オーストラリア現代デザインの企画展「オーストラリアの色と形」千駄ヶ谷で開催

 取材/LWL online編集部

オーストラリアの現代インテリアデザインを紹介する企画展「オーストラリアの色と形」が、2026年7月9日(木)から7月21日(火)まで、東京・千駄ヶ谷のTHINK OF THINGSにて開催される。主催は、日本とオーストラリアをつなぐ文化・デザインプラットフォーム、JAU(Japan Australia United)。

本展は、日本ではまだ体系的に紹介される機会の少ないオーストラリアの現代デザインを、「色」と「形」という切り口から読み解く企画展だ。会場では、家具、照明、インテリア小物など、オーストラリアで活動する約15のブランドやクリエイターによるプロダクトを展示・販売する。

企画展「オーストラリアの色と形」の開催告知ポスター
会期は2026年7月9日から21日まで。会場は東京・千駄ヶ谷のTHINK OF THINGS。

自然、多文化性、実験精神から生まれるオーストラリアデザイン

インテリアデザインを語る際、日本では北欧、イタリア、フランス、オランダなどのデザイン文脈が紹介されることが多い。一方で、オーストラリアの現代デザインは、独自の成熟を遂げながらも、日本でまとまったかたちで触れられる機会はまだ限られている。

オーストラリアのデザインを特徴づける要素のひとつが、豊かな自然環境に由来する色彩感覚である。乾いた大地、海、砂、植物、夕景などを思わせるトーンは、単なる装飾的な色使いではなく、その土地の気候や風景、暮らしの感覚と結びついている。

同時に、オーストラリアは多文化社会としての背景を持ち、多様な価値観やライフスタイルが交差する場所でもある。そこから生まれるデザインには、素材の特性を生かしながら、固定化された様式にとらわれない自由さ、実験的な発想、そして日常の中で長く使われることを前提とした実用性が共存している。

本展では、そうしたオーストラリアデザインの魅力を、個々のブランド紹介にとどめず、プロダクトに共通する価値観や思想まで含めて紹介する。

「色」と「形」から見る、現代オーストラリアの暮らし

会場には、照明、家具、インテリア小物など、現代オーストラリアのデザインシーンを象徴するプロダクトが並ぶ。展示はブランドごとの区切りだけでなく、「色」と「形」を横断的なテーマとして構成される予定だ。

FearonのWindow Chair
Fearonによる「Window Chair」。実験的なフォルムと素材感が、現代オーストラリアデザインの幅を示す

たとえば、自然を想起させる穏やかな色彩、素材そのものの質感を生かした表現、あるいは実験的な発想から生まれた印象的なフォルムなど、プロダクトを通してオーストラリアの暮らしや文化に触れることができる。

Daniel O’TooleのGlowboats
Daniel O’Tooleによる「Glowboats」。光や色のにじみを感じさせる表現が、展示テーマである「色」と響き合う

LWL onlineの視点から注目したいのは、こうしたプロダクトが単なる「雑貨」や「デザイン小物」としてではなく、住空間における空気感や時間の流れを変える要素として提示されている点だろう。色彩や素材、かたちの選び方は、住まいの快適性や心地よさにも深く関わる。自然との距離感、手仕事や素材への敬意、長く使うことを前提としたものづくりは、ウェルネスやサステナビリティを考える上でも重要な視点となる。

Studio Henry WilsonやLightlyなど、約15組が参加

主な参加ブランドのひとつが、シドニーを拠点とするStudio Henry Wilson。照明、ホームウェア、インテリア金具などを手がけるデザインスタジオで、素材の美しさを生かした普遍的なデザインを追求している。

同スタジオは、オーストラリア発のスキンケアブランド「Aesop」のプロダクトやストアデザインなども手がけており、国内外のブランドとのプロジェクトでも知られる。作品は、長く使われることを前提とし、役目を終えた後に素材として再利用される可能性まで視野に入れて設計されているという。

Studio Henry WilsonのSurface Sconce
Studio Henry Wilsonによる「Surface Sconce」。素材の質感を生かした、普遍性のあるデザインが印象的だ

また、メルボルンを拠点とするLightlyも参加する。Lightlyはプランター、照明、ホームウェアなどを展開するライフスタイルデザインブランドで、機能性と長く愛用できるものづくりを重視している。プロダクトには「Sunset」「Sand」「Sorrel」など、オーストラリアの自然を想起させる名前が付けられており、やわらかな色彩と暮らしに寄り添うデザインを特徴とする。

