iRobot、2台連携の「Roomba Duo」をIFA 2026で公開。“完全自律型の家”への第一歩
オーディオ&サブカルライター/杉浦みな子
ドイツ・ベルリンで開催された世界最大級の家電見本市「IFA 2026」にて、世界のロボット掃除機市場を切り拓いてきたアイロボット(iRobot)が、新たなコンセプトモデル「Roomba® Duo(ルンバ デュオ)」を発表した。
2台のロボットで清掃場所を分担する新しいアプローチ
照明や空調をはじめ、家の中のあらゆる機器がネットワークでつながり自動化される「スマートハウス」。その真価は、住人が何もしなくても住環境が快適に保たれる「完全自律型の家」へと進化していくことにある。今回アイロボットがIFAで発表した「Roomba Duo」は、まさにそんな次世代スマートハウスの実現に向かう象徴的な第一歩と言えるモデルだ。
「Roomba Duo」は、パワフルな床洗浄を担う「メインロボット」と、家具の下や狭いスペースまで入り込む超薄型の「コンパニオンロボット」で構成される。2台のロボットがそれぞれの役割を担いながら連携し、家全体を効率的に清掃する設計が特徴だ。
メインロボットは、一般的なロボット掃除機よりも多くの機能を搭載した円筒形のボディを採用し、掃除機がけと床拭きを担う。そして、普段はメインロボット内に収納されているコンパニオンロボットが、清掃時にはダイニングチェアの間や低いベッド、ソファ、テレビ台の下など、メインロボットでは到達できない場所に入り込んで清掃する。
メインロボットの上部には機械式アームを搭載し、アームの先端を水平に保ちながらコンパニオンロボットを持ち上げ、メインロボットでは入り込めない場所まで運んでいく。目的の場所に到着すると、コンパニオンロボットを床面に降ろして清掃を開始する設計だ。この2台は「Roomba Home」アプリ上の共通のホームマップを使って接続され、AIを活用して清掃エリアをリアルタイムに分担するようになっている。
なお、この「Roomba Duo」はコンセプトモデルで販売の予定はないというが、今後のアイロボットが手がけるロボット掃除機の方向性を占う重要な存在であることは間違いないだろう。
掃除機がけから頑固な汚れの床拭きまで対応
「Roomba Duo」は清掃性能においても、吸引による掃除機がけはもちろんのこと、床に付着した頑固な汚れやこびりつきに対応する本格的な床拭き機能も備える。日常のホコリ取りから水拭き掃除まで、これ1つのシステムでハイレベルに完結させることを狙った設計だ。
メインロボットの内部には、乾いたゴミを吸引するための高性能モーターに加え、床を水拭きするための機構と大容量バッテリーを搭載。床拭きには直径60mmのローラーモップ「PowerSpin™ Max Roller Mop」を採用し、46N(約4.7kg)の荷重を床面にかけながらローラーを回転させて床の汚れを落としていく。
さらに、内部のヒーターでスチームを発生させ、汚れが付着している場所に吹き付けることができる仕組みで、スチームによって乾いて固まった汚れを柔軟化させ、セルフクリーニング機能を備えたローラーモップが汚れやベタつきを洗い流す。
なお、メインロボットに収納されるコンパニオンロボットには、2026年に発売した「Roomba® Plus 575 Combo ロボット」(日本国内ではオンライン専用モデルとして販売中)を採用。高さ8.4cm、幅29.8cmの薄型&小型ボディにより、ダイニングチェアの間を通り抜けるほか、低いベッドやローソファ、テレビ台などの下にも入り込むことができるコンパクトモデルだ。
さらに「Roomba Duo」は、室内の家具や障害物を賢く認識する高度なセンサー技術を搭載。メインロボットとコンパニオンロボットの両方に、アイロボット独自の「ClearView™ Pro」デュアルラインLiDARと「PrecisionVision™ AI」が搭載されており、室内にあるさまざまな物体を認識し、回避しながら家全体をより包括的に清掃できるようになっている。
また、使用後のモップ洗浄や回収したゴミの自動収集する機能も搭載。2台が共通で使用する「AutoWash™」ドックには清水タンクと汚水タンクを搭載しており、モップを自動で洗浄・乾燥するほか、回収したゴミを大容量バッグに自動で排出する。
「Fully Autonomous Home(完全自律型の家)」への第一歩
アイロボット・コーポレーションのCo-CEOのハオ・リーは、今回の「Roomba Duo」公開に対し、以下のようにコメントしている。
「Roomba Duoは、私たちが家庭用ロボットのあり方をどのように再構想しているかを示す、大きな一歩です。1台のロボットですべてを担わせるのではなく、それぞれ異なる役割を持つロボットが、1つのインテリジェントなシステムとして連携する。これこそが、家庭での暮らしを本当の意味で変えていくために必要なことだと考えています。私たちは、家そのものが自律的に家事を担い、人が掃除に追われることなく暮らせる『Fully Autonomous Home(完全自律型の家)』を目指しています。Roomba Duoは、そのビジョンに向けた新たな一歩です」
そう、アイロボットがIFA 2026で提示した「Roomba Duo」は、2台連携という新たな発想で、我々の住まいを「完全自律型の家」へ導く注目のコンセプトモデルなのだ。未来の暮らしへ進んでいく新しいRoombaの提案に、今後も目が離せない。
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オーディオ&サブカルライター
杉浦みな子
1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。在学時は映画研究会で映像制作に勤しみつつ、文芸評論家・福田和也教授に師事。2010年よりAV・家電メディアの編集/記者/ライターとして13年間従事し、音楽とコンシューマーエレクトロニクス系の分野を担当。2023年独立。音楽・オーディオ・家電から、歴史・カルチャーまで幅広いテーマで執筆中。実績はこちらから→https://foriio.com/minako-sugiura