住友林業「PRIME SLEEP」開始。木・光・音から睡眠環境を整える寝室設計
取材/LWL online編集部
住友林業は、睡眠環境を整える寝室空間の設計提案「PRIME SLEEP(プライムスリープ)」を開始した。木、光、音、空気、インテリアを組み合わせ、「入眠」「睡眠」「目覚め」の3つのシーンを設計する。寝具だけではなく、「寝室という空間」から快適な眠りを考える新たなウェルネス住宅の提案だ。
寝具ではなく「寝室」から睡眠環境を整える
睡眠の質を高めるための商品は、これまで数多く登場してきた。たとえば、高機能なマットレスや枕はもちろんのこと、睡眠を計測するウェアラブルデバイス、サーカディアンライティングに関連した照明器具など、その選択肢は年々広がっている。
一方で、実際に人が眠るのは「寝具の上」であると同時に、「寝室という空間の中」でもある。
住友林業の「PRIME SLEEP」が着目するのは、まさにこの「寝室という空間」そのものだ。
同社が住宅設計やインテリアで培ってきたノウハウに、オリジナル木質内装部材「PRIME WOOD」と、同社の筑波研究所による木の研究知見を組み合わせることによって、睡眠を支える寝室空間をトータルに設計する。
「入眠」「睡眠」「目覚め」を5つの設計要素で支える
PRIME SLEEPでは、睡眠を「眠りにつくとき」「眠っているとき」「目覚めのとき」という3つのシーンに分けて考える。
そのうえで寝室を構成する要素を、「木の効用」「光の設計」「音の設計」「空気の環境」「空間の調和」という5つの要素に整理。それぞれを組み合わせながら、住む人のライフスタイルや睡眠に対するニーズに応じて、間取り、内装、設備などを提案する。
たとえば光については、入眠時と起床時で照明の色や配置を切り替えられる設計により、一日の自然光の変化を室内で再現する。入眠時には落ち着いた光環境を、起床時には活動を促す光環境を整え、快適な入眠・起床をサポートする。
音については、寝室の音環境は40デシベル以下が望ましいとされていることから、厚手のカーテンやラグなど吸音性のある素材の活用や、隣室間に収納を配置するなど間取りの工夫により、睡眠に適した静かな音環境を整える。
温熱環境では、住友林業の住宅で標準採用する断熱仕様「360°TRIPLE断熱」や木の吸放湿性を活用し、冷暖房効率を高めながら睡眠に適した温熱環境を保つ。
さらに空間の調和として、木やファブリック、グリーンなどを組み合わせ、視覚的にも落ち着ける空間をつくるという。

住友林業が研究する「木」と睡眠の関係
なかでも住友林業ならではなのが、「木」を睡眠環境の一部として捉えている点だ。
住友林業は2015年から、木や木質空間が睡眠の質に与える影響について研究を続けている。筑波研究所の研究から木質内装を施した部屋は白色クロスの部屋と比較して熟眠感が高いことが明らかになっている。そこで、睡眠に悪影響を及ぼす青色波長を吸収する「木」の特性と同社の強みである「PRIME WOOD」による木質内装を活かし、快適な睡眠環境を整えるという。

PRIME SLEEPでは、こうした研究知見と木質内装を組み合わせながら、休息のための環境として設計していく。
睡眠環境は住宅の「見えない性能」へ
PRIME SLEEPでは、特定のデバイスや機能を前面に押し出してはいない。
光、音、温度、湿度、素材、間取り。どれも住宅を構成する基本的な要素だが、そうした要素を睡眠という視点から再編集することで、住空間そのものが人のコンディションを支えるようにする。
ウェルネス住宅を考えるうえでも重要なポイントになる。
住宅における快適性は、広さやデザイン、設備の豪華さだけでは決まらない。照明が自然に変化すること、外部や隣室の音が気にならないこと、温熱環境が安定していること、素材に触れたときに心地よさを感じること。そうした普段は意識されにくい環境の積み重ねが、暮らしの質を左右することに、改めて気づかされる。
また、このPRIME SLEEPは、LWLが近年注目する「Invisible Wellness」の考え方とも重なる。
設備やテクノロジーを建築やインテリアの中へ溶け込ませながら、人が意識することなく快適さや回復を得られる環境をつくる。
睡眠を「寝具選び」から「寝室設計」へと広げたPRIME SLEEPは、住宅におけるウェルネスが次の段階へ向かいつつあることを示す、好例といえそうだ。
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LWL online 編集部