ヴェルサーチェ・ホームの最新家具が日本上陸。古典建築の意匠を現代の住空間へ
取材/LWL online編集部
ヴェルサーチェ・ホームの最新家具が日本に上陸する。アカンサスの葉や古代建築の円柱、グレカ模様、メドゥーサなど、メゾンを象徴する意匠を現代的に再構築。「アキャンソ」シェーズロングや「パレス」ソファをはじめとする家具と照明が、2026年7月24日からユーロ・カーサ東京・日本橋および大阪・心斎橋で展示・販売される。
メゾンの世界観を暮らしへ広げる「ヴェルサーチェ・ホーム」
ヴェルサーチェは、ジャンニ・ヴェルサーチェが1978年に創設したイタリアのラグジュアリーメゾンである。ファッションを中心に、インテリア、フレグランス、ホスピタリティなどへ領域を広げ、古典主義と革新性、力強さと官能性を併せ持つ独自の表現を築いてきた。
その美学を住空間へ展開するコレクションが、1992年にジャンニ・ヴェルサーチェによって始められたヴェルサーチェ・ホームだ。
現在は、ヴェルサーチェとイタリアの高級家具を手がけるラグジュアリー・リビング・グループとの協業によって展開されており、家具、照明、ラグ、テキスタイル、装飾品、アウトドア家具など、室内外の空間を構成する幅広いアイテムを揃えている。
ヴェルサーチェ・ホームの特徴は、ファッションブランドの意匠を家具へ応用することだけにあるのではない。
メドゥーサ、バロッコ、グレカといったメゾン固有のデザインコードに、古典芸術や神話、イタリアのクラフツマンシップを重ね、家具単体ではなく、空間全体でヴェルサーチェの世界を体験できるように構成している。彫刻的なボリューム、選び抜かれた素材、アイコニックなディテールを通じて、家具に建築的な存在感を与える点も特徴だ。
衣服が身体を包み、その人の個性や美意識を表現するものであるなら、インテリアは暮らしそのものを包み、住まい手の価値観を映し出す。
ヴェルサーチェ・ホームは、ファッションから派生した家具ブランドというよりも、メゾンの美学を暮らしのスケールへと拡張するコレクションと捉えるべきだろう。
古典的な装飾を現代の家具へ再構築
今回日本に導入されるコレクションでは、ヴェルサーチェ・ホームが30年以上にわたり培ってきたクリエイションを背景に、古典建築への敬意と現代的な感性を融合している。
古典的なモチーフを過去の様式として再現するのではなく、現代の住空間に置かれる家具の形態、素材、寸法へと翻訳する。そうした姿勢が、今回の各製品にも明確に表れている。
アカンサスの葉を立体化した「アキャンソ」
最新コレクションを象徴するアイテムのひとつが、「Acantho(アキャンソ)」シェーズロングである。
モチーフとなったアカンサスは、古代ギリシャ以来、建築や室内装飾に用いられてきた植物文様である。ヴェルサーチェを象徴するバロッコ柄のなかにも、渦を描くアカンサスの葉が繰り返し登場する。アキャンソでは、その葉の広がりを背もたれからアームへ連続する渦巻き状のフォルムとして表現した。装飾を張り地にプリントするのではなく、家具そのものの輪郭へと置き換えた。

身体を受け止めるシェーズロングであると同時に、室内に置かれる彫刻作品のような存在感を備える。
シェーズロングのサイズはW95×D179×H69cm。このほか、1人掛けモデルも用意される。
曲線と直線が共存する「パレス」ソファ
「Palace(パレス)」ソファは、豊かなボリュームと流れるような曲線を組み合わせた、ヴェルサーチェ・ホームらしいソファである。
全体は低く安定感のある構成ながら、背もたれからアームへと続く輪郭には柔らかな曲線が与えられている。直線と曲線、大胆さと優雅さという相反する要素が、ひとつのフォルムのなかで均衡している。
肘掛けには、ヴェルサーチェを象徴する立体的なメドゥーサの装飾を配置。メタル部分はポリッシュドゴールド、クローム、ブロンズの3色から選択でき、ソファのベース部分と組み合わせてコーディネートできる。

サイズは3人掛けのW260cmと、分割式の4人掛けとなるW312cmを展開。張り地にはファブリックまたはレザーを選べる。バロッコ柄のシュニール生地を採用したW260×D105×H69cmモデルの価格は、税込389万8,400円となる。
強い装飾性を備えながらも、ソファの基本的なシルエットは比較的端正にまとめられている。

