JBL創立80年の頂へ。「Summit K2」が示すラグジュアリーリスニング

 取材/LWL online編集部

JBLの新世代リファレンススピーカー「Summit K2」が、2026年秋より発売される。Project K2の系譜を継ぐ本機は、380mm径ウーファー、3基のD2コンプレッションドライバー、HDIホーンを搭載。JBL創立80年の音響技術を結集し、住空間における音楽体験を新たな次元へ導くフロアスタンディング型スピーカーである。

JBL「Summit K2」発売。Project K2の系譜を継ぐ新世代リファレンス

ハーマンインターナショナルは、JBLのハイエンドスピーカー「Summit K2(サミット ケー2)」を2026年秋より発売する。標準価格は税込6,600,000円/本。

本機は、JBLブランド創立80年の音響技術と設計思想を結集した、380mm径3ウェイ・フロアスタンディング型スピーカー。JBLのフラグシップラインとして知られるProject K2の系譜を継承しながら、新開発ユニット、独自のホーン設計、最新の低歪ドライブ技術を投入した、次世代のリファレンスモデルとして位置づけられている。

先にオーストリア・ウィーンで開催された「HIGH END Vienna 2026」では、JBL創立80周年を記念する新世代フラグシップとして「Summit Everest」とともにグローバル発表されていた。今回、日本国内でも正式に発売がアナウンスされたかたちだ。

JBL Summit K2 エボニーグロスの外観
エボニーグロス仕上げのSummit K2。ホーン、大口径ユニット、艶やかな木目が、空間に強い存在感をもたらす

JBLの80年。プロサウンドと家庭用スピーカーを結んできたブランド

JBLの歴史は、1946年、エンジニアであるJames B. Lansingによって創設されたことに始まる。美しい外観とプロフェッショナルサウンドを両立する家庭用スピーカーの開発を目指し、同社は早くから高能率ドライバー、ホーン技術、大口径ウーファーの可能性を追求してきた。

その歩みは家庭用スピーカーにとどまらない。JBLの音は、レコーディングスタジオ、映画館、コンサートホール、スタジアム、放送局、車載オーディオ、そしてホームシアターまで、音楽と映像が関わる多様なシーンに広がってきた。家庭用の超高級スピーカーから、イヤホン、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、プロフェッショナル機器までを展開する、世界最大級のオーディオブランドである。

JBLは、長い間、プロフェッショナルの現場で求められるダイナミクス、信頼性、明瞭度を、家庭のリスニング空間へと持ち込んできた。その象徴が、Hartsfield、Paragon、EVEREST、そしてK2といった「Project」の名を冠するスピーカーの名作群である。

関連リンク
世界のオーディオブランドを知る(1)圧倒的な認知と名声「JBL」の歴史を紐解く
JBL HISTORY

Summit Seriesとは何か。JBLが示す新しい「頂」

今回発表されたSummit K2は、JBLの新たなハイエンドスピーカーのラインアップ「Summit Series」に連なるモデルである。

Summit Seriesは、JBLが80年の歴史のなかで培ってきた音響技術を、現代の住宅用ハイエンドスピーカーとして再構成するシリーズである。グローバルでは、Summit Makalu、Summit Pumori、Summit Amaに加え、HIGH END Vienna 2026で発表されたSummit EverestとSummit K2によって、5モデル構成のシリーズとして展開される。

その名称が示すように、Summitは「頂」を意味する。JBLにとっての頂とは、スペック上の最高性能ではなく、ドライバー、ホーン、ネットワーク、エンクロージャー、設置性、仕上げまでを一体で設計し、家庭のリスニング空間において音楽のスケールと精緻さを両立することにある。

Summit K2は、そのなかでもProject K2の流れを継ぐモデルとして位置づけられる。EVERESTがJBLの理想を最大スケールで具現化する存在だとすれば、K2はJBLのホーン技術と15インチ級ウーファーの思想を、より凝縮されたリファレンスモデルとして結実させてきた系譜といえる。

