Astier de Villatte×ソフィー・ドラポルト、表参道で写真展。ブランドの世界観を写真で読み解く
取材/LWL online編集部
フランス発のライフスタイルブランド「Astier de Villatte(アスティエ・ド・ヴィラット)」が、東京・表参道のフラッグシップストア内「Galerie Astier de Villatte」で、フランスのビジュアル・アーティスト/写真家、Sophie Delaporte(ソフィー・ドラポルト)の写真展を開催する。会期は2026年8月22日から10月12日まで。Astier de Villatteとの長年にわたるコラボレーションから生まれた作品を通して、陶器や香り、照明、出版へと広がるブランド独自の世界観を写真から読み解く。
Astier de Villatteを形づくってきた「写真」の世界
Astier de Villatteは、ブノワ・アスティエ・ド・ヴィラットとイヴァン・ペリコリが1996年、アスティエ・ド・ヴィラット家の兄弟姉妹やエコール・デ・ボザールの友人たちとともに設立したライフスタイルブランドである。

Astier de Villatteというと、まず思い浮かべるのは、手仕事の痕跡を残した白い陶器かもしれない。しかし同ブランドが作り出してきた世界は、陶器だけにとどまらず、インセンスやキャンドル、オーデコロン、照明器具、書籍、活版印刷など、その活動はさまざまな領域へと広がっている。1996年の設立以来、装飾美術や大衆美術、古いオブジェなどからインスピレーションを得ながら、複数の創作領域を重ね合わせることで、他にはないブランドの世界観を構築してきたのだが、そこでは写真もまた重要な役割を果たした。

今回の個展で紹介されるのは、過去にAstier de Villatteのイメージビジュアルとして撮影された作品の数々。被写体として登場するのは、ブランドを率いるデザイナーの二人をはじめ、Astier de Villatteで働く人々や、ブランドと親交の深いアーティストたちだ。
一般的なプロダクト広告のように、商品の魅力を直接的に伝える写真とは少し趣が異なる。
そこに広がるのは、鮮やかな色彩や意外性のある構図、そしてどこか現実からずれたようなシュールな光景だ。人と物、色と形が独特の関係性をつくり、Astier de Villatteというブランドそのものを、ひとつの物語のように見せていく。
写真はプロダクトを「説明する」ためではなく、ブランドの背景に存在する空気や想像力まで伝えるための装置になっている。
写真家ソフィー・ドラポルトとは? ファッション写真と現代アートを往還
ソフィー・ドラポルトは、写真を軸に映像、インスタレーション、アニメーションなど幅広いメディアを用いて作品を発表してきたフランスのビジュアル・アーティスト。
HermèsやBalenciaga、Courrèges、Astier de Villatteなどのブランドと仕事を行う一方で、Vogue Italia、Vogue Japan、i-D、Another Magazineなど数多くのファッションメディアでも作品を発表する。
その活動はファッションや広告の領域だけには収まらない。2015年に発表した「True Color」では、大気汚染や食品産業における合成着色料などをテーマに作品を制作。さらに2019年には、ファッション産業が環境に及ぼす影響を扱った作品によって「Eye on Talents Photography and Sustainability」のグランプリを受賞した。「Troubled Waters」「Fragile Landscapes」といったシリーズでは、鮮烈な人工色と自然の風景を対置することで、産業と環境との関係を視覚化している。
ラグジュアリーブランドのイメージを生み出す商業写真と、社会や環境について問いかける現代美術という二つの領域を行き来してきた写真家なのである。
その意味で今回の個展は、単にブランドのアーカイブ展示として見るだけでは少しもったいない。

Photo: Sophie Delaporte
Astier de Villatteがつくる「モノ」の先にあるブランドの世界観
ラグジュアリーを考えるとき、私たちはつい製品そのものに注目する。
陶器であれば造形や釉薬、家具であれば素材や仕上げ、照明であれば光の質といった具合だ。だが、強いブランドが生み出しているのは「モノ」だけではない。店舗、パッケージ、香り、写真、グラフィック、言葉、そしてそこに関わる人々まで含めた、一貫した世界観がそこにはある。

Astier de Villatteは、陶器から、インセンス、キャンドル、照明、出版、活版印刷まで、その創作活動はジャンルによって切り分けられるのではなく、すべてがひとつの世界観のなかで緩やかにつながっている。そこにソフィー・ドラポルトの写真が加わることで、Astier de Villatteの世界はさらに物語性を帯びていく。
今回の展示会場となるのは、2025年12月に東京・表参道にオープンしたAstier de Villatteのフラッグシップストアだ。約300平方メートルの店内には陶器をはじめ、インセンスやキャンドル、照明器具などブランドの幅広いコレクションが揃い、その階上にギャラリースペース「Galerie Astier de Villatte」が設けられている。

プロダクトを見るためのショップと、アーティストの表現を見るためのギャラリーがひとつの場所に共存する。
プロダクトを「買う」だけではなく、ブランドの世界観を「見て」「感じて」「読み解く」ための場所でもある。ソフィー・ドラポルトの写真を通じて、Astier de Villatteというブランドが長年育んできた独特の美意識に触れる機会となることだろう。
ソフィー・ドラポルト写真展 ― 表参道で8月22日から開催
「Sophie Delaporte展」開催概要
- 会期:2026年8月22日(土)~10月12日(月)
- 時間:11:00~19:00
- 会場:Galerie Astier de Villatte
- 住所:東京都渋谷区神宮前5-2-11 Astier de Villatte フラッグシップストア内
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LWL online 編集部