ジョナサン・アドラー新作14種が登場。天然杢テーブルから英国調ソファまで
取材/LWL online編集部
ニューヨーク発のインテリアブランド「Jonathan Adler(ジョナサン・アドラー)」から、家具、照明、ラグ、インテリアアクセサリーなど新作14種が登場した。希少な天然杢(もく)「マッパバール」を用いた伸長式ダイニングテーブル、英国調ソファ、オプアートに着想を得たキャビネット、ロケット形のデキャンターまで。クラシックな造形を現代の暮らしに合わせて大胆に再解釈し、ラグジュアリーにウィットと高揚感を持ち込む、同ブランドならではのコレクションである。
陶芸から始まった「モダンアメリカングラマー」
トーヨーキッチンスタイルは2026年7月24日、ニューヨーク発のインテリアブランド「Jonathan Adler(ジョナサン・アドラー)」の新製品14種を発売した。
ラインナップは、ダイニングテーブルやソファ、チェアといった大型家具から、シャンデリア、ラグ、陶磁器製のインテリアアクセサリーまで多岐にわたる。
今回の新作に共通するのは、単に豪華な素材や装飾を用いるのではなく、伝統的な家具様式、美術史、ポップカルチャーを自由に組み合わせ、住空間に高揚感を生み出そうとする姿勢だ。
ジョナサン・アドラーが掲げる「モダンアメリカングラマー」が、素材、造形、色彩、クラフツマンシップ、そしてウィットという複数のレイヤーを通して表現されている。

ジョナサン・アドラーは、アメリカのデザイナーであり、陶芸家、作家でもある。
幼い頃から親しんだ陶芸を原点に、自身の名を冠したブランドを1993年に設立。ニューヨークのバーニーズが陶器のコレクションを取り扱ったことを契機に注目を集め、1998年にはソーホーに最初の店舗を開いた。現在は陶磁器にとどまらず、家具、照明、ラグ、テーブルウェア、ホテルや住宅のインテリアデザインまで領域を広げている。

Jonathan Adlerの公式サイトが掲げるのは、「Modern American Glamour」という世界観である。上質な素材やクラフツマンシップを重視しながらも、デザインを必要以上に深刻なものにはしない。クラシックとモダン、格式とユーモア、洗練と大胆さを共存させ、実際の暮らしを楽しむためのラグジュアリーを提案してきた。
その背景には、ミッドセンチュリーモダン、アールデコ、フランスや英国の伝統的な家具、オプアート、スペースエイジといった多様な時代や文化への関心がある。それらを忠実に再現するのではなく、現代の素材や寸法、鮮やかな色彩によって再編集することが、ジョナサン・アドラーのデザインを特徴づけている。
トーヨーキッチンスタイルが提案する「住むをエンターテインメント」
日本でジョナサン・アドラーを展開するトーヨーキッチンスタイルは、1934年に岐阜県関市で創業した企業である。
ステンレス製洋食器の製造を原点とし、そこで培った金属加工技術とクラフツマンシップを生かしながら、現在はシステムキッチン、家具、照明、タイル、洗面・バスなど、住宅空間を構成する幅広い製品を扱っている。
同社が掲げる理念は、「住むをエンターテインメント」である。キッチンを単なる調理設備として捉えるのではなく、人が集まり、会話し、食事を楽しむ生活の中心と位置づけ、キッチンから家具、照明までを含めた住空間全体を提案してきた。
ジョナサン・アドラーの日本での取り扱いを開始したのは2025年5月。モダンとクラシック、上質さと遊び心を共存させる同ブランドの世界観は、暮らすことそのものを楽しみに変えようとするトーヨーキッチンスタイルの思想とも親和性が高い。
LWL onlineでは、同社が南青山で展開する照明ショールーム「FLOS DESIGN SPACE AOYAMA」についても紹介している。
希少な天然杢を10人掛けのテーブルに
今回の新作を象徴するのが、「ボンドラウンド エクステンションダイニングテーブル」である。
天板と脚部には、ヨーロッパ産のポプラに極めてまれに生じる瘤から採れる天然杢「マッパバール」を採用した。渦を巻くような複雑な木目と、蜂蜜を思わせる温かな色調が特徴で、自然素材のため一台ごとに異なる表情を持つ。
幾何学的に構成された脚部にも同じマッパバールを使用し、天板には木目の美しさを保つサテンマット仕上げを施した。家具全体を希少材で覆いながら、過剰な装飾には頼らず、木そのものの表情を主役としている。
通常時は直径114cmの円形だが、台座が中央から分かれて開く伸長機構を備える。付属する2枚の延長天板を組み込むことで幅216cmの楕円形となり、最大10人まで着席できる。日常は家族のためのコンパクトなテーブルとして使い、ゲストを招く際には大人数を迎える場へと変化する。


同じマッパバールを用いた「ボンドエタジェール」も登場した。前面にはカプセル形、側面には円形の開口部を設け、アンティーク仕上げの真鍮を組み合わせている。

本やアート、小さなコレクションをしまい込むための収納というより、暮らしのなかで美しく「見せる」ためのラックといえる。自然が生んだ不規則な木目と、幾何学的な開口部との対比が、家具そのものに彫刻的な存在感を与えている。
英国調と曲線美。二つのソファが示す現代的再解釈
「グリニッジソファ」は、伝統的な英国調ソファを現代の住空間に合わせて再構築したモデルだ。
低く抑えたアームと、たっぷりと奥行きを持たせた座面、薄く仕立てたナイフエッジクッションが、ゆったりとしながらも軽快なシルエットをつくる。落ち着いたセージグリーンのベルベットに、真鍮製のボール形脚を組み合わせ、クラシックな佇まいにさりげない華やぎを添えた。

