YAMAGIWA、就寝前の時間を整える「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」を50台限定で発売
取材/LWL online編集部
YAMAGIWAは、就寝前の時間における心身の切り替えに着目したポータブル照明「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」を50台限定で発売した。ハンス-アウネ・ヤコブソンが手がけた名作照明「JAKOBSSON LAMP」の系譜を受け継ぎながら、2400Kの暖色光、1/fゆらぎ、約15分で自動消灯するアンビエント・モードを搭載。サーカディアンライティングへの関心が高まるいま、住まいにおける「就寝前の光環境」を考える一灯となる。
北欧の名作照明が、現代のナイトルーティンに寄り添う
YAMAGIWAは、就寝前の時間における心身の切り替えに着目したポータブル照明「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」を、公式オンラインストアにて50台限定で発売した。
本モデルは、スウェーデンを代表する照明デザイナー、ハンス-アウネ・ヤコブソンが1957年に手がけた名作照明「JAKOBSSON LAMP」の系譜に連なるポータブルライトである。薄いパイン材を透過するやわらかな光、2400Kの暖色光、木漏れ日や炎のように穏やかに変化する1/fゆらぎ、そして約15分で自動消灯するアンビエント・モードを備え、リビングからベッドルームへと移る一日の終わりの時間を、静かに整えることを目指している。
価格は69,630円(税込)。サイズは高さ248mm、直径150mm、ベース径113mm。質量は0.4kgで、コードレスで持ち運びやすいポータブル仕様となる。