寝室全体を仕立てる「ラ・グレカ」ベッド
「La Greca(ラ・グレカ)」ベッドでは、ヴェルサーチェを代表する幾何学模様「グレカ」が、寝室を構成する意匠として用いられている。
ヘッドボードには、ポリッシュゴールドまたはポリッシュクローム仕上げのグレカロゴを配置。木製フレームにポリウレタンフォームとファイバーフィルを組み合わせ、厚みのある立体的なフォルムに仕上げている。

張り地はファブリックまたはレザーから選択でき、ヘッドボードやサイドパネルにグレカ柄のキルティングを施すことも可能だ。
特徴的なのは、装飾がヘッドボードだけで完結せず、ベッドの側面を包むサイドパネルまで連続していることだ。ベッドを単なる寝具ではなく、寝室全体の空間構成を決定する建築的な要素として扱っている。
壁面の仕上げ、カーテン、ラグ、照明まで含めてコーディネートすることで、より没入感のあるベッドルームをつくることができるだろう。
古代建築の円柱を思わせる「アクロポリス」
「Acropolis(アクロポリス)」テーブルは、古典建築の円柱に見られるフルーティング、すなわち縦方向の溝をベース部分へ採り入れたサイドテーブルである。

艶やかな光沢仕上げの円筒形ベースに、立体的なメタル製メドゥーサを配置。古代建築を思わせる秩序ある造形と、ファッションメゾンらしいアイコニックな装飾を、ひとつの家具に凝縮している。
天板は、奥行きのある光沢を持つバックラッカーガラス、または天然大理石から選択できる。ソファ脇のサイドテーブルとしてだけでなく、アートやオブジェを載せる台座として用いるなど、室内に視線の焦点をつくる家具としても機能しそうだ。
サイズは直径62×H53cm、価格は210万3,200円となる。
グレカ模様を光で描くシャンデリア
家具とともに展開される「La Greca Crystal(ラ・グレカ・クリスタル)」シャンデリアは、ヴェルサーチェを象徴するグレカ模様を、光のエレメントによって立体的に描き出した照明である。

複数のクリスタルと光源を幾何学的に配置し、消灯時には彫刻作品として、点灯時には光のオブジェとして空間を彩る。
日本の住宅にも導入しやすい高さを抑えたH46cmとH56cmのモデルに加え、吹き抜けや階段ホールなどの大空間に対応するH156cmモデルをラインナップする。
シャンデリアは、器具単体の意匠だけでなく、天井高、家具との距離、視線の高さによって見え方が大きく変わる。導入にあたっては、完成後の室内に加える装飾品としてではなく、建築やインテリアの設計段階から位置や高さを検討したい。
強い個性を空間全体の調和へ導く
ヴェルサーチェ・ホームの家具は、いずれも強い個性と存在感を備えている。
しかし、ラグジュアリーな住空間とは、アイコニックな家具を無造作に並べることによって生まれるものではない。家具の寸法や配置だけでなく、床、壁、照明、カーテン、ラグ、アートなどの素材と色彩を統合し、ひとつの世界観として整えることが重要になる。
ヴェルサーチェ・ホームの正規認定代理店であるユーロ・カーサでは、イタリアのヴェルサーチェ・ホームのデザイン部門と連携し、住まいの間取りやライフスタイルに合わせて、家具のサイズ、素材、カラー、張り地、レイアウトなどを提案するという。
家具単体を販売するだけでなく、空間全体を構成するためのコンサルティングを行うことが、ヴェルサーチェ・ホームのように完成された世界観を持つブランドにとって、とりわけ重要だ。
最新コレクションは、2026年7月24日から東京・日本橋と大阪・心斎橋のユーロ・カーサで展示・販売される。写真だけでは捉えにくい家具のボリュームや張り地の質感、メタル装飾の仕上げ、光の反射を実際の空間で確認できる。
ラグジュアリーな住空間に求められるのは、単に高価な家具や華やかな装飾を集めることではなく、住まい手の美意識を反映し、建築、家具、照明、アートを一貫した思想のもとで結び付けることだ。
古典建築や神話に由来する意匠を、現代の家具と住空間へ大胆に翻訳するヴェルサーチェ・ホーム。その最新コレクションは、家具が日常生活の道具であると同時に、空間そのものを表現する存在になり得ることを示している。
ショールーム情報
EURO CASA Tokyo ユーロ・カーサ東京・日本橋
- 所在地:東京都中央区日本橋茅場町1-2-18 1F
- 営業時間:11:00~18:00
- ※木曜日は予約制
- 定休日:水曜日
EURO CASA Osaka ユーロ・カーサ大阪・心斎橋
- 所在地:大阪府大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館ビル1F
- 営業時間:11:00~19:00
- 定休日:水曜日
- ※最新コレクションの展示・販売は2026年7月24日開始予定。展示状況や取り扱い製品については、来店前に各ショールームへの確認を推奨する。
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LWL online 編集部