一方、「サーペンタイン アパートメントソファ」は、直線ではなく、連続する曲線によって空間を構成する。
チューブ状の背もたれが連なる彫刻的なフォルムと、アイボリーのブークレ素材を組み合わせたデザインは、ソファを壁際に置くための家具から、部屋の中央で眺めるオブジェへと変える。幅188cmと比較的取り入れやすいサイズに抑えられており、都市型住宅やマンションにも導入しやすい。

古代ギリシャ、宮廷家具、オプアートを横断する
チェアにも、歴史的な家具様式を現代へと引き寄せるジョナサン・アドラーの手法が表れている。
「ライダー ダイニングチェア」は、フランス宮廷家具の格式を現代的にアレンジした一脚だ。ガンメタルのフレームに深い紺色のベルベット、真鍮の装飾を組み合わせ、小ぶりなサイズのなかに華やぎを凝縮した。

「ライダー クリスモスラウンジチェア」は、古代ギリシャに起源を持つクリスモスチェアの形式を受け継ぎながら、筒状の背もたれと厚みのある座面を加え、現代のラウンジチェアとしての快適性を高めている。歴史的な輪郭を残しつつ、黒いフレーム、真鍮、青緑色のベルベットによって、都会的な表情へと更新した。

さらに、「オプアートキャビネット」は、1960年代に隆盛した美術運動、オプアートから着想を得た収納家具である。

チャコールとアイボリーで構成された幾何学模様のガラスパネルに、円形の真鍮製ハンドルと脚部を組み合わせた。収納としての機能を備えながら、正面から見れば、一枚のグラフィック作品のようでもある。
オプアートキャビネットもまた、日用品を収めながら、空間に視覚的なリズムと個性をもたらす「機能するアート」として捉えるべき一台だろう。
42灯のシャンデリアが食卓を舞台に変える
照明では、「ムーリス レクタングルシャンデリア」が加わった。

伝統的な竹の意匠を、直線的な真鍮のフレームによって現代的に再構築。42個の電球を水平に展開する構成で、幅96cmの本体がダイニングテーブルの上や玄関ホールに彫刻的なリズムをもたらす。
天井からの吊り下げ寸法は約64~140cmの範囲で調整でき、天井高や家具の配置に合わせて設置できる。
手仕事とグラフィックが、空間にもう一つの表情を生む
床面を彩る「サウサンプトンラグ」は、伝統的なバスケットウィーブ、すなわち籠編みの模様を、2色のグラフィックとして表現した。

糸の染色から織り上げまでをペルーの職人が手作業で行う受注生産品で、素材にはラマウール80%と羊毛20%を使用する。表裏で配色が異なるリバーシブル仕様のため、裏返すだけで空間の印象を変えられる。
天然杢の一点ごとに異なる表情、真鍮の経年変化、手織りのラグが持つ揺らぎ。今回のコレクションでは、均質な工業製品にはない素材の個性も、ラグジュアリーを構成する重要な要素となっている。
ウィットのある小物がラグジュアリーをほぐす
大型家具に加え、ジョナサン・アドラーらしさを端的に味わえるインテリアアクセサリーもそろう。
鮮やかなポピーオレンジに蛇のモチーフを描いた「エデンスクエアトレイ」、人に見せたくない品をしまうことを想定した「ヴァイス シークレットキャニスター」、宇宙開発競争の時代を思わせるロケット形のデキャンター、バーベルをモチーフにしたバーウェアセット。




いずれも磁器、金彩、真鍮、大理石といった上質な素材や仕上げを用いながら、使う人を思わず微笑ませるユーモアを備えている。
ジョナサン・アドラーが提唱する「ハッピー・シック」は、上質な素材や伝統的な美意識を尊重しながら、意外性やウィットを重ね、住む人の気分を高めるためのデザインである。
今回の新作は、空間の中心となるテーブルやソファから、棚やサイドボードの上に置く小さなオブジェまで、異なるスケールでその思想を体現している。
すべてを同じブランドでそろえる必要はない。一脚のチェア、一灯のシャンデリア、一枚のトレイを取り入れるだけでも、端正なインテリアに鮮やかなアクセントを加えられるだろう。
住まいは、そこに暮らす人の感性や記憶、そしてユーモアまで映し出す舞台である。ジョナサン・アドラーの新作14種は、上質な住空間に必要な「楽しさ」を、改めて思い出させてくれる。
各製品の詳細は、トーヨーキッチンスタイルの「Jonathan Adler公式オンラインショップ」で確認できる。
新製品ラインナップ
- 「ボンドラウンド エクステンションダイニングテーブル」1,256,200円
- 「ボンドエタジェール」975,700円
- 「グリニッジソファ」1,129,700円
- 「サーペンタイン アパートメントソファ」962,500円
- 「ライダー ダイニングチェア」255,200円
- 「ライダー クリスモスラウンジチェア」383,900円
- 「オプアートキャビネット」821,700円
- 「サウサンプトンラグ」1,109,900円
- 「ムーリス レクタングルシャンデリア」530,200円
- 「エデンスクエアトレイ」15,400円
- 「ヴァイス シークレットキャニスター」36,300円
- 「ロケット デキャンタージン」51,700円
- 「ロケット デキャンターアブサン」59,400円
- 「バーベルバーウェアセット」52,800円
- ※価格はすべて税込
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