KAWAI「GXシリーズ」が進化。Shigeru Kawaiの技術を注いだプロフェッショナル・グランドピアノ
取材/LWL online編集部
株式会社河合楽器製作所は、KAWAIプロフェッショナル・グランドピアノ「GXシリーズ」5機種をグレードアップし、2026年7月3日(金)より発売する。今回の進化では、同社最高峰のグランドピアノ「Shigeru Kawai」の技術とノウハウをさらに注ぎ込み、ペダル表現、響き、佇まいを磨き上げた。住空間に本格的な音楽体験を取り入れるためのグランドピアノとして、その価値を改めて見つめたい。
KAWAI「GXシリーズ」がグレードアップ。5機種を7月3日に発売
株式会社河合楽器製作所は、KAWAIプロフェッショナル・グランドピアノ「GXシリーズ」5機種をグレードアップし、2026年7月3日(金)より発売する。
対象となるのは、GX-7、GX-6、GX-5、GX-3、GX-2の5機種。価格はGX-7が4,620,000円、GX-6が3,905,000円、GX-5が3,520,000円、GX-3が2,970,000円、GX-2が2,530,000円。なお、GX-1のみは2027年1月の発売を予定。
GXシリーズは、2013年に誕生したKAWAIの主力グランドピアノシリーズ。ビギナーからプロフェッショナルまで、幅広い演奏者に向けたモデルとして展開されてきた。今回のグレードアップでは、同社最高峰のグランドピアノ「Shigeru Kawai」の開発で培われた技術とノウハウをさらに取り入れ、演奏表現、響き、佇まいの各面で進化を図っている。
「Shigeru Kawai」は、河合楽器製作所が誇る最高峰のグランドピアノシリーズ。創業者・河合小市の志を受け継ぎ、世界のコンサートホールや国際コンクールの舞台も見据えて開発された、KAWAIのクラフトマンシップと音響技術を象徴するフラッグシップモデルである。
住空間に置かれる「本物の楽器」としてのグランドピアノ
ピアノは、もちろん楽器ではあるが、住まいの中に置かれたとき、それは空間の重心をつくる家具であり、家族の時間を形づくる装置であり、時には建築そのものの印象を決定づける存在にもなる。
とりわけグランドピアノは、そのスケール、フォルム、艶やかな外装、そして響きによって、空間に存在感をもたらす。リビング、サロン、音楽室、あるいは別荘のホール。どのような場所に置かれるかによって、ピアノは単なる楽器を超えて、暮らしの質を象徴するインテリアエレメントとなる。
KAWAIのGXシリーズは、住空間と音楽の関係を考えるうえでも注目すべきモデルである。 プロフェッショナル・グランドピアノとしての性能を備えながら、家庭やプライベートな音楽空間にも導入しやすいラインナップをそろえる。日々の練習に使う楽器であると同時に、住まいの中に「音のある時間」を定着させるための存在でもある。
Shigeru Kawaiの技術を受け継ぐ「デュアル・ピボット・ダンパー機構」
今回のグレードアップで大きなポイントとなるのが、「デュアル・ピボット・ダンパー機構」の採用だ。
これはフルコンサートピアノ「SK-EX」のために開発され、現在は「Shigeru Kawai」にも採用されているメカニズムである。今回、GXシリーズにも搭載された。このことによって、ハーフペダル時のコントロールがより滑らかになった。
ハーフペダルとは、ダンパーペダルの踏み加減によって音の伸びや響きを細かく調整する奏法のことである。ペダルを深く踏み込むだけでなく、わずかに戻すことで響きを抑えたり、音の輪郭を保ったりすることができる。ピアノの演奏において、音の余韻やフレージングを緻密にコントロールするために重要な要素である。
この機構の採用により、GXシリーズでは、繊細な音色の変化、響きの濃淡、豊かなフレージングをより自在に表現できるようになった。日々の練習やレッスンの場においても、フルコンサートピアノに通じるペダル表現を体感できることは、演奏者にとって大きな価値となる。

