BoConcept2026年秋冬コレクション発表。新作ソファ「Paraggi」、ダイニング「Volterra」、ラグ登場

 取材/LWL online編集部

デンマーク発のインテリアブランド「BoConcept(ボーコンセプト)」が、2026年秋冬コレクションを発表した。イタリア人デザイナー、クラウディオ・ベッリーニによる新作ソファ「Paraggi(パラッジ)」とダイニングコレクション「Volterra(ヴォルテッラ)」、さらにデンマークのLinie Designと協業した新作ラグが登場する。3つに共通するのは、家具を単体のプロダクトではなく、住空間そのものを構成する要素として捉える視点だ。BoConceptが新作を通して描く、「家具から空間へ」というインテリアの現在地を読み解く。

BoConceptの2026年秋冬コレクションは「家具」から「空間」へ

ソファ、ダイニングテーブル、チェア、ラグ。

BoConceptが2026年秋冬に発表した新作を個別に見れば、それぞれ異なるカテゴリーの製品である。しかし、今回の3つの同時発表を俯瞰すると、BoConceptというブランドが今回のコレクションで描こうとしている方向性が自ずと浮かびあがってくる。

家具を建物の完成後に配置する「モノ」として捉えるのではなく、人の居場所や動線、空間のまとまりを形づくる存在として捉える方向性だ。

この方向性の中心となるのが、ミラノを拠点に活動するデザイナー、クラウディオ・ベッリーニである。

BoConcept 2026年秋冬コレクションを手がけるデザイナーのポートレート
建築からプロダクト、家具まで領域を横断するデザインアプローチが、BoConceptの2026年秋冬コレクションにも反映されている

ベッリーニはミラノ工科大学で建築とインダストリアルデザインを学び、卒業後はMario Bellini Architectsで国際的なプロジェクトやコンペティションに携わった。1996年に自身のスタジオを設立してからは、Artemide、Poltrona Frau、Thonet、Walter Knollなど世界的ブランドとのプロジェクトを手掛けている。

建築からプロダクト、家具へと領域を横断してきたベッリーニの視点が、今回の「Volterra」と「Paraggi」に色濃く表れている。

「Volterra(ヴォルテッラ)」:ダイニングテーブルを建築要素として考える

BoConcept Volterra ダイニングテーブルとチェアを配したインテリア
BoConceptの新作「Volterra」。建築的なフォルムを持つダイニングテーブルとチェアを組み合わせ、空間全体としての佇まいを提案する

新作ダイニングコレクション「Volterra」は、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、サイドボード、コーヒーテーブル、サイドテーブルによって構成される。

名称の由来は、素材やクラフツマンシップ、歴史が息づくイタリアの古都ヴォルテッラ。ベッリーニが追求してきた建築的な美しさと、BoConceptが受け継ぐデンマークデザインの哲学を融合したコレクションである。

Volterraの遺跡に見られるアーチから着想を得た、逆さのアーチが描く象徴的な「U」のフォルム。水平と垂直の要素を明快に組み合わせながら、彫刻的な存在感を生み出している。

BoConcept Volterra ダイニングテーブルのU字型ベース
Volterraを象徴する「U」のフォルム。古都ヴォルテッラの遺跡に見られるアーチから着想し、テーブルを建築的な構造体として表現している

ベッリーニ自身は「テーブルは、ある意味で最も基本的な建築要素のひとつです」と語っている。

この言葉は、Volterraを理解するうえで重要だ。テーブルを単純に家具として捉えるのではなく、空間の中心を定義し、人が集まる場所をつくる構造体として考えているのである。

木材、セラミック、ガラスといった異なる素材を組み合わせることにより、同じフォルムでも異なる表情を生み出す点も特徴的である。装飾を重ねるのではなく、プロポーションと素材、構造そのものによって存在感をつくり出している。

ダイニングは「食事をする場所」から「感情を共有する場所」へ

ベッリーニはダイニングを「感情を共有する場所」として捉えている。

「ダイニングは感情を共有する場所です。それはとても尊いものです。そして、チェアとテーブルは互いに競い合うのではなく、自然に調和しているべきなのです」と語る。

テーブルとチェアは、それぞれがデザインを主張するのではなく、人と人との関係や、そこで過ごす時間を自然に支えるよう設計されたという。

家具をデザインすることは、そこで起こる「行為」までをもデザインすることである。

Volterraが建築的なのは、そのフォルムに加えて、人がどこに集まり、どのような時間を過ごすのかまで含めて空間を考えているからだと言えるだろう。

「Paraggi(パラッジ)」:BoConcept初の本格ハイバックソファがつくる「居場所」

BoConcept Paraggi ハイバックソファとVolterraテーブルのリビング空間
BoConcept初の本格ハイバックソファ「Paraggi」。Volterraのコーヒーテーブル、サイドテーブルと組み合わせ、リビング全体をひとつの風景として構成する

