オドー・コペンハーゲン、3daysofdesign 2026で新作発表。テーマは「Quiet Grandeur」

 取材/LWL online編集部

デンマークのライフスタイルブランド、Audo Copenhagen(オドー・コペンハーゲン)は、コペンハーゲンで開催されたデザインフェスティバル「3daysofdesign 2026」に合わせ、ブランドのフラグシップであるAudo Houseにて展示「Quiet Grandeur(静かなる荘厳)」を発表した。

会場では、チェア、テーブル、照明を含む5つの新作コレクションを披露。北欧クラシシズムを現代の住空間へと再解釈しながら、穏やかで持続性のある豊かさを提案した。新作コレクションは、2026年7月1日より国内販売を開始する。

「Quiet Grandeur」が示す現代のラグジュアリー

今回の展示テーマである「Quiet Grandeur」は、直訳すれば「静かなる荘厳」である。過度な装飾や強い主張によって空間を印象づけるのではなく、素材、フォルム、光、余白の重なりによって、静かに品格を立ち上げるという考え方である。

会場となったAudo Houseでは、柔らかなシルエット、彫刻的な曲線、自然素材による編み込み、アースカラーを基調としたマテリアルが空間全体に採り入れられた。見た瞬間の派手さではなく、長く過ごすほどに身体になじみ、暮らしの質を高めていくようなインテリアのあり方である。

ラグジュアリーを「所有するもの」ではなく、「日々の時間をどう整えるか」として捉えるのであれば、Audo Copenhagenの提案は、LWL onlineが注目してきたウェルネスな住空間の考え方とも深く響き合う。

Quiet GrandeurをテーマにしたAudo Copenhagenのラウンジ空間
深いアースカラーと柔らかな光が重なり、静かな存在感を放つラウンジ空間。誇示ではなく、落ち着きによって品格を表現する

Audo Houseを舞台に、家具と建築、アートが呼応する

Audo Copenhagenの拠点であるAudo Houseは、コペンハーゲン・ノアハウンの歴史的建物を改装した複合的な空間だ。ショールーム、ブティック、コンセプトストア、レストラン、ブティックホテルを備え、単なる展示施設ではなく、ブランドの世界観を実際の暮らしのスケールで体験できる「Living Showroom」として機能している。

今回の展示では、Norm Architects、Danielle Siggerud、Atelier Axo、Krøyer-Sætter-Lassenなど、国際的に活躍するデザイナー陣との協働による新作を発表。歴史的な建築空間と新作家具が静かに呼応し、北欧デザインが持つ簡潔さ、温かみ、機能美を現代的に引き出した。

Audo Houseで展開されたQuiet Grandeurの展示ディテール
木の質感、アートピース、照明、バー空間が呼応するAudo Houseの展示風景。家具を単体ではなく、暮らしの体験として見せる構成が印象的だ

また、ドイツ出身のアーティスト、Mika Liebeによる大型のペインテッドスクリーンも展示され、家具とアートがひとつの空間のなかで溶け合う構成となった。家具を単体のプロダクトとして見せるのではなく、光やアート、建築とともに「場」をつくりあげた。

Audo Houseに設けられたカクテル&ヴァイナルバーの空間
会期中には、コペンハーゲンのバー「bird」とのコラボレーションによるカクテル&ヴァイナルバーも展開された

2026年の新作5コレクション

Mauro Dining ChairとPuffin Dining Tableを配したAudo Copenhagenのダイニング空間
2026年新作コレクションでは、チェア、テーブル、照明などを通して、北欧デザインの機能美と温かみを現代の住空間へと接続する

イタリアの社交性をデンマークデザインで再解釈した「Mauro Dining Chair」

Krøyer-Sætter-Lassenがデザインを手がけた「Mauro Dining Chair(マウロ ダイニングチェア)」は、ミラノのトラットリア「Trattoria Bolognese da Mauro」から着想を得たダイニングチェアだ。

イタリアの食卓にある社交的で親密な空気感を、デンマークデザインの端正な造形と実用性を通して再解釈している。素材には無垢のオーク材を使用し、シートはオーク突板または手編みのペーパーコードから選択が可能となっている。均整のとれたフォルムに加え、スタッキング可能な構造を備える点も現代のダイニング空間に適している。

価格は、Veneer Seatが79,200円、Papercord Seatが100,100円。

オーク材とペーパーコードを組み合わせたMauro Dining Chair

カントリーキッチンとシェーカースタイルをつなぐ「Puffin Dining Table」

Atelier Axoによる「Puffin Dining Table(パフィン ダイニングテーブル)」は、2023年にコペンハーゲンのレストラン「Bobe」のために制作されたことを起点とするダイニングテーブル。伝統的なカントリーキッチンのテーブルに着想を得ながら、シェーカースタイルに見られる簡潔さと機能美を融合させた。

素材はオーク無垢材または突板から選択でき、ラウンドとレクタンギュラーの2タイプを展開。安定感のある佇まいと、空間に重さを与えすぎない軽やかさを両立している。

価格は、Solid仕様が200×95cmで1,039,500円、φ140cmで878,900円、φ120cmで729,300円。Veneer仕様は200×95cmで809,600円、φ140cmで540,100円、φ120cmで459,800円。

