Roborock「Qrevo 2 Pro」発売。新開発ブラシで部屋の隅まで、ロボット掃除機は「仕上がり」の時代へ
取材/LWL online編集部
Roborock(ロボロック)は、新型ロボット掃除機「Roborock Qrevo 2 Pro」を2026年10月2日に発売する。最大25,000Paの吸引力に加え、部屋の隅を検知して回転方向を切り替える新開発の「リバーシブルサイドブラシ」、デュアル回転モップ、高温モップ洗浄、AIによる清掃プラン生成などを搭載。ロボット掃除機が「床管理ロボット」へ進化するなか、次の競争軸となる「仕上がり」に踏み込んだ一台だ。
円いロボットと四角い部屋。「リバーシブルサイドブラシ」で四隅を攻略
ロボット掃除機には構造上どうしても苦手になりやすい場所がある。壁際や部屋の四隅である。
多くのロボット掃除機は円形に近いボディを採用しているが、住宅の室内空間は基本的に壁と壁が直角に交わっている。そのため、ロボットがいくら正確に部屋を認識できたとしても、最後には「機械の形」と「建築の形」の違いが残る。
Qrevo 2 Proが新たに搭載したのが、この問題にアプローチする「リバーシブルサイドブラシ」である。
通常走行時には髪の毛の絡まりを抑え、部屋の隅を検知すると自動的にサイドブラシの回転方向を反転させ、ブラシの届く範囲を広げることで、従来のサイドブラシと比較して四隅の清掃カバー率を最大30%拡大した。空間を認識したうえで機構の動作を変えているのだ。
ロボット掃除機の進化が「より強く吸う」段階から、「住宅の形状に合わせて自ら振る舞いを変える」段階へ移りつつあることを象徴している。
「走破性」の次は「仕上がり」。モップが壁際から1.85mmまで迫る
これまでLWL onlineでは、「住宅に入った最初のロボット」として、ロボット掃除機の進化を継続的に追ってきた。
段差や敷居を越える走破性能、障害物回避、AIによる空間認識など、これまでのロボット掃除機の大きなテーマが「住宅内をどこまで走破できるか」だったとすれば、Qrevo 2 Proが見せるのは、その次の段階ともいえる。
到達した空間をどこまできれいに「仕上げられるか」だ。
Qrevo 2 Proは最大25,000Paの吸引力を備え、メインブラシとサイドブラシによる「デュアル毛絡み防止システム」を採用した。これは、中央で2つに分かれたゴム状のメインブラシと、アーチ型の非対称スパイラル形状を採用したサイドブラシを組み合わせ、長い髪の毛やペットの毛が絡まりにくい構造である。

さらに、毎分最大200回転する2基の回転モップによって水拭きを行う。
本体が壁を検知するとモップを外側へ伸ばし、壁際から1.85mmの位置まで清掃。カーペットを検知した場合はモップを12mm持ち上げるほか、ドック内でモップそのものを取り外し、吸引清掃だけを行う「モップ自動着脱機能」も搭載する。


ロボット掃除機が進化するにつれて、今後は「仕上がりの質」が新たな競争軸のひとつになりつつある。
最大75℃でモップ洗浄。ロボット自身のメンテナンスまで自動化
もうひとつ注目したいのが清掃後のメンテナンスだ。
Qrevo 2 Proの多機能充電ドックでは、モップ洗浄から乾燥、ゴミ収集までを自動化する。
新型洗浄トレーによってモップとの接触面積を広げ、モップの洗い残しを抑えるほか、「モップつけ置き機能」によって乾いた泥などのこびりついた汚れを浮かせ、落としやすくする。
最大75℃の高温洗浄に加え、最大45℃の温風による乾燥にも対応。乾燥時の運転音は最小45dB。さらに自動ゴミ収集によって、最長65日間ゴミ捨てが不要となる。

ロボット掃除機が毎日働くようになれば、人間が毎回そのロボットを清掃していては「自動化」のメリットは薄れる。吸引、水拭き、モップ洗浄、乾燥、ゴミ収集という一連のプロセスを自動化することで、ロボット掃除機は徐々に、住宅の状態を継続的に維持する設備に近づいている。
「SmartPlan 3.0」が清掃方法を自動調整。Matterにも対応
ソフトウェア側では「SmartPlan 3.0」を搭載。ユーザーの清掃習慣を学習し、部屋ごとの清掃プランを自動生成し、必要に応じて吸引力を高めたり、モップを再洗浄したり、おやすみモード中には運転音を抑えるなど、状況に応じて清掃方法を自動調整する。
Roborockアプリからは吸引力や水量、進入禁止エリアなどを設定でき、さらにMatterにも対応し、Alexa、Siri、Google Homeなどとの連携によって、複数のデバイスの一元管理にも対応する。

もちろん、Matter対応のロボット掃除機が、そのまま「建築統合型スマートホーム」になるわけではない。
しかし、住宅内を自律移動し、空間を認識し、生活パターンを学びながら日常的なタスクを実行するロボットが、ホームネットワークの一員になっていく意味は小さくない。
「Robot-ready Home」へ。ロボットに合わせて住宅も変わる
LWL onlineでは、家庭用ロボットが普及する未来を見据え、住宅側もロボットを受け入れる設計へ変わっていく「Robot-ready Home」という考え方を取り上げてきた。
段差を減らしたり、家具下のクリアランスを確保して、ロボットの移動動線を確保するなど、今後のロボット共生住宅の在り方は考えておくべきである。充電や収納スペースをあらかじめ検討しておくとともに、将来的には、食洗機が設備化されてきた流れなども参照しつつ、給排水などを含めてロボットの存在を住宅計画のなかに予め組み込んでおくケースも考えておきたい。
ロボットの性能が上がるほど、逆説的に「住宅側をどう設計するか」という問題も大きくなる。
Qrevo 2 Proは、そうした未来の住宅設備そのものではないが、「部屋を認識して走る」だけだったロボット掃除機が、四隅や壁際という建築形状に応じて動作を変え、自らメンテナンスし、AIによって生活習慣まで学習する段階へと進化している。
これまではロボットが住宅に合わせてきたが、次は住宅がロボットに備える段階である。
部屋の隅を掃除する小さなサイドブラシの進化からも、ロボットと住まいの関係が少しずつ変わり始めていることが見えてくる。
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LWL online 編集部