ITとAIでラグジュアリーライフの指標を変える~GLAS LUCE x SmartHome ショールーム~
fy7d(エフワイセブンディー)代表/遠藤義人
「インテリアと情報革命で人々の暮らしを豊かに」をキャッチフレーズに、ITとAIを融合した新しいライフスタイルを提案するHANAMURA(ハナムラ)。その多岐に亘る活動の現在について、社長の花村勇さんにリビングデザインセンターOZONE内東京ショールームで話を聞いた。
ホームオートメーションがデフォルトで“入っている”のが贅沢

ファブリックガラスからホームオートメーションまで
株式会社ハナムラは、1993年創業。ガラス商材を駆使したインテリア提案に始まり、時代のニーズを受けて品揃えやパートナーを拡げ、いまやITやAIも盛り込んだ住宅の基本設計を行っている。その後の本設計に備え、最初に住宅プロジェクトの方向性を占う重要なポジションだ。
「私たちが担う基本設計では、どんなことをどのぐらいの予算でやりたいかをお客様にヒアリングし、一歩先いく夢と感動の快適な暮らしをご提案します。ここでプランと設備をある程度カタチにしてから、系統図などの図面作りや開発など詳細な検討を行う本設計を担うパートナーに引き継ぎます」(花村さん)
そんなハナムラの提案に盛り込まれるのは、主に5つの柱。(1)アルミフレームのガラス引き戸「FABRIC GLASS」、(2)ミラーディスプレイのGLAS LUCE(グラスルーチェ)、(3)壁や収納から立ち上がるリフトテレビNEXUS21(アメリカから輸入)、(4)ホームオートメーション、そして(5)VRの制作・運営だ。





これらのうち最近とみに盛り上がりを見せているのがVR。モデルルームを実体験しなくてもマンションの各部屋をリアリティ豊かに共有でき、VRのインテリアデザイナーという職種も登場しているほど。一例が藤本壮介さん監修の「SPACE∞(スペースインフィニティ)TOKYO」だ。
これからはホームオートメーションが“入っている”のが贅沢
VRを通じたCG制作のノウハウとも関連するが、今後急伸が見込まれる最右翼はホームオートメーションだと花村社長はいう。住宅設備をLANで繋ぎ、手許のスマートフォンなどで制御できるシステムだ。
「LWLが掲げるラグジュアリーライフ、スマートライフという切り口は、まさにこれからの分野だと思います。これまで、贅沢な暮らしとは、装飾豊かなスタイリング重視のインテリアでした。存在感のある立派な家具やブランド品が、一種のステイタスとして重宝されてきたのですが、そうした価値観は変化してきている気がするのです。上質な素材を無駄なく使い、スマートでほんとうに建築に馴染んだインテリアが世界的なトレンドであり、今後は日本もその方向に進むはずなのです」
直線をベースにした間取りに、サークルを組み合わせたシンプルなデザイン。そこに上質な素材を使い、自然光と間接照明をベースとした照明計画を施せば、建築そのものがさらに引き立つ住まいができあがる。それらを柔軟にコントロールできるのが、ホームオートメーションだ。
「弊社では、クレストロン、KNX、ルートロンの3ブランドのシステムからお客様のニーズに合ったものを選び、設計します。ルートロンの場合は、照明と窓回りを中心にスマートコントロールするので、比較的シンプルなマンションリノベーションや住宅に適しており、そこに空調制御などをプラスするだけで利便性を図ることができます。一方、たくさんお部屋があるようなお宅で、スマートフォンやタブレットのほか、各部屋の壁面にもタッチパネルを配置して制御したり、カメラやセンサーを入れてセキュリティまでリアルタイムでチェックしたいなら、クレストロンやKNXが適しています。ちなみに、前者が大きな邸宅向き、後者は住宅やVilla運営などに向いています」




花村社長は、基本設計における照明計画の重要性を力説する。
「建築では、余白を楽しむことが大切です。照明メーカーの言いなりではなく、建築や間取りに合った家ごとの照明計画が必要なのです。ベースの間接照明にペンダントライトをどう組み合わせるかといった仕掛けで雰囲気がガラりと変わります。私たちの使命は、そうした基本設計をいかに豊かに導き出せるかにあるのです」
ホームエンターテイメントも重視されるように
ホームオートメーションで制御できるのは、照明やカーテンだけではない。オーディオビジュアルや空調などもワンタッチで制御でき、見える化できる。
中でもハナムラが重視するのが、家庭内での癒やしや寛ぎを演出するホームエンターテイメント、すなわちオーディオビジュアルだ。
「建築家が主導するマンションリノベーションの提案をしたいのです。家に帰って一番初めにつけるのは照明じゃないですか。あとはカーテンを閉める。そして、音楽を鳴らし、エアコン付ける。この超基本といえる4つを、住む人が自分の感覚に合った形で最適化できるのがホームオートメーションであり、ビルトインオーディオシステムであり、ミラーディスプレイなんです」
ミラーディスプレイのグラスルーチェは、豊かな夜景とともに、もともと住宅の壁に収まった第二の窓として機能する。ディスプレイに映すべきなのはテレビ番組だけではない。
「音楽もとても大切だと思っています。ロックやポップスだけではなく、アンビエントや波の音のような癒やしのサウンドがはじめから組み込まれている住宅の快適さを提案していきたい。オーディオシステムは決して高額なものではありませんので、照明と同じように最初から住宅に埋め込まれているのがいいと思うのです」

シニア世代にこそ、必須のシステム!?
こういったITを駆使したシステムは、シニア世代に敬遠されないのだろうか?
「AIの普及に伴い、スマートホームのような住宅は若い世代にすんなり受け入れられるでしょう。人感センサーや温度のセンサーの精度も上がっていますから、そういう方向にどんどん進んでいくのは間違いありません。でも実際には、装置が複雑化したいまこそ、設備をカンタンに動かすホームオートメーションのニーズは高まり、むしろシニアになるほど体に負担が掛からないので、楽ちんで快適な仕組みなんですよ。そこをご理解いただけるようにしていきたいんです」
部屋に後付けで置くのではなく、はじめから住宅に入っているスマートホームこそが、これからのラグジュアリーライフだという話に至極納得した。

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[問い合わせ先]
ハナムラ GLAS LUCE × SmartHomeショールーム
住所:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー リビングデザインセンターOZONE 5階
電話番号:03-3344-8438 FAX:03-6302-0355
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fy7d(エフワイセブンディー)代表
遠藤義人
ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。