ロス・ラブグローブが描く彫刻的ワイヤレスHiFiスピーカー、KEF「LS LUXE」発売

 取材/LWL online編集部

英国のオーディオブランドKEFが、次世代ワイヤレスHiFiスピーカー「LS LUXE(エルエス リュクス)」を発売する。ロス・ラブグローブ氏による彫刻的な造形に、MAT搭載Uni-Qドライバー、新技術VECO、電流駆動型アンプを融合。オーディオとインテリアの境界を越え、空間そのものを豊かにする「ラグジュアリー・リスニング」を提案する。希望小売価格は715,000円(税込・ペア)。7月30日からmyKEFメンバー向けに先行販売され、全国一般発売は2026年8月25日。

ロス・ラブグローブがデザインした「空間を構成する彫刻」

LS LUXEを特徴づけるのは、一般的なスピーカーの箱型構造とは一線を画す、柔らかな曲面によるフォルムだ。

デザインを手がけたのは、英国を代表する工業デザイナー、ロス・ラブグローブ氏。彫刻的で有機的なフォルムを特徴とし、機能美を備えたプロダクトを数多く手がけてきた。

KEFとラブグローブ氏の協業は今回が初めてではない。これまでにも、アルミニウム製の大型スピーカー「Muon」をはじめ、「Mu」ヘッドフォン、「Muo」ポータブルスピーカーなどを共同で開発してきた。

白いスタジオでロス・ラブグローブの隣に展示されたミネラル・ホワイトのKEF LS LUXE
デザインを手がけたロス・ラブグローブと、ミネラル・ホワイトのLS LUXE

LS LUXEにも、同氏が掲げてきた「形が機能を決定づける」という思想が受け継がれている。正面から見れば一体の彫刻作品のようでありながら、背面まで連続する立体的な造形が施されている。

オーディオ機器を家具の陰に隠すのではなく、空間の中心に置かれるオブジェへと転換する。オーディオとインテリアを融合させたそのスタイルは、現代のラグジュアリー住宅とも親和性が高い。

KEF LS LUXEダスク・チタニウムの前面と背面
LS LUXEの前面と背面。柔らかな曲面による外装と、立体的なリブ状造形が一体となったデザインを採用する
ミネラル・ホワイトのKEF LS LUXEを斜め前から見た外観
柔らかな曲面で構成されたLS LUXE。写真はミネラル・ホワイト

MAT搭載Uni-Qと新技術VECOで低歪みを追求

音響システムの中核には、MAT(Metamaterial Absorption Technology)を搭載した第12世代の6.5インチUni-Qドライバーを採用した。

Uni-Qは、トゥイーターをミッドレンジ/ウーファーの音響中心に配置するKEF独自の同軸ドライバー技術だ。音が一点から放射されるような構成により、リスニング位置による音質の変化を抑え、広い範囲で自然な音場を形成する。

その背面には、複雑な迷路状構造によってトゥイーター後方の不要音を吸収するMATを搭載。不要な後方音の99%を吸収し、歪みの低減と自然な音色の再現に寄与する。

KEF LS LUXEの第12世代6.5インチUni-Qドライバーのクローズアップ
LS LUXEの中核を担う、MAT搭載の第12世代6.5インチUni-Qドライバー

さらにLS LUXEでは、KEFのスピーカーとして初めて「Velocity Control Technology(VECO)」を採用した。

このVECOとは、速度センサーによってUni-Qドライバーの動きをリアルタイムに監視し、そのデータを専用の電流駆動型アンプへ送信する閉ループ制御技術である。ドライバーの動きの不均一さを補正することで、歪みやコーンの動作に伴う圧縮を抑え、とくに低域の明瞭さと正確性を高める。

KEFアクティブスピーカー初の電流駆動型アンプ

アンプ部にも、LS LUXEならではの技術が投入されている。

本機はKEFのアクティブスピーカーとして初めて、電流駆動型アンプを採用。ドライバーのボイスコイルを流れる電流を直接制御することにより、ドライバーに起因する歪みを抑え、よりクリーンで正確な中音域を目指した。