オーク材とペーパーコードを組み合わせたMauro Dining Chair

空気を照らすポータブルランプ「Admiral Portable Lamp」

Pernille Arlien-Søborgがデザインした「Admiral Portable Lamp(アドミラル ポータブルランプ)」は、光そのものを強く主張するのではなく、その場の空気をやわらかく整えるための照明だ。コペンハーゲンのAdmiral Hotelのために考案された。

クローム仕上げのベースに、リネンシェードを組み合わせ、2700Kの温かなLED光をやさしく拡散する。充電式バッテリーに対応するため、ダイニング、ベッドサイド、テラスなど、暮らしのさまざまな場面へ持ち運ぶことができる。各パーツは分解可能で、サステナブルな構造にも配慮されている。

価格は45,100円。

リネンシェードとクロームベースを組み合わせたAdmiral Portable Lamp
「Admiral Portable Lamp」は、2700Kの温かなLED光をリネンシェードでやわらかく拡散する充電式ポータブルランプ

Eaveのデザイン言語を一脚に凝縮した「Eave Seamline Lounge Chair」

Norm Architectsによる「Eave Seamline Lounge Chair(イーヴ シームライン ラウンジチェア)」は、Audo CopenhagenのEaveソファコレクションを象徴する張り込みのデザイン言語を、一脚のラウンジチェアとして再解釈したもの。

緩やかに内側へ折り込まれたアームレストが身体を包み込み、リラックスした座り心地を生み出す。張地に施されたシームディテールは、柔らかなフォルムのなかに繊細な構造美を与え、静かな存在感を放つ。

価格は、回転ベースなしが377,300円、回転ベースありが391,600円(張地:PC0Tの場合)。

丸みを帯びたアームレストが特徴のEave Seamline Lounge Chair
Norm Architectsによる「Eave Seamline Lounge Chair」。身体を包み込むようなフォルムとシームディテールが、静かな構造美を際立たせる

日本建築の曲線に着想を得た「Conrad Lounge Table」

Laura Langeがデザインした「Conrad Lounge Table(コンラッド ラウンジテーブル)」は、構造的なフォルムと有機的な柔らかさを併せ持つラウンジテーブル。着想源となったのは、日本建築、とりわけ寺院の屋根に見られる緩やかな曲線だという。

無垢材の立ち上がりエッジは、トレイのように機能し、置いたものが滑り落ちにくい構造を実現している。露出させたビスのディテールも特徴で、プロダクト名「Conrad」の由来にもなっている。

価格は240,900円。

無垢材の立ち上がりエッジを備えたConrad Lounge Table
日本建築の緩やかな曲線から着想を得た「Conrad Lounge Table」。立ち上がりのあるエッジが、トレイのように機能する

The Tired Manの90周年を祝う特別展示も

3daysofdesign 2026の会期中には、特別プログラムとして、Flemming Lassenの名作ラウンジチェア「The Tired Man(ザ・タイアード・マン)」の誕生90周年を祝う記念展示も実施された。

さらに、Lassen兄弟のレガシーを辿るシネマルームでの映像体験、コペンハーゲンの人気バー「bird」とのコラボレーションによるカクテル&ヴァイナルバー、中庭でのDanielle Siggerudによる新作アウトドアコレクションの先行公開など、多彩なプログラムを展開。Audo House全体が、家具、建築、音楽、アート、食の体験を横断する場となった。

The Tired Manの90周年を祝うAudo Copenhagenの展示空間
Flemming Lassenの名作「The Tired Man」誕生90周年を祝う記念展示。歴史的建築のなかで、ブランドのレガシーを体感できる構成となった

静けさのなかに宿る北欧モダニズムの思想

Audo Copenhagenは、1979年創業のMENUと、1930年代後半にMogens & Flemming Lassen兄弟が築いたby Lassenのレガシーを継承しながら、2022年に誕生したデンマークのライフスタイルブランドだ。家具、照明、アクセサリーまで領域を横断し、北欧モダニズムが大切にしてきた人間中心の思想を、現代の暮らしへと接続している。

2022年9月からは、FLOS B&B Italia Groupの一員となり、FLOS、B&B Italia、Louis Poulsen、Maxalto、Arclineaなどとともに、ヨーロッパの文化的背景に根ざしたデザインを世界へ発信している。

今回の「Quiet Grandeur」は、Audo Copenhagenが大切にしてきた静謐な美意識を、いまの時代の言葉で語り直す試みといえるだろう。自然素材、穏やかな光、身体に寄り添うフォルム、そして空間に流れる落ち着いた時間。そこにあるのは、誇示するためのラグジュアリーではなく、日々の暮らしを静かに豊かにするためのデザインである。

開催概要

AUDO 3DAYSOFDESIGN 2026

  • 会期:2026年6月10日(水)〜12日(金)
  • 会場:Audo House
  • 所在地:Århusgade 130, 2150 Nordhavn, Copenhagen
  • ※新作コレクションは2026年7月1日より国内販売開始。価格はいずれも税込。

公式サイト

  • 取材

    LWL online 編集部

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