弦設計を見直し、全音域で響きを改善
もうひとつの進化が弦設計の見直しである。
今回のGXシリーズでは、「Shigeru Kawai」の弦スケール設計や巻線仕様を採用した。これにより、全音域にわたって音色の輝きを高め、より豊かな響きを生み出すことを目指した。
ピアノの音は、鍵盤やハンマーだけではなく、弦の設計、響板、ボディの剛性、そしてそれらの相互作用によって、音の立ち上がり、余韻、倍音、音域ごとのバランスが形づくられる。

GXシリーズが目指すのは、演奏者の意図が細やかに反映される音の表情である。低音域には芯のある力強さを、中高音域にはまろやかさと深みを。KAWAIが「カワイトーン」と表現する音色の方向性は、今回のグレードアップによってさらに磨きがかけられている。
鍵盤アクションが支える「指先の表現力」
GXシリーズには、KAWAIのフラッグシップモデル「Shigeru Kawai」にも搭載される鍵盤アクション「ウルトラ・レスポンシブ・アクションⅡ」が採用されている。
同機構では、カーボンファイバー入りABS樹脂によるアクション部品を用いることで、軽量性、剛性、耐久性を両立。さらに長い鍵盤長によって、優れた連打性、繊細な弱打コントロール、フォルティシモでの豊かな音量を実現する。
ピアノにおいて、タッチは表現の入口である。指先のわずかな動きに楽器がどう応え、弱音をどこまでコントロールできるか。こうした要素は、演奏者の成長や表現意欲に直結する。
ダブルキャスターがもたらす気品ある佇まい
今回のグレードアップでは、外観にも変更が加えられた。これまでGX-7、GX-6に搭載されていたダブルキャスターをGX-5、GX-3、GX-2にも採用し、「Shigeru Kawai」に通じる気品あるフォルムをまとった。
グランドピアノは、住宅の中では極めて大きな存在感を持つ。だからこそ、音だけでなく、見た目の印象も重要である。脚元の造形、キャスターの仕上げ、ボディの艶、黒塗艶出し塗装の反射など、細部が、空間全体の質感に影響する。

特にラグジュアリーな住空間やサロン的なリビングでは、ピアノは家具や照明、アートと並び、空間を構成する重要な要素となる。今回のダブルキャスター採用は、GXシリーズをより上質なインテリアに調和する存在へと近づけるものといえる。
クラフトマンシップと科学的な設計
KAWAIは1927年、河合小市が浜松の地でピアノづくりを始めたことに端を発する日本の楽器メーカーである。以来、同社はピアノ製造を軸に、電子楽器、音楽教育、音響関連事業などへと領域を広げてきた。
GXシリーズの背景にあるのは、そうした長年のクラフトマンシップと、現代的な技術開発の積み重ねだ。素材を選び、木を知り、響板やハンマーをつくり込み、演奏者の感性に応える楽器へと仕上げていく。手仕事と科学的な設計の双方が求められるのだ。
ピアノは、住まいの環境、湿度、温度、調律、演奏者の弾き方によって、年月とともに音が育っていく楽器でもある。だからこそ、グランドピアノを住まいに迎え入れることは、長い時間をかけて音と暮らすこととイコールだといえるだろう。
音楽が暮らしの中心にある住まいへ
今回グレードアップされたGXシリーズは、プロフェッショナル・グランドピアノとしての基本性能を磨きながら、住空間における存在感も高めたモデルといえる。
音楽を日常に取り入れることは、暮らしの中にひとつの豊かさを加えることだ。演奏する人にとっては、日々の練習や表現の場となり、聴く人にとっては、家の中で生の音に触れる時間となる。ピアノがある住まいには、音楽を中心に人が集い、会話が生まれ、記憶が積み重なっていく。
GXシリーズの進化は、住まいに本格的な音楽体験を取り入れたい人にとって、グランドピアノという選択肢の価値を改めて感じさせるニュースである。
製品概要
- 製品名:KAWAIプロフェッショナル・グランドピアノ GXシリーズ
- 発売日:2026年7月3日(金)
- ラインナップ/価格:
- GX-7:4,620,000円(税込)
- GX-6:3,905,000円(税込)
- GX-5:3,520,000円(税込)
- GX-3:2,970,000円(税込)
- GX-2:2,530,000円(税込)
- ※GX-1は2027年1月発売予定
-
-
取材
LWL online 編集部