ダイニングのVolterraに対して、リビング側から同じ思想を表現するのが新作ソファ「Paraggi」。

この名前は、イタリア・リグーリア州にある入り江「Paraggi」から採られた。

身体を包み込むように立ち上がったハイバックデザインを採り入れているのが印象的だ。ParaggiはBoConcept初となる本格的なハイバックソファとして開発された。アームレストとバックレストを簡単な操作で調整でき、その時々の過ごし方に応じてフォルムを変化させることが可能だ。

BoConcept Paraggi ソファのアームレスト角度調整イメージ
Paraggiはアームレストとバックレストを手動で調整可能。過ごし方に応じて、包み込まれるような状態から、より開放的な状態へと変化させられる

ひとりで静かに過ごすときには、背とアームによって周囲から緩やかに区切られた、包み込まれるような場所になる。逆に、家族や友人と過ごすときには、より開放的な状態へと変更する。Paraggiは人と人との距離、そして座る人と空間との関係をその都度変えていくのだ。

ベッリーニは今回のデザインについて、「家具とは単なるオブジェではなく、人が暮らす場所なのです」と説明している。

この言葉の通り、Paraggiは「座るための家具」というよりも、リビングの中にもうひとつの小さな空間を生み出す家具と捉えることができるだろう。

リビングの「ランドスケープ」をつくる

Paraggiは、ラウンジチェア、ソファ、カウチソファ、コーナーソファ、プーフなどをラインアップする。さらにVolterraのコーヒーテーブルやサイドテーブルと組み合わせることも想定されているとのこと。

個々の家具を独立してデザインするのではなく、リビング・ダイニングという空間全体をひとつの風景として構成しようという考え方が見てとれる。

ベッリーニは、Paraggiについて、次のように語る。

「私たちが創りたかったのは、一つの家具ではなく、ひとつの風景なのです」

この言葉は、今回のBoConceptのコレクション全体の世界観を示していると言えるだろう。

BoConcept Paraggi モジュールソファの構成とディテール
Paraggiはソファやカウチ、コーナー、ラウンジチェアなどを展開。モジュールを組み合わせることで、さまざまなリビング空間に対応する

新作ラグは「床の装飾」ではなく、空間を区切り、家具をつなぐ

BoConcept AW26 ハンドクラフトラグのテクスチャー
BoConceptのAW26ラグコレクション。ニュージーランド産ウールなどの素材と豊かなテクスチャーによって、床面そのものを空間デザインの一部として捉え直す

そして2026年秋冬コレクションのもうひとつの重要な要素が新作ラグだ。

今回のコレクションは、デンマークのラグブランド「Linie Design」との協業によって開発。ニュージーランド産100%ウールをはじめとする素材を用い、インドの熟練した職人によって、一枚ずつ丁寧に手作業で仕上げられている。

ブークレやカットパイル、ハンドノット、ハンドウーブンなどの技法によって表面に立体感を生み出し、強い色彩や装飾に頼るのではなく、織りや毛足、素材そのものの触感によって表情をつくる。

BoConcept ハンドクラフトラグの織りとフリンジのディテール
織りやパイル、フリンジといった素材表現も新作ラグの特徴。色彩や装飾だけに頼らず、触感と陰影によって空間に奥行きをもたらす

LWL onlineとして注目しているのは、デザイン以上にラグの役割が変わっている点だ。

従来、ラグはソファやテーブルを配置したあとに加える「インテリアアクセサリー」として捉えられていた。

しかし、今回、ラグは空間そのものを構成するデザイン要素として位置づけられている。

最大300×400cm。大判ラグでリビングを「ゾーニング」する

新作には最大300×400cmという大型サイズも用意されている。

ソファやコーヒーテーブル、あるいはダイニングセットまで含めて家具全体をラグの上に配置することで、複数の家具をひとつのグループとしてまとめることが可能だ。

ある意味、住宅設計における「ゾーニング」に近い発想だ。

壁を建てなくても、床材や照明、天井の高さを変えることで空間に緩やかな境界をつくることができる。同様に、一枚の大きなラグを敷けば、床面にもうひとつの領域をつくり出すことができる。

いわばラグは、最も手軽に導入できる「もうひとつの床」なのである。

「Misty Curve」「Quiet Hymn」「Calm Whisper」「Raw Embrace」「Angled Muse」「Axis Veil」「Meadow Hue」など、それぞれ異なるテクスチャーやフォルムを採用している。なかでも「Meadow Hue」は、盛り上がりのある有機的な模様とパイルの高低差により、床面そのものをテキスタイルアートのように見せる。

