YAMAGIWA、3daysofdesign 2026で新作「O-LIGHT」と「TALIESIN® WHITE」を発表
取材/LWL online編集部
日本の照明文化を牽引してきたYAMAGIWAが、デンマーク・コペンハーゲンで開催された国際デザインイベント「3daysofdesign 2026」に初出展した。会場では、日本の伝統的な木工技術「曲げわっぱ」に着想を得た新作「O-LIGHT」と、フランク・ロイド・ライトの名作照明シリーズに新たな表情を与える「TALIESIN® WHITE」を発表。光を、単なる明るさではなく、空間の情緒や建築との関係性をつくる要素として捉えてきたYAMAGIWAの姿勢を、国際的なデザインシーンへと示した。
コペンハーゲンの歴史的建築で日本の光を提示
株式会社YAMAGIWAは、2026年6月10日から12日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された「3daysofdesign 2026」に初出展し、新作照明「O-LIGHT」および「TALIESIN® WHITE」を発表した。
YAMAGIWAが参加したのは、3daysofdesignの展示プログラムのひとつである「FRAMING」。会場は、コペンハーゲン中心部・Kongens Nytorv地区に位置する歴史的建築、Odd Fellow Palace。
国内外のデザインブランドが集まる合同展示のなかで、YAMAGIWAは自社のオリジナル照明と、建築家フランク・ロイド・ライトに由来する照明コレクションを紹介した。
FRAMING全体では約22,000名が来場。世界各国のデザイン関係者、建築・インテリア業界関係者が訪れるなか、YAMAGIWAのブースにも高い関心が寄せられたという。

Photo by Giuseppe De Francesco
曲げわっぱに着想を得た新作「O-LIGHT」
今回発表された新作「O-LIGHT」は、デザイナー・武内経至氏とのコラボレーションによって生まれた照明コレクションである。

Photo by Giuseppe De Francesco
着想源となったのは、日本の伝統的な木工技術である「曲げわっぱ」だ。薄く加工した木材を曲げ、円環状に成形する技術は、素材のしなやかさと職人の手仕事によって成り立つ。O-LIGHTでは、その構造的な美しさを照明へと展開。国産杉の素材感を活かしながら、日本の生産地にいる伝統工芸士との協働によって制作された。
光そのものを強く主張させるのではなく、木の質感や輪郭、時間の移ろいとともに立ち上がる陰影を大切にした照明器具であり、光を照度や明るさだけで捉えるのではなく、空間に静かな佇まいを与える存在として構成している。
O-LIGHTは「照明器具」というよりも、建築やインテリアのなかに置かれる光の工芸品と呼ぶべき存在である。素材、手仕事、陰影、時間。そのすべてが重なり合うことで、住空間に落ち着きと奥行きをもたらす。
フランク・ロイド・ライトの名作に新たな表情を与える「TALIESIN® WHITE」
もうひとつの新作が、「TALIESIN® WHITE」である。
TALIESIN®シリーズは、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトによる照明デザインをもとにしたコレクションだ。ライトは「有機的建築」の思想で知られ、建築と自然、素材と構造、家具と照明を一体のものとして捉えた建築家である。照明もまた、空間を後から照らす付属物ではなく、建築の一部として構想されていた。
TALIESIN®シリーズの特徴は、幾何学的な木製ブロックを積層させたような構成にある。光源を直接見せるのではなく、木部に反射させ、間接光として空間に広げる。その造形は彫刻的でありながら、光のあり方はきわめて穏やかだ。
今回発表されたTALIESIN® WHITEは、その象徴的な構成はそのままに、ホワイト仕上げを採用した新たなカラーバリエーションである。従来の木質感の強い表情とは異なり、白の仕上げによって、現代のインテリアやミニマルな空間にもより自然に調和する印象を加えている。
名作照明を単に保存するのではなく、現代の住空間にどう接続するか。その問いに対するひとつの回答が、TALIESIN® WHITEだといえる。

Photo by Giuseppe De Francesco
1923年創業のYAMAGIWAが担ってきた、光の文化
YAMAGIWAは1923年の創業以来、日本の照明文化を牽引してきた。オリジナル照明の開発に加え、世界の照明・家具ブランドの輸入・販売、さらには住宅、ホテル、商業空間などにおける照明計画も手がけてきた。
同社が掲げるタグラインは「The Art of Lighting」。その言葉が示すように、YAMAGIWAにとって照明とは、単なる工業製品ではなく、建築、家具、素材、アート、そして人の感覚を結びつける、空間の本質的な要素である。

Photo by Giuseppe De Francesco
今回の3daysofdesign初出展は、その姿勢を国際的なデザインシーンに向けて発信する機会となった。とりわけO-LIGHTは、日本の木工技術と現代的な照明デザインを結びつける試みであり、TALIESIN® WHITEは20世紀建築の思想を現代のインテリアへと再解釈する提案である。
光によって暮らしの情緒をつくる。その思想は、建築、インテリア、アート、ウェルネスが重なり合うこれからのラグジュアリー空間において、照明を「設備」から「空間価値」へと引き上げる視点として、ますます重要な意味を持つだろう。
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LWL online 編集部