テンピュール®、AI搭載スマートベッド「エルゴ プロ スマート」発売。ベッドが眠りを「見守り、整える」時代へ
取材/LWL online編集部
テンピュール・シーリー・ジャパンが、AI搭載スマートベッドの最上位モデル「テンピュール® エルゴ プロ スマート」を発売した。マットレス下のセンサーとSleeptracker-AI®で睡眠状態やいびきを捉え、必要に応じてベッド自身が姿勢を変えるほか、音・振動・リクライニングによって入眠前の時間までサポートする。寝室に「見えないウェルネス」を持ち込む、新しい睡眠テクノロジーだ。
Sleeptracker-AI®でベッドそのものが「眠り」に働きかける
テンピュール・シーリー・ジャパンは2026年9月1日、AIを搭載した電動リクライニングベッドの最上位モデル「テンピュール® エルゴ プロ スマート」の販売を開始した。
従来モデルから継続して、いびきを感知してベッド自体が姿勢を変え、また睡眠状態を記録・分析し、一人ひとりに合わせた睡眠情報を提供する機能を備える。新モデルでは、音や振動、リクライニングを組み合わせたリラクゼーション機能を加えた。
これまで人がベッドに合わせて眠っていたとすれば、これからはベッドの側が人の状態を捉え、その人に合わせて環境を変えていく。「AI搭載ベッド」というよりも、「スマートベッド」と呼びたくなる製品である。
「エルゴ プロ スマート」には、専用アプリ「Sleeptracker-AI®」を利用した睡眠サポート機能が搭載。睡眠計測のために腕時計やリングなどのウェアラブルデバイスを身につける必要がない。
マットレス下に設置されたセンサーが、心拍や呼吸、身体の微細な動き、いびきなどを捉え、睡眠状態を自動的に記録する。セットアップ後は、ユーザーが毎晩計測を開始する必要もない。いつものようにベッドへ入り、眠ればいいだけだ。
計測されたデータは睡眠レポートとして確認でき、心拍数や呼吸速度などに加え、睡眠状態を分析・評価。「AI睡眠コーチ」が睡眠の分析や睡眠環境の記録をもとに、パーソナライズされた睡眠情報を提供する。
浅い眠りのタイミングを見計らって振動または音楽で起床を促す「睡眠サイクルアラーム」や、入眠をサポートするホワイトノイズも用意されている。

また、いびきを感知すると頭部側が自動的に約12度上昇し、姿勢を変えることで気道の確保を促す「いびきサポート」機能が搭載されている。継続的ないびきを感知した場合には、ベッドが振動して寝返りを促す機能も備える。


センシングした情報をもとに、ベッドそのものが人へ働きかける。まさしく「スマートベッド」に相応しい。
音・振動・姿勢で「眠りに入るまで」をデザインする
従来モデル「エルゴ スマート」に対して、最上位モデルとなる「エルゴ プロ スマート」では、さらに3つのリラクゼーション機能が加わった。

まず「サウンドスケープ モード」。マットレスを通して音を響かせ、音を耳で聴くだけではなく、身体でも感じられるようにする。自然音などに加えて、瞑想・安眠アプリ「Calm」から厳選された7種類のサウンドも用意されている。
ふたつ目が「ウェーブフォーム バイブレーション」だ。振動周波数、時間、姿勢を選択し、ベッドから身体へ振動を伝える。
三つ目がリクライニングと振動を組み合わせ、「ストレス解消」と「寝る準備」という2種類のプログラムをプリセットした「ワインドダウン プログラム」である。
良質な睡眠を考えるうえでは、ベッドへ入る前後の時間も重要である。
「エルゴ プロ スマート」は、音、振動、身体の姿勢を組み合わせることで、眠りへの移行時間までをもベッド側からつくろうとしているのだ。
スマートベッドが寝室にもたらす「Invisible Wellness」
住宅におけるウェルネスというと、フィットネス設備を想像する人が多いことだろう。もちろん、フィットネス設備は「ウェルネス」を構成する重要な要素である。
一方で、人が長い時間をベッドの上で過ごしていることを考慮すると、ベッドそのものが住宅におけるウェルネス・テクノロジーの重要な構成要素になっていくことは、決して不自然ではない。
LWL onlineの注目ポイントは、専用アプリ「Sleeptracker-AI」がウェアラブルデバイスを必要としていない点である。
利用者が毎晩センサーを装着したり、計測開始のスイッチを入れたりする必要がなく、マットレス下に設置されたセンサーが、普段の生活の裏側で睡眠を支える。
要するに、テクノロジーを意識して操作するのではなく、生活しているだけで住環境側が人の状態を読み取り、必要に応じてサポートする。
まさに、「Invisible Wellness(見えないウェルネス)」である。
将来的には、サーカディアンライティングによる照明、室温・湿度を管理する空調、遮光・採光を担う電動ブラインド、音環境、そしてスマートベッドなどが、それぞれ独立した設備ではなく、「睡眠」というひとつの目的を中心に連携していくことも考えられる。
「眠る8時間」も、住宅がつくる体験になる
「テンピュール® エルゴ プロ スマート」は、シングル、セミダブル、ダブルの3サイズを展開。本体価格は47万3,000円〜51万7,000円(税込)。全国のテンピュール® ショールーム、取扱店、公式ネットストアなどで販売される。
なお、「いびきサポート」および「眠りサポート」の利用には専用アプリ「Sleeptracker-AI®」とWi-Fi環境が必要となる。※なお、Sleeptracker-AI®は医療機器ではなく、睡眠時無呼吸症候群などの診断を行うものではない。

さて、照明が自然に一日のリズムを整え、空調が眠りやすい温熱環境をつくり、ベッドが人の状態を見守り、必要に応じて姿勢を変え、音や振動によって入眠を支える。このように住まいの環境が整えば、寝室は人が毎日回復するための環境として設計されることになる。
住宅のラグジュアリーを考えるとき、目に見える家具や素材だけではなく、毎晩繰り返される「眠る時間」をどこまで上質にできるか。
「エルゴ プロ スマート」は、その問いにテクノロジーの側から答えようとするベッドのひとつと言えそうだ。
-
-
取材
LWL online 編集部