英国高級マットレス「VISPRING(バイスプリング)」が日本本格展開。新横浜で体験した125年の手仕事

 

1901年にロンドンで創業し、英国プリマスの自社工場で伝統的な製法を守り続ける高級ベッド・マットレスブランド「VISPRING(バイスプリング)」。2026年8月、日本ベッドが国内での独占販売を開始し、新横浜ショールームで展示が始まった。創業125周年を機に来日したInternational Sales Directorのシモーネ・ロッシ氏に、そのものづくりの哲学と日本市場への展望を聞いた。天然素材と職人の手仕事が生み出す寝心地を、実際の体験とともに紹介する。

ポケットスプリング発祥の名門VISPRING、125年の歴史と職人技

バイスプリングは、今日「ポケットスプリング」として知られるマーシャル・コイルの発明を礎に誕生した、125年の歴史を誇る英国の名門ブランド。かつてはタイタニック号の豪華客室や、ロンドンのドーチェスターのスイートルームをはじめとする一流ホテルのスイートに採用。現在も英国王室をはじめ、歴史と品格、そして上質を求める上流層の人々に愛され続けている。

起源は1899年のカナダに遡る。英国人技師ジェームズ・マーシャルが、病に伏す妻に楽な姿勢とやすらぎを届けようとモスリン布で包んだコイルスプリングを手作りで敷き詰めたマットレスを開発。その発明が海を渡り、1901年にジョン・ノーランとフレデリック・ジェームズがロンドンで創業、1911年に誕生したのが「Vi-Spring」である。「VI」はローマ数字の6を表し、コイルの巻き数を示す。

天然素材とバナジウム鋼のスプリングが生む寝心地

すべてのマットレスは、英国プリマスの自社工場で、1901年から受け継がれた手順に基づき熟練の職人が縫い・詰め・仕上げまで一つひとつ手作業で製造。スプリングも英国プリマスの自社工場で製造する。バナジウム鋼を用い、9種類の線径と74種類のスプリングを使い分ける。スプリングは天然コットンのキャリコ生地で包み、ハニカム状に配置。モデルに応じて1層から3層までの構造を採用している。

スプリングの上に馬毛、メリノウール、コットンという構造

ウール、シルク、馬毛、アルパカ、竹など、世界各地から厳選した天然素材で構成され、製造工程でプラスチック、ポリエステル、発泡素材などの人工素材や化学物質は一切使われていない。タフティングも手で収め、サイドステッチも天然の撚り糸を使った手縫いだ。

馬毛は細長い繊維質で非常に弾力性があるためマットレスの素材に好適だと説明
マットレスがあたかも呼吸するように、ウールや馬毛などの天然繊維が湿気を吸放出し、マットレス側面の通気孔が内部の空気の循環を促す。通気性を確保することで、湿気がこもりにくい構造としている

また、すべて受注生産で/サイズや仕様のカスタマイズにも対応し、サイズや形状はもちろん、ヘッドボードや脚部の素材・仕上げまで好みに合わせて仕立てることが可能。マットレストッパーや枕など、豊富なアクセサリーも取り揃えている。保証期間は30年というところに自信を感じさせる。

VISPRINGが日本市場へ本格進出。シモーネ・ロッシ氏が語る展望

ロッシ氏は日本ベッドを代理店とした動機について、次のように語った。

「クオリティ至上主義であること、長い歴史があること、ロイヤルファミリーと縁があることから、互いにシナジーがあると考えました。また、日本ベッドさんが、単にブランドの名を借りるのではなく、弊社がイギリスの自社工場で生産したものを輸入・販売していただけることもポイントになりました。日本ベッドさんの技術力ならば、大規模でない修繕ならば委託できると判断しています」

日本の印象や今後の展開については次のようにコメントした。

「個人的にも日本が好きでプライベートでも15回ぐらいは来ており、日本人の方々の人間性やマーケットについてもある程度理解しているつもりです。2028年開業予定の超高層ビルを核とした複合施設『TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)』に、ウルトララグジュアリーホテルDorchester Collection(ドーチェスター・コレクション)がアジアで初進出することとなっており、その全室に導入が決定していますが、ホテルだけでなく、個人のお宅でもどんどん使っていただきたいと願っています」

「雲の上」の寝心地を新横浜ショールームで体験

マットレスは「ソフト」「ミディアム」「ファーム」「エクストラファーム」があり、値段は同じ。一つのマットレスをふたりで使う場合、半分をミディアム、半分をファームにするようなオーダーも可能。ロッシ氏に促されほとんどのマットレスを体験した。

いずれも「雲に乗るような」寝心地で、硬めとされる「ファーム」でも石のような硬さはなく内部がみっちり詰まった自然な寝心地で、公園の芝生の上に寝転がるような極上の感覚だ。タフティングではなく、スプリングで硬さを調整しているからだと合点がいった

創業100周年の日本ベッドが、英国VISPRINGのパートナーとなった理由

輸入総代理店は、皇室御用達で知られる日本ベッド製造株式会社。帝国ホテルに勤めたのち商社マンとして渡英した宇佐見竹治が現地で目の当たりにした西洋のライフスタイルの衝撃を受け、1926年(大正15年)日本初のベッド製造会社「日本羽根工業社」として創業した。当初は洋式寝具のほか、馬具や登山用寝具を販売。やがて連結式スプリングマットレスの国産化に日本で最初に成功し、1940年頃には本格生産を開始する。

当時は一枚いちまい手作業で仕上げていた。当時の手法を絶やさぬよう社内技術として継承してきた手仕上げの手法は、日本の風土に合った国産シルクやウールを駆使した最高級品「シルキークチュール」に活かされ、現在も販売されている。

こうした経緯を踏まえると、鳥の羽根や羊毛のように大量に収穫できない馬毛を使った貴族の寝具として125年の歴史を紡いできたバイスプリングの日本代理店を、創業100年の日本ベッドが務めることとなったのは、まさに必然と言えるだろう。

これまでもベッドフレームなど家具の部分には、川上元美、小林幹也といったデザイナーを起用し、ことし100周年では隈研吾を起用
日本ベッドのシルキーポケットは、シングルサイズで1200個のポケットコイルを高密度に配置。コイルの支持力と詰め物の組み合わせによって、きめ細かな寝心地を追求している

日本ベッド 新横浜ショールーム 施設概要

  • 神奈川県横浜市港北区新横浜1-12-6
  • カリモク家具 新横浜ショールーム4階
  • 営業時間:10:00-18:00
  • 定休日:火・水曜日、夏季、年末年始

日本ベッド 新横浜ショールーム

VISPRING公式サイト

日本ベッド公式サイト

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