Edraが「ACK 2026」に参画。京都で名作家具と現代アートが共演

 取材/LWL online編集部

イタリア・トスカーナ発のラグジュアリー家具ブランド「Edra(エドラ)」が、2026年11月7日(土)から9日(月)まで開催される国際的な現代美術のアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK 2026)」に、昨年に続きパートナーとして参画する。

舞台は京都・国立京都国際会館。トークプログラム「ACK Talks」の会場とニューホールのホワイエに、CIPRIA、VERMELHA、白と黒のPACKなどの名作が集う。彫刻的な造形と豊かな座り心地を備えた家具が、アートを巡る対話に優雅な余韻を添える。

White and black Edra Pack sofas displayed among artworks in a gallery
アート作品とともに展示されたEdraの「PACK」。氷の上でくつろぐ北極グマをモチーフとしたソファは、家具とアートの境界を軽やかに越える存在だ

ACK 2026で、アートを語らう空間をEdraが彩る

京都を舞台に「コラボレーション」をコンセプトとして展開するACK。6回目となる2026年は、18の国・地域、24都市から63ギャラリーが参加する。「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」のブース展示に加え、企画展示やトークなど、多彩なプログラムが繰り広げられる。

Edraが家具を提供するACK Talksには、建築家の妹島和世をはじめ、国内外のアーティストや文化関係者が登壇予定だ。価値の発信と共有、思想や美学の継承などを手がかりに、アートを介したコミュニケーションの可能性を探る。

言葉が交わされる場の表情を家具はいかに変えるのか。造形の美しさと身体を受け止める快適さを追求してきたEdraの存在が、その問いを身近なものにする。

CIPRIAから白と黒のPACKまで。会場を彩るEdraの名作

登壇席には、カンパーナ兄弟のCIPRIAとVERMELHA

登壇席には、フェルナンド&ウンベルト・カンパーナによる「CIPRIA(チプリア)」や「VERMELHA(ベルメーリャ)」などが設置される。

CIPRIAは、化粧パフを着想源とする9つのクッションで構成されたソファだ。ふくよかなフォルムと柔らかなフェイクファーが、空間に親密な表情をもたらす。

VERMELHAは、約500メートルの特殊なロープを高度な手仕事で絡め、幾重にも重ねて仕上げるアームチェア。奔放に見える線の集積に、身体を包み込む座り心地と緻密な職人技が宿る。

Edra Vermelha armchairs by Fernando and Humberto Campana featuring intricate handwoven rope
カンパーナ兄弟による「VERMELHA」。約500mもの特殊なロープを職人が手作業で編み上げ、彫刻的な造形と座るための機能をひとつに融合させている

円形の視聴席には白のPACK。On the Rocksも登場

円形の視聴席には、氷上に横たわるクマをモチーフとした「PACK(パック)」の白いモデルを配置する。

フランチェスコ・ビンファレが手がけたPACKは、流氷を思わせる座面と、クマの姿をした背もたれが印象的なソファ。自然の風景を室内へと招き入れるような大胆な発想が、くつろぎの時間に想像力を重ねる。

White Edra Pack polar bear sofa in a contemporary luxury residence with modern art
彫刻のような存在感を放つ、白い「PACK」。柔らかな身体のラインと広々とした座面が、現代建築の空間に親密さと遊び心をもたらす

会場には、同じくビンファレによる、自由なレイアウトと彫刻的な造形が魅力のソファシステム「On the Rocks(オン・ザ・ロックス)」も登場する。独立した座面と背もたれを自在に組み合わせるソファシステムは、柔らかな彫刻のような佇まい。配置によって空間の表情を変える柔軟さも魅力だ。

Edra On the Rocks modular sofa arranged in a luxurious art-filled interior
フランチェスコ・ビンファレがデザインした「On the Rocks」。自由な構成を可能にするモジュールと、身体を包み込む柔らかなフォルムが、上質なリビング空間を生み出す

