カリモク家具、特注家具20点以上を展示・販売。「Behind the Archives」開催

 取材/LWL online編集部

カリモク家具は、展示会やイベントのために製作してきた特注家具20点以上を紹介する企画展「Behind the Archives - special stock sale vol.1 -」を、2026年8月29日から9月15日まで、東京・西麻布のKarimoku Commons Tokyoで開催する。トラフ建築設計事務所やKii、小宮山洋氏らとの協働から生まれた、通常製品とは異なる色や素材、仕様を持つ家具を、自らアーカイブから選び、展示・販売する初の試みだ。

展示会のために生まれ、アーカイブされてきた特注家具

家具メーカーが展示会やイベントに出展する際、会場のテーマや空間構成に合わせ、通常のラインアップにはない特別な家具が製作されることがある。

既存製品の色や素材を変えたモデルや、会場・テーマに合わせて特別仕様とした家具など、その姿は多様だ。だが、その多くは実物に触れる機会が限られたまま、技術とデザインの記録としてアーカイブされてきた。

今回カリモク家具が開催する「Behind the Archives」では、2022年以降に行われた7件のイベントや協業から生まれた家具が紹介される。アーカイブが一定の厚みを持つに至ったことを契機に、カリモク家具が初めて自ら選定し、展示・販売する。タイトルに「vol.1」とあるように、今後も継続的な展開を予定しているという。

カリモク家具の製作現場に並ぶ特別仕様の木製椅子
展示会やイベント、クリエイターとの協働を通じて製作されてきた特別仕様の家具。その多くは、技術とデザインの記録としてアーカイブされてきた
画像提供:カリモク家具

144脚の「AA HIGH STOOL」が高さ約7メートルのツリーに

展示品のひとつが、「Spiral Xmas Market 2022」のために製作された「AA HIGH STOOL by Karimoku」の特別モデルだ。

表参道のスパイラルガーデンで開催された同イベントでは、トラフ建築設計事務所のデザインにより、144脚のスツールを積み上げ、高さ約7メートルのシンボルツリーが組み上げられた。

スツールは、イベントのイメージカラーに合わせ、ゴールド、シルバー、レッド、モスグリーン、インディゴブルーの5色で製作。家具材には通常使われにくい国産未利用材や、工場で使われていたパレットを再利用したアップサイクルモデルも組み込まれた。

144脚のAA HIGH STOOLを積み上げた高さ約7メートルのシンボルツリー
「Spiral Xmas Market 2022」では、トラフ建築設計事務所のデザインにより、144脚の「AA HIGH STOOL by Karimoku」を積み上げた高さ約7メートルのシンボルツリーが組み上げられた
Photo:小川真輝/Courtesy of Spiral / Wacoal Art Center

単体では人が座る家具でありながら、集合することで巨大な空間装置へと変化する。家具とインスタレーションの境界を横断したプロジェクトであり、イベント終了後も、それぞれのスツールには展示の記憶が残されている。

オルガテック東京2025で生まれた特別モデル

オフィス家具見本市「オルガテック東京2025」に出展された、「Karimoku New Standard」の「Castor Chair」シリーズと、「MAS」の「WK Chair 01」シリーズの特別モデルも紹介される。

同展示では、デザインユニットKiiが会場デザインを、小宮山洋氏がディレクションを担当。国産未利用材を採用したモデルや、塗装の艶を段階的にコントロールした特注色のモデルなど、多様な仕様の家具が製作された。

オルガテック東京2025に展示されたカリモク家具の特別仕様の椅子
「オルガテック東京2025」のカリモク家具出展ブース。国産未利用材や特注色を用いた「Karimoku New Standard」と「MAS」の特別モデルが展示された
画像提供:カリモク家具

既存の椅子をベースにしながら、素材、色、仕上げを変えることで、それぞれに異なる表情を与えている。カリモク家具が培ってきた木工技術と、特殊なオーダーに対応する生産体制の柔軟性を示す家具でもある。

このほか、Karimoku New Standardのデザイナー、Geckeler Michels(ゲッケラー・ミヘルス)が手がけたペンスタンド/カードホルダー「NASHI」の特別色「Pale Lilac」も登場する。2025年にKarimoku Commons Tokyoで開催された同デザインスタジオの回顧展「Dialogues」のために製作されたモデルで、こちらは会場で直接販売される。

Geckeler Michelsがデザインした木製ペンスタンドとカードホルダー「NASHI」
Geckeler Michels(ゲッケラー・ミヘルス)がデザインした「NASHI」。ペンスタンドやカードホルダー、ケーブルウェイトとして使用でき、右のモデルは回顧展「Dialogues」のために製作された特別色「Pale Lilac」
画像提供:カリモク家具

家具が生まれた背景と、製作現場の物語

本展では、完成した家具だけでなく、それぞれのプロダクトが生まれた背景にも焦点が当てられる。

会期に先立つ7月31日から、ECサイト「Karimoku Commons Shop」に特設ページを開設。クリエイターとの協働の経緯や、製作を担当したスタッフによる工場でのエピソード、日常空間での使い方などが紹介される予定だ。

特注家具の多くを来場者限定オークションで販売

展示される家具の多くは、来場者限定のオークション方式で販売される。

購入希望者は会場で案内される専用フォームから、希望する製品と入札金額を登録。会期終了時点で最も高い金額を提示した人が購入できる。一部のアイテムについては、会期初日の8月29日13時から、会場で先着順による直接販売も行われる。

一点物に近い家具は、木目や色、仕上げなど、一つひとつに異なる表情を持つ。実物を見た人に参加を限定する方式は、価格だけでなく、家具との出会いや相性を重視した販売方法ともいえるだろう。

展示を終えた家具を、新たな暮らしへ

カリモク家具は、資材の調達から製造、販売までを自社グループ内で一貫して手がけ、高度な生産設備と職人技を融合する「ハイテク&ハイタッチ」をものづくりの基盤としてきた。Karimoku Commonsも、製品に触れる場にとどまらず、カリモク家具の思想を体感するコミュニケーションの場として位置付けられている。

「Behind the Archives」が興味深いのは、過去の展示を懐かしむだけの回顧展ではない点にある。

特定の時間と場所のために生まれ、展示での役割を終えた家具を再び公開し、今度は誰かの暮らしへと送り出す。展示会の舞台裏に眠っていた家具を通して、カリモク家具の技術、クリエイターとの協働、そして家具の新たな循環を紹介する企画となりそうだ。

「Behind the Archives – special stock sale vol.1 -」開催概要

  • 会期:2026年8月29日(土)~9月15日(火)
  • 休館日:日曜日
  • 時間:13時~18時
  • 会場:Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース
  • 所在地:東京都港区西麻布2-22-5
  • 入場料:無料
  • 主催:カリモク家具株式会社
  • オークション入札期間:2026年8月29日(土)13時~9月15日(火)18時
  • 特設ページ公開:2026年7月31日(金)18時予定

カリモク家具公式サイト

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