Project K2の来歴。Hartsfield、Paragon、EVERESTから続く思想

JBLの「Project」スピーカーの系譜をたどると、そこには一貫した思想がある。音響再生の次元を、その時代に可能な素材と技術の限界まで高めるという哲学である。

その起点のひとつが1950年代に登場したHartsfieldだ。コンプレッションドライバーを核とした高出力コンポーネント、低歪、優れたステレオイメージ、そして家庭で楽しめるリスニングシステムとしての完成度を追求したこのモデルは、後のJBLプロジェクトスピーカーの原型となった。

続くParagonは、スピーカーシステムそのものを音響構造として捉えた革新的なモデルだった。独立したスピーカーシステムを、美しい曲面を持つ大型キャビネットに収め、ステレオイメージと家具的存在感を両立させたParagonは、現在の視点で見ても、音響とインテリアを結びつける象徴的な存在である。当時から今に至るまで、Paragonを置くための住空間をつくるケースが続出している。

1980年代にはProject EVEREST DD55000が登場し、JBLはフラグシップスピーカーの新しい領域へと踏み出す。そしてその後、K2 S9500、K2 S5500、K2 S9800、K2 S9900へと、Project K2の系譜が受け継がれていく。

K2シリーズが追求してきたのは、JBLらしい大口径ウーファーとホーン技術を核に、圧倒的なダイナミックレンジ、瞬発力、明瞭度、そして音楽のエネルギーを失わない再生能力を実現することだった。微小音量でも情報量を保ち、大音量でも歪まず、音楽の持つスケールを家庭空間の中に立ち上げる。その思想が、今回のSummit K2にも受け継がれている。

新開発ユニットを搭載した、380mm径3ウェイ構成

Summit K2は、380mm径ウーファー、250mm径ミッドバス、そして3基のD2コンプレッションドライバーを組み合わせた3ウェイ構成を採用する。

高音域には、特許取得済みの38mm径D2コンプレッションドライバー「D2815」を3基搭載。これを独自の3-into-1マニフォールドを通じて、Sonoglass製のHDIホーンと結合する。これにより、クロスオーバー帯域から可聴帯域全域にわたり、優れた解像度と高い指向制御性能を実現した。

JBL Summit K2に搭載されるD2815コンプレッションドライバー
高音域には、38mm径D2コンプレッションドライバー「D2815」を3基搭載。独自の3-into-1マニフォールドを通じてHDIホーンと結合する

中音域には、250mm径ミッドバスユニット「JMW250SC」を搭載する。HC4サンドイッチコーンに加え、デュアル・ネオジム磁気回路を備えたディファレンシャルドライブ構造、さらにデュアル・インバーテッドダンパーを採用。高い応答性と低歪化を図っている。

JBL Summit K2の250mm径ミッドバスユニットJMW250SC
中音域を担う250mm径ミッドバスユニット「JMW250SC」。HC4サンドイッチコーンやディファレンシャルドライブ構造により、高応答と低歪化を図る

低音域を担うのは、380mm径ウーファー「JW380SC」だ。こちらもHC4サンドイッチコーンを採用し、マルチ・ネオジム磁気回路による新型ディファレンシャルドライブ構造、及びデュアル・インバーテッドダンパーを備える。さらに、コンシューマモデルとして初となる4インチ径デュアルボイスコイルを搭載。大振幅時にも優れたリニアリティと超低歪を確保し、スケール感豊かな低域再生を目指している。

JBL Summit K2の380mm径ウーファーJW380SC
低音域を担う380mm径ウーファー「JW380SC」。4インチ径デュアルボイスコイルを搭載し、スケール感豊かな低域再生を目指す

この構成は、JBLが長年得意としてきた大口径ウーファーとホーンの組み合わせを、現代の解析技術と素材技術によって再構築したものといえる。

ホーン、ネットワーク、エンクロージャーまで一体で設計

Summit K2では、ユニットだけでなく、クロスオーバーネットワーク、エンクロージャー、設置機構にも重点が置かれている。

クロスオーバーには、信号伝送効率を高めるMulti Cap™ クロスオーバーネットワークを採用。トライワイヤリング/トライアンプに対応するロジウムメッキバインディングポストペアを備えたターミナルカップも装備。

