FLEXFORM TOKYOが南青山に移転オープン。家具を「ともに生きる存在」として捉える新旗艦店

 取材/LWL online編集部

イタリアを代表するラグジュアリーファニチャーブランド「FLEXFORM(フレックスフォルム)」は、2026年7月3日(金)、東京・南青山に新たなフラッグシップストア「FLEXFORM TOKYO」を移転オープンする。

新店舗では、2026年ミラノ・デザインウィークで発表された新コンセプト「The Private Lives of Objects―ともに生きる、愛すべきものたち。」を日本で初めて展開。アントニオ・チッテリオ、柴田文江、パトリック・ノルゲ、セバスチャン・ヘルクナーらによる最新コレクションとともに、FLEXFORMが追求してきたタイムレスなエレガンス、イタリアンクラフツマンシップ、そして「心地よく暮らすこと」の本質を体感できる空間となる。

家具は暮らしの記憶をともに刻む存在になる

FLEXFORM The Private Lives of Objects コンセプトビジュアル
2026年ミラノ・デザインウィークで発表された新コンセプト「The Private Lives of Objects―ともに生きる、愛すべきものたち。」

FLEXFORM TOKYOの新たなコンセプト「The Private Lives of Objects」は、家具を単なる所有物としてではなく、人生に寄り添い、日々の記憶をともに重ねていく存在として捉えるものだ。

ラグジュアリーな住空間において、時間の蓄積を受け止めながら、家具は少しずつ住まいの風景そのものになっていく。

FLEXFORMが長年追求してきたのは、装飾的な華やかさではなく、素材、プロポーション、仕立て、座り心地が静かに響き合うエレガンスである。新たなFLEXFORM TOKYOは、自然光が広がる3フロア構成のショールームを通じて、その思想を空間全体で表現する。

北イタリアの職人文化から生まれたタイムレスな家具

FLEXFORMは1959年、北イタリア・ブリアンツァ地方の家具製造地域で創業したブランドである。ブリアンツァは、ミラノ近郊に位置し、木工、張り地、金属加工など、イタリア家具を支える職人文化が集積してきた地域として知られる。

創業者であるガリンベルティ兄弟が始めた小さな工房は、やがてソファやアームチェアを中心とする家具ブランドへと発展。1960年代から1970年代にかけて、FLEXFORMはジョエ・コロンボ、チニ・ボエリ、ロドルフォ・ボネット、そしてアントニオ・チッテリオといったデザイナーたちとの協働を進め、過去の様式を反復するのではなく、現代の暮らしにふさわしいオリジナルなデザインへと舵を切っていった。

その歩みの中で一貫しているのは、控えめでありながら上質であること、長く使われること、そして身体が本当にくつろげることへのこだわりである。FLEXFORMの家具は、建築やインテリアの主張を邪魔しない。しかし、空間のなかに確かな重心をつくり、時間をかけて住まいに馴染んでいく。そこにラグジュアリーファニチャーとしてのFLEXFORMの核心があるといえよう。

FLEXFORM Antonio Citterio GROUNDPIECE ソファ
FLEXFORMと長年にわたり協働してきたアントニオ・チッテリオ。ブランドを象徴するソファ「GROUNDPIECE」などを手がけてきた

3つのフロアで描く、親密な暮らしの風景

新たなFLEXFORM TOKYOは、東京・南青山のブルーサンクポイントB棟にオープンする。ショールーム内部は自然光が広がる落ち着いた空間として構成される。

地下1階では、アントニオ・チッテリオによるモジュラーソファ「LOUNGESCAPE(ラウンジスケープ)」を中心に、くつろぎと会話が自然に生まれるリビングシーンを展開する。柔らかな曲線、有機的なボリューム、軽やかさをもたらす傾斜したベースが、住まいの中心としてのリビングを静かに形づくる。

1階では、2026年ミラノ・デザインウィークで発表された最新コレクションを中心に構成。その核となるのが、アントニオ・チッテリオによる新作モジュラーソファ「QUINCY(クインシー)」である。一体成形の構造による包容力のあるシェルと、フェザーを贅沢に用いたシートクッションが、柔らかな座り心地と人が自然に集まる場の空気を生み出す。

