2003年の『Metaphorical Music』、2005年の『Modal Soul』などのオリジナルアルバムに加え、Shing02との「Luv(sic)」シリーズも代表作として知られる。また、渡辺信一郎監督によるアニメ『サムライチャンプルー』の音楽にも参加。日本国内だけではなく、海外にも多くのリスナーを持つ。

Nujabesは2010年、交通事故により36歳で死去したが、その後も作品は世界中で聴き継がれ、ジャズとヒップホップを交差させたサウンドは、後のlo-fi hip-hopを含むさまざまな音楽に影響を与えてきた。

さて、Nujabesが営んでいたレコードショップのひとつが「Tribe」だ。

ジャズやヒップホップを中心に、ジャンルや年代だけでは分類できない独自の選曲によって音楽を紹介し、多くの音楽ファンやアーティストが集う場所となった。

現在もNujabesが築いた音楽と人とのつながりを受け継ぎ、作品制作やイベントなどを展開することで、Hydeout Productionsにつながる音楽文化を継承している。

鎌倉の音楽スタジオから生まれたDJ台

1cm単位で機材と空間にフィットする「THEシリーズ」

今回のKANADEMONOとの共同開発は、Tribeが神奈川・鎌倉に構える音楽スタジオの空間づくりをきっかけに始まった。

KANADEMONOのシグネチャー家具「THEシリーズ」がベースとなっている。Tribeが実際に使用するDJ機材とプレイ時の動線、さらには配線までを確認しながら、幅や奥行きを1cm単位で設計しているという。

スタジオで使用するテーブルやスツールとも天板や脚の素材を揃えることで、DJ台だけが機材然として浮き上がらず、空間全体の家具として統一感を持たせている。

TribeとKANADEMONOが共同開発したDJ台とレコードコレクション
鎌倉の音楽スタジオに設置された、TribeとKANADEMONOによる共同開発DJ台。DJ機材や動線、レコード収納までを考慮して設計された

配線は隠し、レコードは見せる

正面にはオープンシェルフを設け、レコードを収納すると同時にディスプレイできる構成とした。

電源やオーディオケーブルは、背面中央に設けた配線孔へ集約。幕板によって不要な配線を視界から隠しながら、中段と下段には足元を動かすためのスペースを確保した。

「見せたいもの」と「隠したいもの」を明確に分けているところも、一般的な機材用ラックとは異なる。

Tribe × KANADEMONO DJ台の正面と背面、レコード収納と配線設計
DJ台の正面と背面。正面にはレコードを収納・ディスプレイできる棚を設け、背面では機材の配線やプレイ時の動線にも配慮している

「Living with Music」を空間全体へ

Tribeの鎌倉音楽スタジオをKANADEMONOがコーディネートした空間
KANADEMONOがコーディネートしたTribeの鎌倉スタジオ。DJ台を中心に、ソファやテーブル、照明、レコード収納などをひとつの空間として構成した

KANADEMONOが今回掲げているテーマが、「Living with Music」だ。家具やアートと同じように、音楽も暮らしや空間を構成するひとつの要素として捉える。

このテーマをもとに、KANADEMONOは、鎌倉のスタジオ全体もコーディネート。楽曲制作や打ち合わせ、休憩など、スタジオでの実際の過ごし方にあわせて、「THEシリーズ」を中心に、テーブル、スツール、シェルフ、ソファ、ラグ、植物、照明などを組み合わせた。

Tribeの鎌倉音楽スタジオの天井、自然光、レコード、アート
音楽制作の場でありながら、自然光や素材、アートとの調和も図られた鎌倉のスタジオ。家具だけでなく、空間全体を「Living with Music」の視点から構成している

人が長時間を過ごす居住空間として音楽スタジオを捉え直しているのだ。

オーディオやレコードを住空間へ取り入れるとき、これまでは「どこに機器を置くか」が先に考えられることが多かった。

今回のアプローチはそれとは逆だ。家具、照明、アート、レコード、オーディオ機器をひとつの空間要素として扱い、その中に音楽体験そのものを組み込んでいる。

KANADEMONOのローテーブル、シェルフ、ソファを配したTribeのスタジオ
「THEシリーズ」を中心に、ローテーブルやシェルフ、ソファなどをコーディネート。音楽制作だけでなく、打ち合わせや休息にも対応する空間とした

MYAF2026で初披露。一般販売も視野に

共同開発されたDJ台は、2026年10月9日(金)から12日(月・祝)まで、東京・天王洲運河一帯で開催される「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026」のKANADEMONOブースで披露される。

KANADEMONOは今回、「Living with Creativity|音楽とアートが生まれる、クリエイティブスタジオ。」をテーマに出展する。

アートディレクター/グラフィックデザイナーの藤田二郎、オカモトヒロヤ、市川大翔による作品と、Tribeによる音楽を家具とともに構成するという。

10月10日には、今回開発したDJ台を実際に使用するスペシャルDJパフォーマンスも予定されている。

なお、MYAF2026で展示されるDJ台については、鎌倉のスタジオに納品されたモデルそのものではなく、一般販売を視野に開発中のプロトタイプとなる可能性がある。

現時点で製品仕様や発売時期などは決まっていないものの、KANADEMONOでは今回得られた知見をもとに商品化についても検討していくという。今後、どのようなかたちで商品化されるのか、注目したい。

「音楽のための家具」から「音楽と暮らす家具」へ

レコードプレーヤーやオーディオ機器は、音楽を再生するための道具であると同時に、住空間の中では強い存在感を持つ「モノ」でもある。さらに、DJ機材や大量のケーブル、レコード収納まで含めると、インテリアとの共存は決して簡単ではない。

今回TribeとKANADEMONOがつくったDJ台は、そうした音楽機材を家具の側へと引き寄せようとするきわめて意欲的な試みと言える。

Nujabesが残した音楽文化を継承するTribeと、1cm単位で家具をパーソナライズするKANADEMONO。両者が掲げた「Living with Music」という言葉は、単に音楽を流しながら暮らすという意味ではないだろう。そこには、レコードやオーディオ、家具、照明、アートを切り離すことなく、音楽を住空間そのものの一部として設計する思想が読み取れる。

今回のDJ台は、そんなこれからの「音楽のある暮らし」を象徴するプロダクトになりそうだ。

【MEET YOUR ART FESTIVAL 2026】概要

  • 開催期間:2026年10月9日(金)~10月12日(月・祝)
  • 会場:東京・天王洲運河一帯(寺田倉庫ほか)
  • KANADEMONO出展:
  • 「Living with Creativity|音楽とアートが生まれる、クリエイティブスタジオ。」
  • 会場:アートフェア「CO-CROSSOVER」寺田倉庫 D HALL
  • KANADEMONOブース:10月10日(土)スペシャルDJパフォーマンス予定
  • 出展内容詳細
MEET YOUR ART FESTIVAL 2026 MYAF2026 メインビジュアル
「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026」は2026年10月9日〜12日、東京・天王洲運河一帯で開催。共同開発DJ台もKANADEMONOブースで披露される予定

KANADEMONO

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