エンクロージャーは、高剛性と制振性を両立した構造により、不要振動を抑制。さらに、JBL/IsoAcoustics製のカスタム・アコースティックアイソレーション・フィートを採用し、設置面からの不要な振動の影響を低減した。

大型スピーカーでは、ユニット性能だけでなく、筐体の剛性、振動制御、床との関係が音質に大きく影響する。Summit K2がIsoAcousticsとのアイソレーション機構を採用していることは、現代のラグジュアリー邸宅における設置環境を意識したポイントでもある。

エボニーグロスとブラックグロス。空間に置かれるフラグシップ

外観仕上げはエボニーグロスとブラックグロスの2種類が用意される。外形寸法は幅635mm、高さ1,280mm、奥行459mm。本体質量は108kg。単なるオーディオ機器というより、空間に強い存在感を放つ「音のファニチャー」と呼ぶべきスケールである。

近年のラグジュアリー邸宅では、オーディオ機器を隠すだけではなく、家具やアートと同じように、空間を構成する要素として選ぶ傾向も強まっている。とりわけJBLのハイエンドスピーカーは、ホーンの造形、大口径ユニットの存在感、艶やかな仕上げが一体となり、リビング、ラウンジ、ライブラリー、ホームシアター、別荘のメインルームなどで、空間の核となる力を持つ。

Summit K2もまた、そうした文脈で捉えるべき製品だ。音楽をBGMとして流すための装置ではなく、音楽と向き合うための場所をつくるスピーカー。あるいは、住空間の中に「リスニングの頂」を設けるための存在であるといえるだろう。

JBL Summit K2 ブラックグロスの外観
ブラックグロス仕上げのSummit K2。ラグジュアリーなリビングやホームシアターにも調和する、精悍な佇まいを備える

音は住まいの体験価値を変える

高級住宅において、素材、照明、家具、アート、空調、香りは丁寧に設計される。一方で、音はしばしば最後に検討される要素になっている。だが実際には、住まいの印象を決定づける大きな要素のひとつが音である。

朝、静かに音楽を流す時間もあれば、夜、照明を落としてレコードやストリーミングに向き合う時間もある。来客を迎えるラウンジで、空間全体を包むように鳴る音、あるいは別荘で自然の気配とともに聴く音楽。そうした時間の質、体験価値は、スピーカーの性能だけでなく、空間との関係によって大きく変わる。

JBLのProject K2が長年追求してきたのは、録音に込められたスケール、瞬発力、密度、空気感を、家庭の空間でどこまで自然に解放できるかという挑戦だった。

Summit K2はその思想を現代に受け継ぐモデルである。JBL創立80年の節目に登場したこのスピーカーは、単なる新製品ではなく、プロサウンドとラグジュアリーリスニングをつないできたJBLの歴史を、いまの住空間に再び問いかける存在といえるだろう。

製品概要

  • 製品名:Summit K2(サミット ケー2)
  • タイプ:380mm径3ウェイ・フロアスタンディング型スピーカー
  • 構成:38mm径D2コンプレッションドライバー「D2815」×3+Sonoglass製HDIホーン、250mm径ミッドバス「JMW250SC」、380mm径ウーファー「JW380SC」
  • インピーダンス:4Ω
  • 感度:92dB(2.83V/1m)
  • 周波数特性:24.6Hz〜23.5kHz(-6dB)
  • クロスオーバー周波数:270Hz/1,080Hz
  • 外形寸法:W635×H1,280×D459mm
  • 本体質量:108kg
  • 仕上げ:エボニーグロス、ブラックグロス
  • 標準価格:税込6,600,000円/本
  • 発売時期:2026年秋

ハーマンインターナショナル株式会社

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