スピーカー1台につき、低中域用として280WのクラスDアンプ、高域用として100WのクラスABアンプを搭載。合計380Wのアンプ出力によって、コンパクトな筐体からダイナミックなサウンドを引き出す。

キャビネットには、成形自由度と剛性に優れたBMC(バルクモールディングコンパウンド)を採用。従来型の内部補強材を減らしながら不要振動を抑え、低域再生に必要な内部容積を確保した。

また、独自のDSPアルゴリズム「Music Integrity Engine(MIE)」が、音量やアンプ負荷に応じて動作を最適化。小音量時や長時間のリスニングでも、音色やディテール、バランスを維持する設計となっている。

W2ワイヤレスプラットフォーム採用、HDMI eARCやハイレゾに対応

ワイヤレスプラットフォームにはKEFの「W2」を採用する。

Spotify Connect、TIDAL Connect、QPlay、AirPlay、Google Castに対応し、Amazon Music、Qobuz、Deezerなどの音楽サービスが利用可能。ローカルのNASや音楽サーバーから、最大24bit/384kHzのPCMおよびDSD音源を再生することもできる。

有線入力はHDMI eARC、アナログ、光デジタル、同軸デジタルを装備。テレビと接続してリビングオーディオとして使用するほか、CDプレーヤーやゲーム機などを組み合わせることも可能となっている。各スピーカーにはサブウーファー出力も備える。

設定と操作は「KEF Connect」アプリから行う。ステップ形式で設定できる「ノーマル」モードに加え、EQをdB単位で調整できる「エキスパート」モードも用意。高度なルームEQ DSPによって、設置場所や室内環境に応じた音響調整を行える。

3色の仕上げと専用S-LUXEフロアスタンドを用意

カラーは「エクリプス・ブラック」「ダスク・チタニウム」「ミネラル・ホワイト」の3種類。

KEF LS LUXEのエクリプス・ブラック、ダスク・チタニウム、ミネラル・ホワイト
左からエクリプス・ブラック、ダスク・チタニウム、ミネラル・ホワイトの3色を展開する

本体にはアルミニウム製のトッププレートを採用し、バックライト付きの操作ボタンを配置。付属のC3リモコンには、任意の機能を割り当てられる「お気に入り」ボタンも備える。

別売りの「S-LUXEフロアスタンド」にはケーブル管理機能を内蔵。さらに、最大8メートルの「K-Stream」スピーカー間ケーブルも用意され、空間や家具配置に合わせた柔軟な設置を可能としている。

LS LUXEは7月30日から、myKEFメンバーを対象にKEF Music Gallery TOKYOおよび公式オンラインストアで先行販売を開始。8月13日からは直営店で一般販売され、8月25日から全国のKEF正規販売店で取り扱われる。

LS LUXEが示す、オーディオとインテリアの新たな関係

ラグジュアリー住宅におけるオーディオは性能の高さだけでは完結しない。

音が空間にどのように広がるかはもちろん、機器そのものが建築や家具、照明、アートとどのような関係を結ぶのかも問われる。

LS LUXEは、ワイヤレスオーディオの利便性と、本格的なHiFiシステムの音響設計、そして工業デザインを一つに統合した製品だ。

KEFが本機で提示する「ラグジュアリー・リスニング」とは、テクノロジーが過度に主張することなく空間に溶け込み、視覚と聴覚の双方から暮らしの質を高めることである。

LS LUXEは、オーディオがインテリアの一部となり、同時に空間体験そのものをつくり出す時代を象徴する一台といえそうだ。

KEF「LS LUXE」製品概要

  • 製品名: KEF LS LUXE
  • 希望小売価格: 715,000円(税込・ペア)
  • カラー: エクリプス・ブラック/ダスク・チタニウム/ミネラル・ホワイト
  • myKEFメンバー先行販売: 2026年7月30日
  • 全国一般発売: 2026年8月25日
  • デザイン: Ross Lovegrove(ロス・ラブグローブ)
  • 主な接続: HDMI eARC、アナログ、光デジタル、同軸デジタル、Wi-Fi、各種音楽ストリーミングサービス

製品ページ
KEF Music Gallery TOKYO
公式オンラインストア

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