LightlyのPalm Springs Planters
メルボルンを拠点とするLightlyによる「Palm Springs Planters」。自然を想起させる色彩と、暮らしに寄り添うデザインが特徴

そのほか、Daniel Emma、Daniel O’Toole、R L Foote Design、MAHO Sensory、Fearonなどによるプロダクトも紹介される予定。会場では、キーホルダー、オブジェ、インセンスホルダー、チェアなど、スケールの異なるプロダクトを通じて、オーストラリアデザインの幅広さに触れられる。

Daniel EmmaのKeyrings
Daniel Emmaによる「Keyrings」。色彩と遊び心のあるフォルムから、オーストラリアデザインの軽やかさが伝わる

会期中にはトークセッションも開催

会期中の7月10日(金)には、関連プログラムとして2つのトークセッションも開催される。

一般向けのトークセッションは、「最近、オーストラリアが気になる」― 東京とシドニーから考える暮らしとデザイン。
コクヨ株式会社 経営企画本部 クリエイティブセンター/YOHAK DESIGN STUDIO クリエイティブディレクター・プロデューサーの安永哲郎氏と、キュレーションを担当したJAU代表のソニー・マイ氏が登壇する。オーストラリアのデザインや暮らしを切り口に、自然、多文化性、実験文化など、創造性が育まれる背景について語る内容となる。

一般向けトークセッション「最近、オーストラリアが気になる」の告知ビジュアル
7月10日には、安永哲郎氏とJAU代表ソニー・マイ氏によるトークセッション「最近、オーストラリアが気になる」も開催される

また、学生限定のトークセッションとして、「好きなことから仕事をつくる」― JAU代表ソニー・マイが語る、好奇心から広がるキャリアも実施される。デザインやアート、クリエイティブ分野に関心のある学生を対象に、ソニー・マイ氏が、オーストラリア企業でエンジニアとして働きながら日本でJAUを立ち上げた経験をもとに、クリエイティブな活動と仕事を両立する働き方について語る。

学生限定トークセッション「好きなことから仕事をつくる」の告知ビジュアル
学生限定トークセッションでは、JAU代表ソニー・マイ氏が、好奇心を起点にしたキャリアの広げ方について語る

日豪の文化交流をデザインから見つめる機会に

本展は、在日オーストラリア大使館より「日豪友好協力基本条約署名50周年」の公式認定事業として承認されている。50周年という節目に、デザインを通して日本とオーストラリアの文化交流を見つめ直す機会にもなりそうだ。

会場となるTHINK OF THINGSは、コクヨのインハウス・デザインコレクティヴ「YOHAK DESIGN STUDIO」がプロデュースするショップ&カフェ。「BEYOND STANDARDS」をコンセプトに、プロダクトや展示、イベントを通じて新たな価値観やライフスタイルを提案している。

北欧やイタリアとは異なる文脈を持つ、オーストラリアの現代インテリアデザイン。その色彩、素材、形、そして背景にある文化や価値観に触れられる本展は、住まいとデザインの関係を考える上でも興味深い機会となるだろう。

開催概要

展覧会名:「オーストラリアの色と形」

  • 会期:2026年7月9日(木)〜7月21日(火)
  • ※水曜定休
  • 会場:THINK OF THINGS
  • 所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-1
  • 入場料:無料
  • 主催/運営:JAU(Japan Australia United)/合同会社longforme
  • 認定:「日豪友好協力基本条約署名50周年関連行事」(在日オーストラリア大使館)
  • 関連プログラム:
  • 「最近、オーストラリアが気になる」― 東京とシドニーから考える暮らしとデザイン
  • 日時:2026年7月10日(金)18:30〜19:30
  • 学生限定トークセッション
  • 「好きなことから仕事をつくる」― JAU代表ソニー・マイが語る、好奇心から広がるキャリア
  • 日時:2026年7月10日(金)17:30〜18:00

イベント特設サイト

公式サイト

  • 取材

    LWL online 編集部

Related articles 関連する記事

  1. home Home
  2. EVENT
  3. オーストラリア現代デザインの企画展「オーストラリアの色と形」千駄ヶ谷で開催