フィンランドの巨匠が描いた「四つ葉のクローバー」が蘇る。Arabiaの名作コレクション「アピラ」日本先行復刻 

オーディオ&サブカルライター/杉浦みな子 

北欧フィンランドのライフスタイルブランド「アラビア(Arabia)」より、ヴィンテージ市場で人気を誇るテーブルウェアコレクション「アピラ(Apila)」が復刻する。

ビルガー・カイピアイネンが手掛けた、詩的なグリーンワールド 

アラビアは、1873年にフィンランド・ヘルシンキ郊外のアラビア地区で創業された、北欧を代表する陶磁器・ライフスタイルブランドだ。同社で1971年に誕生し、復刻を望む声が多く寄せられてきたテーブルウェアシリーズ「Apila(アピラ)」が、2026年9月16日より日本先行で発売されることが発表された。

「アピラ」という名は、フィンランド語で「クローバー」を意味する。このコレクションを手掛けたのは、フィンランドを代表する陶芸家であり、アラビアを象徴するデザイナー、ビルガー・カイピアイネン(1915-1988)。「装飾の王」とも称された彼は、世界的ロングセラーである「パラティッシ」の生みの親としても知られる。 

カイピアイネン作品の多くは果物や花々をモチーフにした豊かな色彩が特徴だが、アピラは珍しく、グリーン一色の濃淡によって表現されている。 

器いっぱいに描かれたクローバーのグリーンのグラデーションは、まるでフィンランドの野原に身を置いているかのような詩的な印象を与え、見る者を幻想的な世界へと引き込む。さらに、描かれたデザインの中には幸運のシンボルである「四つ葉のクローバー」がさりげなく混ざっており、使うたびに心が躍るような遊び心が込められている。 

1978年にカイピアイネンが残した「私はただ、美しいものだけをつくりたいのです」という言葉の通り、「アピラ」は彼の美意識と豊かな想像力が結実した作品のひとつだ。 

「持続可能な製品開発」から生まれた名作 

さて、そんな可憐な「アピラ」の誕生の裏には、実は非常に画期的なアプローチがあった。 

「アピラ」は、フルーツや草花がモチーフのテーブルウェアコレクション「パラティッシ」の、装飾前の白い器から生まれたデザイン。当時アラビアでは、品質には問題がないものの、わずかな個体差が見られる製品(セカンドクオリティ)を活用することで、廃棄を最小限に抑える取り組みを行っていた。製品を無駄にせず資源を大切にするという、現代のサステナビリティに通じる発想から生まれたのが、この「アピラ」だった。

しかし、原料調達の事情によりオリジナル版は1971年からわずか2年後の1973年に生産終了。その後、ファンの熱烈な要望に応えて2006年に復刻されたものの、再び入手困難となり、ヴィンテージ市場で高い人気を博してきた。そして今回、オリジナルから半世紀以上の時を経て、世界に先駆けて日本で復刻されることとなったのだ。 

現代の食卓に寄り添う「新アイテム」も登場

今回の日本先行復刻では、過去のクラシックなラインナップが蘇るだけでなく、現代の多様なライフスタイルに合わせた新しいアイテムが仲間入りした。注目は以下の2点。 

・マグ 0.35L(税込 5,830円) 

・ボウル 13cm(税込 6,380円)

これらに加え、既存のプレート(16.5cm、21cm、26cm)やカップ&ソーサー、ボウル(17cm、23cm)など、朝食からディナーまで幅広く活躍するアイテムをラインナップ。2026年9月16日(水)より、全国のアラビア取扱店、イッタラショップ、および公式オンラインショップにて順次販売が開始される。 

自宅のテーブルを彩るお気に入りとしてはもちろん、大切な人へのギフトや結婚祝い、新築祝いなどにも最適なコレクションだ。幸運の四つ葉が広がる名作食器で、日々の食卓に緑豊かな美しさを取り入れてみてはいかがだろうか。 

  • オーディオ&サブカルライター

    杉浦みな子

    1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。在学時は映画研究会で映像制作に勤しみつつ、文芸評論家・福田和也教授に師事。2010年よりAV・家電メディアの編集/記者/ライターとして13年間従事し、音楽とコンシューマーエレクトロニクス系の分野を担当。2023年独立。音楽・オーディオ・家電から、歴史・カルチャーまで幅広いテーマで執筆中。実績はこちらから→https://foriio.com/minako-sugiura

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