BoConcept Meadow Hue 有機的な模様を施した新作ラグ
「Meadow Hue」。盛り上がりのある有機的な模様とパイルの高低差によって、床面を繊細なテキスタイルアートのように見せる

装飾としてのラグではなく、家具をつなぎ、空間をまとめ、足元の触感まで含めて住環境をつくるラグである。

家具を選ぶことから、「ひとつの風景」をつくることへ

Volterraはテーブルやチェアを建築的な要素として捉え、Paraggiはソファによって人の居場所と距離感をつくり、新作ラグは床面を使って複数の家具をひとつの空間へとまとめあげる。

3つの発表をあわせて見ると、BoConceptの2026年秋冬コレクションが目指しているものは共通している。

家具、床、素材、人の居場所、さらに時間までを含めて、住空間全体をひとつの「風景」としてデザインすることである。

家具は建築が完成したあとに置かれるものではなく、建築とともに「暮らす場所」を完成させる存在でもある。 「家具を選ぶ」から、「家具を使って空間をデザインする」へ。BoConceptの2026年秋冬コレクションは、家具が本来持つ役割をあらためて浮かび上がらせている。

BoConcept 2026年秋冬コレクション 製品概要

Paraggi(パラッジ)

  • デザイン: クラウディオ・ベッリーニ
  • カテゴリー: ハイバックソファ/アームチェア/プーフ
  • 特徴: BoConcept初の本格的なハイバックソファ。アームレストとバックレストを手動で調整でき、過ごし方に応じてフォルムを変化させられる。張地はファブリックのみ。ラウンジチェア、2.5人掛け・3人掛けソファ、カウチソファ、コーナーソファ、プーフなどを展開する。
主な製品サイズ価格
コーナーソファH91 × W308 × D308cm1,179,000円〜
2人掛けカウチH91 × W346 × D94/174cm834,900円〜
ラウンジユニット付きソファH91 × W352 × D94cm649,900円〜
アームチェアH109 × W91 × D94cm296,900円〜
3人掛けソファH91 × W220 × D94cm518,900円〜
プーフH46 × W80 × D80cm184,900円〜
※プレスリリース記載価格。アームチェアはアーム&バックレストの角度調整不可。

Volterra(ヴォルテッラ)

  • デザイン: クラウディオ・ベッリーニ
  • カテゴリー: ダイニング/リビングコレクション
  • 特徴: イタリアの古都ヴォルテッラから着想した建築的なコレクション。アーチを反転させたような「U」のフォルムを象徴とし、ダイニングテーブル、チェア、サイドボード、コーヒーテーブル、サイドテーブルを展開する。
主な製品サイズ価格
ダイニングテーブルH75 × W99 × L180cm359,900円〜
ダイニングテーブルH75 × W105 × L235cm449,900円〜
コーヒーテーブル(円形)H38 × φ99cm161,900円〜
コーヒーテーブルH38 × W70 × L130cm198,900円〜
サイドテーブルH49.5 × φ46cm89,900円〜
ダイニングチェアH78 × W60 × D59.5 × SH49cm116,900円〜
アームレスト付きダイニングチェアH78 × W63.5 × D59.5 × SH49cm132,900円〜
サイドボードH74.5 × W229 × D51cm466,900円
※プレスリリース記載価格。チェアの張地には選択条件あり。

AW26 ハンドクラフト ラグコレクション

  • コラボレーション: BoConcept × Linie Design
  • 特徴: ニュージーランド産ウールをはじめとする素材と、ブークレ、カットパイル、ハンドノット、ハンドウーブンなどの技法を用いたハンドクラフトラグ。大型サイズは最大300×400cmで、家具一式をラグ上に配置する空間づくりにも対応する。
  • ラインアップ:
  • Misty Curve/Quiet Hymn/Calm Whisper/Raw Embrace/Angled Muse/Axis Veil/Meadow Hue/Furrow/Swell Aura
  • サイズ: φ150cm〜300×400cm
  • 価格: 109,900円〜457,900円
  • ※たとえば「Calm Whisper」は円形から400×300cmまで展開し、「Raw Embrace」はウール糸を一本ずつハンドノットで結び上げた仕様。「Meadow Hue」は有機的な模様とパイルの高低差によって床面に立体的な表情をつくる。

BoConcept公式サイト

BoConceptのインテリアデザインサービスを提供するショールーム
BoConceptでは家具の販売に加え、ライフスタイルや住空間に合わせたインテリアデザインサービスも展開している

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