ロボット床下収納「ENNOSHITA 350」発表へ。床下のデッドスペースを自動収納に

 取材/LWL online編集部

株式会社ゼロキョリは、住宅の床下空間をロボットによる自動収納スペースとして活用する新型住宅デバイス「ENNOSHITA 350」を、2026年11月のジャパンホームショーで発表すると明らかにした。一般的な基礎高350mmの住宅に対応し、搬送ロボットとエレベータの連携によって荷物の収納・取り出しを自動化する。従来はデッドスペースとなりがちだった床下を収納空間として活用することで、収納量を確保しながら居住空間を広く使う、新たな住宅設計の可能性を提案する。

ロボットとエレベータが連携。床下を自動収納スペースに

住宅における収納計画は、限られた床面積をいかに有効に活用するかという課題と常に隣り合わせにある。収納量を増やせば居住空間が圧迫され、逆に空間の広がりを優先すれば、収納容量が不足することも少なくない。

こうした課題に対して、住宅の床下空間を活用するという新たなアプローチを提案するのが、株式会社ゼロキョリが開発するロボット床下収納「ENNOSHITA 350」だ。

人が容易にアクセスできない床下空間がロボットによる自動収納システムとして利用される。システムは、床下を移動する搬送ロボット、荷物を上下に移動させるエレベータ、収納ボックスとなる「パケット」などから構成される。収納時にはロボットがパケットを床下の所定の位置まで搬送。取り出す際には、エレベータを通じて居住空間まで運ぶ仕組みとなっている。

居住者が床下に潜り込んだり、床の収納扉を開けて荷物を持ち上げたりする必要はない。床下という見えない場所に、日常生活からアクセスできる収納機能を組み込むことができる。

ロボット床下収納ENNOSHITAの室内取り出し機構。カップボードに組み込まれたエレベータと床下の収納パケット
カップボードに組み込まれたエレベータが、床下の収納パケットを居住空間へと運ぶ。床下に降りることなく荷物を取り出せる仕組みだ

4人家族のモデルケースで64個を収納。キッチンや居住空間を広く

ENNOSHITA 350の収納ボックス「パケット」は、2Lのペットボトル6本が入る宅配便80サイズを想定した。床下収納スペースを6.75坪とする4人家族のモデルケースでは、64個のパケットを収納できるという。

収納したパケットは、キッチンのカップボードなどに設けた取り出し口から呼び出すことが可能であり、食器類や飲料、パスタ鍋などの調理器具をはじめ、日常的には使用頻度の低い生活用品の収納にも適している。

ロボット床下収納ENNOSHITAの収納パケット取り出し口。壁面に組み込まれたエレベータと利用者のイメージ
床下に格納された収納パケットを、壁面に設けた取り出し口まで搬送するイメージ。収納家具を増やさずに、日常生活の中で収納物にアクセスできる

住宅の間取りそのものに新しい選択肢を生み出す試みと言っていいだろう。

例えば、従来はキッチンに隣接して設けていたパントリーの一部を床下収納へ移せば、その分だけキッチンやダイニングを広く設計できる。大型の収納家具を減らすことで、室内の視覚的なノイズを抑え、空間の一体感を高めることにもつながる。

ゼロキョリが掲げるのは、収納量を確保しながら住宅自体をコンパクトにするという発想だ。

新築・既存住宅への導入を想定。建築と一体化する収納システム

ENNOSHITA 350は、新築住宅だけでなく、既存の建物への導入も想定している。

ENNOSHITA 350の床下収納構造。基礎高350mmの空間に配置された収納パケットと搬送ロボット
一般的な基礎高350mmの住宅に対応する「ENNOSHITA 350」。高さが限られる床下空間に収納パケットと搬送機構を組み込むことで、デッドスペースを収納として活用する

もっとも、建築計画の初期段階からシステムの導入を見据えておくことで、より効率的な設計が可能になる。

例えば、エレベータの設置スペースや電源、床下への点検口などを新築時から確保しておけば、将来システムを追加する際の工事負担やコストを抑えられる。

ゼロキョリでは、こうした住宅デバイスの導入を前提とした「住宅デバイス対応住宅」の普及も推進している。

住宅の裏側に収納や搬送の仕組みを組み込み、生活者が機械の存在を意識することなく、その恩恵を享受する。

こうしたアプローチは、住宅設備を建築に統合し、テクノロジーを空間の表面に露出させない「Invisible Technology」の考え方とも親和性が高い。

置き配から在庫管理まで。「フィジカルスマートホーム」への展望

ENNOSHITA 350は、床下収納という機能にとどまることなく、将来的には住宅と物流をつなぐ新たなインフラへの発展も構想されている。ゼロキョリが提唱するのが「フィジカルスマートホーム」という考え方である。

住宅設備とロボット、物流サービスを連携させ、住宅そのものが荷物の受け取りや搬送、収納を担うというものである。

例えば、屋外の置き配用受け取り口と床下収納を接続すれば、届けられた荷物を人の手を介さず住宅内に取り込み、床下へ搬送する仕組みが考えられる。さらに将来的には、食品や飲料などの在庫管理と連携し、必要な商品を自動で補充する住宅への発展も目指しているという。

フィジカルスマートホームの将来構想。配送車両と住宅内の床下収納や小屋裏収納をロボットによる搬送で結ぶイメージ図
ゼロキョリが構想する「フィジカルスマートホーム」のイメージ。屋外からの荷物の受け取り、住宅内の搬送・収納をロボットによって連携させ、将来的には物流と住宅が一体化する仕組みを目指す

あくまでも今後の開発構想となり、ENNOSHITA 350の現時点での実装機能とは区別して捉える必要はあるが、従来のスマートホームが、照明や空調、音響、セキュリティなどをデジタル技術によって制御してきたのに対し、フィジカルスマートホームは、ロボティクスによって住宅の物理的な機能そのものを拡張しようとする。

AIやロボットが住宅インフラに組み込まれる未来を考えるうえで、注目すべきアプローチといえるだろう。

CEATEC 2026で実物大デモ、11月のジャパンホームショーで新型発表へ

ゼロキョリは、10月13日から16日まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」に出展し、ロボット床下収納の実物大デモを披露する予定だ。

会場では、住宅空間をロボットやAIによって活用する「フィジカルスマートホーム」の構想を紹介する。

続く11月18日から20日まで東京ビッグサイトで開催される「第48回ジャパンホームショー」では、新型のENNOSHITA 350を発表。ロボット床下収納「ENNOSHITA」シリーズに加え、小屋裏空間を活用するロボット収納「AOTENJO」なども紹介する。

今後の実用化に向けては、導入費用や住宅ごとの施工条件、床下環境への対応、メンテナンス性なども重要な検討要素となる。

住宅そのものにロボットの働く場所と機能を組み込む。ENNOSHITA 350は建築とロボティクスの新たなる関係を提示している。

関連情報

  • CEATEC 2026:2026年10月13日~16日/幕張メッセ/展示ホール4・ブース4H322
  • 第48回ジャパンホームショー:2026年11月18日~20日/東京ビッグサイト西展示棟/ブースW1-J35
  • 株式会社ゼロキョリ 公式サイト

関連記事
ゼロキョリが「フィジカルスマートホーム」構想を発表。床下ロボット「ENNOSHITA」をCEATEC 2026で初展示

  • 取材

    LWL online 編集部

Related articles 関連する記事

  1. home Home
  2. INFO
  3. ロボット床下収納「ENNOSHITA 350」発表へ。床下のデッドスペースを自動収納に