2階では、FLEXFORMを代表するロングセラー「GROUNDPIECE(グラウンドピース)」を中心に、落ち着きのあるリビングシーンが描かれる。2001年にアントニオ・チッテリオがデザインしたGROUNDPIECEは、低く深いプロポーション、大きなグースダウンクッション、カウハイドレザーを用いたアームレストなどによって、ソファのあり方を大きく変えたモデルである。座るだけでなく、読書や会話、仕事、さらには食事まで、現代のリビングに求められる多様な過ごし方を受け止める、まさに「暮らしのプラットフォーム」と呼べる存在だ。

同フロアでは、柴田文江によるテーブル「ENN(エン)」も展開される。木材とカウハイドレザーを組み合わせた仕立ては、FLEXFORMのクラフツマンシップと、日本のプロダクトデザインが持つ繊細な感性を重ね合わせるものとなる。

FLEXFORM ENN 柴田文江 テーブル
柴田文江がデザインしたテーブル「ENN」。木材とカウハイドレザーを組み合わせた上質な仕立てが特徴

アントニオ・チッテリオ、柴田文江らが描く2026年コレクション

FLEXFORM TOKYOでは、2026年ミラノ・デザインウィークで発表された新作コレクションも紹介される。

アントニオ・チッテリオによる「QUINCY」は、有機的なフォルムと包み込まれるような座り心地を追求したモジュラーソファ。建築的な構成と柔らかな曲線が共存し、2026年コレクションを象徴するモデルだ。

柴田文江による「SORETO(ソレト)」は、日本語の「それと」に由来するアクセサリーコレクション。ミラーやバレットスタンドを通じて、空間と日々の所作を美しくつなぐ。FLEXFORMの文脈において、家具やオブジェは単体で完結するものではなく、暮らしの流れの中で役割を持つ。その思想を、日本のデザイナーならではの慎ましく端正な感性で表現したコレクションといえる。

パトリック・ノルゲによる「LOUISE(ルイーズ)」は、レザーとガラスという異素材の組み合わせが軽やかな存在感を生み出すコレクションである。ベッドサイドテーブルや収納家具など、多様な住空間に寄り添う。

FLEXFORM LOUISE Patrick Norguet チェア
パトリック・ノルゲによる「LOUISE」。レザーとファブリックの組み合わせが、軽やかな存在感を生み出す

セバスチャン・ヘルクナーによる「TARA(タラ)」は、コンクリートベースとガラス天板の対比が印象的なテーブルコレクションである。彫刻作品のような存在感を放ちながら、空間全体に静かな緊張感と調和をもたらす。

FLEXFORM TARA Sebastian Herkner テーブル
セバスチャン・ヘルクナーによる「TARA」。重厚なベースとガラス天板の対比が印象的なテーブルコレクション

ラグジュアリーとは心地よさの精度である

FLEXFORMの家具にあるのは、ひと目で視線を奪う強い装飾性ではない。むしろ、住空間のなかで過剰に主張せず、素材、線、厚み、奥行き、座り心地のすべてが高い精度で整えられていることに価値がある。

ラグジュアリーな住まいにおいて重要なのは、家具の価格やブランド名だけではない。朝の光が差し込む時間、夜に照明を落として映画や音楽に浸る時間、家族が集まり会話が弾む時間、あるいはひとりで休息する時間。その一つひとつをどのように受け止めるかが、住空間の質を決めていく。

「The Private Lives of Objects―ともに生きる、愛すべきものたち。」というコンセプトは、まさにその本質を示している。家具は、空間を飾るためのオブジェであると同時に、暮らしの内側で時間を共有する存在でもある。

南青山に生まれる新たなFLEXFORM TOKYOは、イタリアンラグジュアリーの現在地を示すだけでなく、これからの住まいにおける家具の意味を静かに問いかける場所となりそうだ。

FLEXFORM TOKYO 店舗概要

  • 所在地:〒107-0062 東京都港区南青山5-3-20 ブルーサンクポイントB棟
    オープン日:2026年7月3日(金)
    営業時間:11:00~19:00
    定休日:水曜日(祝日を除く)
    アクセス:東京メトロ「表参道駅」A5出口より徒歩約4分
    TEL:03-6418-5590

公式サイト

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