「The Art of Lighting」を掲げるYAMAGIWA

YAMAGIWAは、1923年創業の照明ブランドである。秋葉原で電気資材の卸業として始まり、1950年代に本格的に照明事業をスタート。1960年代には欧米の照明ブランドとの提携や輸入事業を進め、公共施設、ホテル、オフィス、美術館などの照明計画にも取り組んできた。
同社は現在、「The Art of Lighting」をタグラインに掲げ、照明を単なる明るさのための設備ではなく、空間と暮らしに情緒的な価値をもたらすものとして位置づけている。照明器具の企画、開発、製造、販売に加え、照明・インテリア計画、照明制御システム設計なども手がけており、住宅から商業空間、公共空間まで、光を軸にした空間提案を行っている。
当サイトとしては、YAMAGIWAが「デザイン照明の販売」にとどまらず、建築やインテリアと一体になった光環境を提案してきたブランドであるという点に注目したい。ラグジュアリーな住空間において、照明は器具単体の意匠だけでなく、時間、行為、身体感覚をどう整えるかという領域へ広がっている。今回の「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」は、まさにその延長線上にある製品といえる。
ハンス・アウネ・ヤコブソンと、やわらかな北欧の光
「JAKOBSSON LAMP」を語るうえで欠かせないのが、デザイナーのハンス・アウネ・ヤコブソンである。1919年、スウェーデンに生まれたヤコブソンは、家具やインテリアの領域で経験を積み、のちに自らの照明会社「Hans-Agne Jakobsson AB」を設立した。
彼の照明は、直接的なまぶしさを避け、素材を通して光をやわらかく拡散させることに特徴がある。ポール・ヘニングセンやアルヴァ・アアルトに通じる北欧の「Organic Modern」の思想とも呼応し、機能性と自然素材の温かさ、そして生活空間における穏やかな明るさを追求してきた。
「JAKOBSSON LAMP」は、そうしたヤコブソンの思想を象徴する照明である。薄く削られたパイン材のシェードは、光源を直接見せるのではなく、木肌を通して周囲をやわらかく照らす。木が光を包み、光が空間を満たす。そのあり方は、照明器具というよりも、暮らしの中に小さな自然の気配を持ち込む装置に近い。
今回のナイト・エディションは、その造形的な魅力を受け継ぎながら、現代の暮らしにおける「眠りへの移行」に焦点を当てている。
サーカディアンライティングの文脈から見る「就寝前の光」
近年、住宅の照明計画では、サーカディアンリズム、すなわち体内時計を意識した光環境が注目されている。人の身体は、朝の明るい光で活動モードへ向かい、夜には暗く、暖かく、刺激の少ない光によって休息へと移行していく。照明は、空間を美しく見せるためだけではなく、生活のリズムを整えるための環境要素でもある。
特に就寝前の時間は重要だ。スマートフォンやPC、明るすぎる照明、白色系の光が長く続く環境では、身体が休息へ向かうための切り替えが困難になる。ラグジュアリー住宅においても、寝室のインテリアやベッドリネン、空調、音環境にこだわるだけでは十分ではない。最後にどのような光の中で過ごすのか。そこまで含めて、ウェルネスとしての住環境が成立する。
「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」が採用する2400Kのアンバー光は、一般的な白色光よりも落ち着いた色温度で、夜の時間にふさわしい穏やかな印象をもたらす。さらに、アンビエント・モードでは、木漏れ日や炎に見られるような1/fゆらぎのリズムで光が変化し、約15分をかけてゆっくりと暗くなり、自動で消灯する。
就寝前の時間に、明るさを落とし、思考の速度をゆるめ、リビングから寝室へと移るための心理的な余白をつくることは、休息への移行を助けるうえで重要になる。心地良い眠りの時間を迎えるための小さな環境装置として、このポータブルライトを捉えるべきだろう。
リビングからベッドサイドへ。光を持ち運ぶ
本モデルはコードレス仕様で、質量は0.4kg。電源位置に縛られることなく、リビング、書斎、ベッドルームへと持ち運ぶことができる。
ラグジュアリーな住まいにおける夜の時間は一様ではないだろう。リビングで音楽を聴く時間もあれば、書斎で読書をする時間もベッドルームで眠りに向かう時間もある。それぞれの場所に応じてライティングシーンを設計することも重要だが、同時に、住まいの中を移動する身体に寄り添う光があってもいい。
たとえば、夜のリビングではLutronのGrafikEye QSなどの調光システムによるナイトシーンの光でくつろぎを演出し、ベッドサイドでは「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」によるアンビエント・モードに切り替える。そこには、空間ごとに照明を切り替えるというよりも、一日の終わりの流れそのものを光でつなぐ発想がある。
ベッドルームの照明は、単に暗ければよいわけではない。目に入る光の質、光源の位置、素材を通した拡散、消灯へ向かう時間の設計が、休息前の体験を左右する。JAKOBSSON LAMPのパイン材シェードは、こうした繊細な光のあり方と相性がよい。木を透過した光は、直接的なまぶしさを抑えながら、空間に温度感を与える。
小さな照明が住まいのウェルネスを変える
YAMAGIWAは、本製品の使用環境が就床後の状態に与える影響について、山形大学・山内泰樹教授の協力のもと、比較検証も行っている。アンビエント・モード使用時と消灯時を比較し、就床後の体動変化に着目したもので、一定の傾向が確認されたという。

もちろん、本製品は照明器具であり、入眠や睡眠改善を保証するものではない。だが、ここで示されているのは、住宅における照明が、単なる意匠や明るさの問題を超えて、就寝前の過ごし方、身体感覚、休息への移行と結びつきつつあるということなのである。
ラグジュアリーな住まいでは、朝の光、昼の明るさ、夕方の陰影、夜の静けさまでを含めて、時間の質を設計すべきである。サーカディアンライティングの考え方は、その意味で、これからの住宅設計においてますます重要になるだろう。
「JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION」は、北欧の名作照明の美しさを受け継ぎながら、現代のウェルネス志向に応える一灯である。リビングからベッドサイドへ。オンからオフへ。そして、仕事の時間から休息の時間へ。光を持ち運ぶことで、一日の終わりを丁寧に整え、眠りの時間を迎える。このきわめて小さな所作こそが、これからの住まいに求められる贅沢なのかもしれない。
製品概要
- 製品名:JAKOBSSON PORTABLE NIGHT EDITION
- 価格:69,630円(税込)
- 販売:YAMAGIWA公式オンラインストア限定、50台限定
- サイズ:H248mm×φ150mm、ベースφ113mm
- 質量:0.4kg
- 光源:LED内蔵 1.1W、2400K・電球色
- 消費電力:2.3W
- 機能:段階調光付(100% – 50% – 25% – 5%)、アンビエント・モード、約15分の自動減光・消灯
- 素材:パイン材シェード、木、スチール、シリコンほか
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LWL online 編集部