ダイソン、ロボット掃除機「Dyson Nurovi」を発表。「Dyson Unveiled 2026」が示す次世代家電
取材/LWL online編集部
ダイソンはベルリンで「Dyson Unveiled 2026」を開催し、新型ロボット掃除機「Dyson Nurovi™」シリーズをはじめとする次世代製品を発表した。AIやビジョンシステムによって周囲を認識し、自律的に動作する「インテリジェントマシン」への進化を打ち出した。Nuroviの進化から、家電と住空間のこれからを読み解く。
「見えないものを、見る」Dyson Unveiled 2026が示した次世代家電

「Dyson Unveiled 2026」は、2026年9月3日現地時間、ベルリンのBolleで開催された。イベント体験の中心に据えられたコンセプトは、「見えないものを、見る」。
空気中に浮遊する微細な粒子、床に残るホコリや汚れ、歯と歯の間など、普段は意識しにくいものをセンサーやカメラ、光、AIによって可視化し、それに対して機械側が自律的に働きかける。今回発表された製品群には、そうした共通思想が通底している。
チーフエンジニアのジェイク・ダイソンは、AI、ビジョンシステム、機械学習を活用することで、製品を「見て、考え、対応する」存在へ進化させていると説明する。
家電は、人が細かく操作する機械から、環境を理解して自ら判断する機械へ。
その方向を象徴しているのが新しいロボット掃除機「Dyson Nurovi」である。
新型ロボット掃除機「Dyson Nurovi」、日本にR1・R2を投入
日本には、吸引掃除に特化した「Dyson R1 Nurovi™ Dry」と、吸引掃除と水拭きを組み合わせた「Dyson R2 Nurovi™ Wash+Dry」の2モデルが投入される。

両モデルとも、ゴミの量を検知するピエゾセンサーと床面検知技術によって、床の状態に応じて吸引力や掃除方法を自動調整する。ナビゲーションにはdToF LiDARを採用し、最大40mmの段差にも対応する。
大きなゴミと微細なホコリを分けて捕集する「Twin-capture」
両モデルとも、新開発の「Dyson Twin-capture™システム」を搭載する。
大きなゴミはブラシバーで取り込み、微細なホコリは高効率の吸引によって捕集する。モーターの吸引力は21,000Pa。壁際では伸縮式サイドブラシが最大27mmまで自動的に伸び、部屋の端までゴミを吸引口へ導く。
Nuroviでは、どこにゴミがあり、どのように取り込むかまでをひとつのシステムとして設計している。
R2は「三隅ルーロー水拭きウォッシュパッド」で部屋の角まで清掃
水拭き対応モデル「Dyson R2 Nurovi™ Wash+Dry」で特徴的なのが、「三隅ルーロー水拭きウォッシュパッド」である。

一般的な円形モップでは届きにくい部屋の隅に対し、3つの円弧から構成される「ルーローの三角形」を採用。滑らかな回転運動を確保しながら、三角形の頂点を壁際や角まで届かせる。
掃除終了後はドックに戻り、ウォッシュパッドを75℃の温水で自動洗浄し、45℃の温風で乾燥する。自動ゴミ収集ドックは、最大90日分のゴミを収集できる。
掃除だけでなく、その後のメンテナンスまで自動化し、人が掃除を意識する時間そのものを減らしていく発想となっている。

AIとUVで汚れを「見る」R3 Nurovi
Dyson Unveiledでは、さらに上位に位置する「R3 Nurovi Spot+Scrub™ UV」も公開された。
UVライト、AIビジョン、照射技術を組み合わせ、床にある目に見えにくい汚れまで検知。約200種類の物体や汚れを認識し、必要に応じて同じ場所を繰り返し清掃する。モーターの吸引力は30,000Pa。
「決められたルートを走るロボット」から、「床の状態を見て、掃除が必要かどうかを判断するロボット」への役割の変化が見て取れる。
なお、ダイソン公式のDyson Unveiled 2026ページでは、現時点でR3の日本発売は未定とされている。
歯ブラシから空気清浄機まで「インテリジェント化」するダイソン製品
今回発表されたのはロボット掃除機だけではなく、カメラで歯間を認識しながらブラッシングとフロス、マウスウォッシュを統合する「Dyson CameraJet™」、セルフクリーニング機構を備えた水拭きクリーナー「Dyson W1 PencilWash™」、HushJet™テクノロジーを採用した空気清浄機なども披露された。

カテゴリーは異なる。しかし、センサーで状況を把握し、必要な処理を判断し、最適な動作を機械側が自律して行う方向性は共通している。
ロボットに合わせて、住宅も変わっていく
こうしたダイソン全体の方向性を鑑みると、単体のロボット掃除機として見るだけではNuroviの特長を捉えきれないだろう。
ロボットの段差走破性能や物体認識能力が高まり、充電、ゴミ収集、洗浄、乾燥まで自動化されれば、人間が「掃除機を使う」という行為は次第に意識されなくなる。
ただし、ロボットが本来の能力を発揮するには、床の連続性、家具下のクリアランス、ドックの設置場所、電源、動線など、住宅側の設計も無関係ではない。
スマートホームの次に問われるのは、住環境を機械が自ら理解し、人が指示しなくても必要な仕事が行われる住宅なのかもしれない。
「見えないものを、見る」を掲げたDyson Unveiled 2026。その先に見えてくるのは、家電が生活の前面から姿を消しながら、裏側ではより高度に働き続ける未来だ。
それは、テクノロジーが存在感を主張するのではなく、暮らしの中へ溶け込んでいく「Invisible Technology」のひとつの姿といえるだろう。
-
-
取材
LWL online 編集部