Cassina(カッシーナ)2026年アウトドアコレクション新作。「NOVETRENTA」「TOREI」を青山本店で展示
取材/LWL online編集部
Cassina(カッシーナ)の2026年アウトドアコレクション新作が、10月22日よりカッシーナ・イクスシー青山本店で披露される。ヴィコ・マジストレッティの名作「NOVETRENTA」を現代の屋外空間に向けて再解釈した「NOVETRENTA OUTDOOR」と、ルカ・ニケットによる「TOREI OUTDOOR」が登場。名作のアーカイブと現代の素材・技術を結びつけながら、室内と屋外をシームレスにつなぐ、新たなアウトドアリビングを提案する。
Cassina 2026年アウトドアコレクション、10月22日から青山本店で展示
Cassina Outdoor Collectionの新作は、2026年10月22日からカッシーナ・イクスシー青山本店で展示される。「NOVETRENTA OUTDOOR」と「TOREI OUTDOOR」である。
ヴィコ・マジストレッティの名作「NOVETRENTA」をアウトドアへ
1960年代のストロー素材を現代のポリプロピレンコードで再解釈
「NOVETRENTA OUTDOOR」は今回のコレクションを象徴する存在である。
ヴィコ・マジストレッティがデザインしたNOVETRENTAは、カッシーナが1966年から1978年まで製造していたモデル。20世紀イタリアンデザインを代表するデザイナーとして知られるマジストレッティは、建築と家具を横断しながら、明快な構造と日常生活に根ざしたデザインを数多く生み出してきた。
自社のアーカイブからNOVETRENTAを蘇らせ、アウトドア家具として再解釈。アームチェアと2人掛けソファとして現代に蘇らせた。
シートには、用途や好みに応じて選べる2種類を用意。
ひとつはアームチェア専用仕様である。ポリプロピレンコードを丁寧に編み込んだタイプであり、独特のツイストパターンが特徴である。1960年代のオリジナルモデルで使われていたストロー素材へのオマージュとして生まれたものだ。
ニュートラルなサンドカラーで仕上げられた編み込みは、天然素材そのものを再現するのではなく、その表情や軽快さを残しながら、屋外での使用に適した耐久性や機能性を持つ現代の素材へと置き換えている。住宅のテラスや庭園、ホテルなど、さまざまな外部空間にも調和しやすい。

もうひとつは、アームチェアと2人掛けソファの双方に設定されるクッション仕様である。
身体をやさしく包み込む中材には、再生ポリエステル繊維の中綿と、再生ポリオールを含むポリウレタンフォームを採用した。その外側を防水性のポリエステルキャンバスで保護し、取り外し可能なファブリックカバーで仕上げている。
名作の「形」ではなく、宿る精神を受け継ぐ
さらに各パーツを分解できる構造とすることで、製品のライフサイクル終了時のリサイクルや部品の再利用にも配慮した。
半世紀以上前に生まれたデザインを、素材、耐候性、メンテナンス性、さらに製品寿命を終えた後までをも含めて、現在の家具に求められる条件に合わせて更新している。
「デザインアーカイブを現代に継承する」とは、単なる名作家具の復刻ではなく、その家具が持っていた造形や思想を読み解きながら、現在の暮らしや技術、環境への意識に合わせて再構築することでもある。NOVETRENTA OUTDOORはアーカイブ活用のひとつの在り方として見ることもできるだろう。
ルカ・ニケット「TOREI OUTDOOR」、インドアのローテーブルを屋外へ
一方、ルカ・ニケットがデザインした「TOREI OUTDOOR」は、「NOVETRENTA OUTDOOR」とは異なるアプローチで、室内と屋外を緩やかにつないでいく。
TOREIはもともとカッシーナのインドアコレクションとして展開されてきたローテーブルシリーズである。
このコレクションは、異なるサイズや高さ、フォルムのテーブルを組み合わせることで、その空間に合わせた自由な構成を作れる。そうした柔軟性を備えているため、住宅からコントラクトまで幅広く使われてきた。
新作「TOREI OUTDOOR」は、その思想を屋外家具へと拡張した。
コレクションは大きく2タイプで構成される。
ひとつは、質感のあるブラックまたはホワイトのステンレススチール製ベースに、釉薬仕上げの磁器製ストーンウェア天板を組み合わせたタイプである。高さの異なるテーブルと、円形、正方形、長方形の天板を組み合わせることで、テラスやラウンジに自由な構成をつくることができる。
もうひとつは、磁器製ストーンウェアで一体成形した彫刻的なタイプである。コンパクトで遊び心のあるボリュームを備えたパーツに造形的な存在感を持たせることで、サイドテーブルとしての機能だけではなく、屋外空間のアクセントにもなる。


カッシーナが提案する「外に置く家具」から「屋外を暮らす家具」へ
今回のCassina Outdoor Collectionからは、アウトドア家具そのものの役割が変わりつつあることにも気付かされる。
従来、屋外用家具では、雨や紫外線に対する耐候性や、汚れにくさ、メンテナンスの容易さといった機能性が中心とされてきた。もちろん、そうした機能性は欠かせない。
しかし、住空間においてテラスや庭、バルコニーの存在感が高まれば、そこで使用する家具にも、室内と同じようにデザインや座り心地、素材感、空間との調和が求められるようになってくる。リビングの先にはテラスがあり、その先に庭やランドスケープが広がる。そのため、室内と屋外を別々にデザインするのではなく、ひとつの連続した生活環境として考える視点が必要となってくる。
NOVETRENTAやTOREIをアウトドアへ展開するカッシーナの試みは、製品カテゴリーの拡張以上の重要な意味を持つと言えるだろう。
インテリアのデザインクオリティをそのまま外部空間へ持ち出し、屋内と屋外の境界を家具によって緩やかに接続する。庭やランドスケープといったアウトドア空間を、「眺める場所」から「過ごす場所」へ変えていくことにもつながる。
屋外に広がる「もうひとつのリビング」
LWL onlineが考えるラグジュアリーな住空間は、豪華な家具や高価な素材を揃えることだけにとどまらない。自然光や外気など、屋外環境を生活の中に取り込み、室内と外部を行き来しながら、自分にとって心地よい時間をつくることも、住まいの豊かさのひとつだ。
そのとき家具は、室内を装うためだけの存在ではなく、人と建築、そして自然との関係をつなぐ装置になるだろう。
半世紀以上前のマジストレッティのデザインを現代のアウトドア環境に適応させたNOVETRENTA OUTDOORと、室内で培われてきた自由で柔軟な構成を屋外へと拡張するTOREI OUTDOOR。
ふたつの新作は互いに異なるアプローチを取りながらも、ともに「屋外でどう暮らすか」という課題に向き合っているのだ。
屋外に広がる「もうひとつのリビング」。カッシーナの新作からは、そうした新しいライフスタイル提案が見えてくる。
Cassina Outdoor Collection 2026 新作展示概要
- 展示開始:2026年10月22日(木)
- 会場:カッシーナ・イクスシー青山本店
- 主な新作:NOVETRENTA OUTDOOR/TOREI OUTDOOR
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