ホワイエには黒のPACK、CABANA、GETSUEN

ニューホールのホワイエにも、Edraの世界観に触れるエリアが設けられる。窓際には黒いモデルのPACKを展示し、トーク会場の白いモデルとは異なる表情を見せる。

カンパーナ兄弟による「CABANA(カバナ)」は、長い繊維が床へと垂れ下がる、謎めいた存在感の収納家具。その覆いの内側には円形の棚が隠されており、彫刻的な外観と実用性がひとつになっている。

Edra Cabana cabinet by the Campana Brothers covered in long raffia strands
カンパーナ兄弟による収納家具「CABANA」。長く垂れ下がるラフィア素材の房の内側には収納棚が隠されている。日常の機能を意外性に満ちた造形へと昇華した作品だ

梅田正徳が手がけた「GETSUEN(ゲツエン)」も、このエリアを彩る。ユリの花を思わせるアームチェアは、繊細な輪郭の内側に複雑なスチール構造を秘めた作品。詩情ある造形を、技術と手仕事が支えている。

Black Edra Pack sofa and sculptural Getsuen chair in a contemporary luxury living room
黒い「PACK」を主役に構成したリビング空間。左側には梅田正徳がデザインした「GETSUEN」も配され、独創的なフォルムが建築空間に豊かな個性を添える

自然光を受ける家具の陰影や、素材が描く豊かな表情。ホワイエでは、アートフェアを巡る合間にも、デザインをゆっくりと味わう時間が生まれそうだ。

Edraとは。トスカーナの職人技と革新が生むラグジュアリー

Edraは1987年、ヴァレリオ・マッツェイとモニカ・マッツェイによって、イタリア・トスカーナ州ピサ近郊のペリニャーノで設立された家具ブランドである。

芸術文化に育まれた感性と職人の手仕事に、素材研究と技術革新を重ね、独創的なコレクションを生み出してきた。その軸となるのが、Comfort(快適性)、Elegance(優雅さ)、Performance(性能)という価値だ。強い個性を放つ造形と、人の身体に寄り添う心地よさを、ともに追求している。

カンパーナ兄弟、フランチェスコ・ビンファレ、梅田正徳。それぞれに異なる創造性を持つデザイナーの発想を、家具として実現する技術と手仕事。今回の展示は、そうしたEdraのものづくりを、複数の名作を通して知る機会でもある。

Esedraに息づく、対話と出会いの思想

ブランド名のEdraは、「Esedra(エセドラ)」を縮めたものだ。古代ギリシャ・ローマの邸宅などに見られた、一方が開かれ、座る場所を備えた交流のための空間を指す。

その名には、人が集い、語らう場所と家具との関係が息づいている。アートを起点に思想や価値観を交わすACK Talksは、Edraの名前に込められた意味を、あらためて感じさせる舞台となるだろう。

国立京都国際会館で出会う、建築と家具と現代アート

会場となる国立京都国際会館は、建築とインテリアの視点からも訪ねたい場所だ。

1966年に開館した本館は、大谷幸夫によるモダニズム建築。傾斜した壁や柱、台形と逆台形を組み合わせた力強い構成が、周囲の自然と響き合う。本館の一般家具・調度には剣持勇デザイン研究所が携わり、建築と家具をともに考える姿勢が空間を形づくってきた。

今回、Edraの家具が設置されるニューホールは、2018年に開館した日建設計による建築である。歴史ある本館と、新たな交流の場として加わったニューホール。それぞれの時代の建築が共存する国際会館を背景に、イタリアの家具と現代アートが出会う。

作品を眺め、言葉に耳を傾け、家具の質感を味わう。視覚と身体の感覚を行き来するひとときに、暮らしを豊かにするデザインの奥行きが見えてくる。秋の京都で過ごす、知的で優雅な時間になることだろう。

ACK 2026 開催概要

  • 名称:Art Collaboration Kyoto(ACK)2026
  • 会期:2026年11月7日(土)〜9日(月)
  • 開催時間:11月7日・8日 12:00〜19:00/11月9日 11:00〜17:00
  • 最終入場:各日、閉場の1時間前まで
  • 会場:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)ほか
  • Edra設置場所:ニューホールのトーク会場およびホワイエ
  • 公式サイト:Art Collaboration Kyoto

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