アテックスの電動ベッドと7ゾーンマットレスに見る、寝室のウェルネス化と睡眠サポート
取材/LWL online編集部
アテックスは、布張りフレームを採用した「電動アジャスタブルベッド AX-BE732」と、身体の部位ごとに硬さを変えた「セブンゾーンマットレス AX-BM738」を2026年8月3日に発売する。単なる寝具の新製品ではなく、睡眠前のくつろぎ、入眠、起床までを支える「寝室のウェルネス化」として捉えたい。住まいにおけるウェルネスは、空調や照明、音環境だけでなく、身体を直接預けるベッドとマットレスにも広がっている。
寝室は眠るだけの場所ではなくなりつつある
住まいにおけるウェルネスを考えるとき、リビングの空気質、浴室でのリラクゼーション、照明と外光によるサーカディアンリズムの調整などに目が向きがちだ。しかし、日々の回復を支える最も基本的な場所は、やはり寝室である。
寝室は、単にベッドを置く部屋ではなく、身体を休ませ、緊張をほどき、翌日の活動に向けてコンディションを整えるためのプライベートな空間である。とくに高級住宅や別荘においては、寝室を“休むための部屋”としてどこまで丁寧に設計できるかが、住まい全体の快適性を左右する。
今回アテックスが発表した2製品は、こうした寝室の役割を考えるうえで興味深い点がいくつもある。ポイントは、ベッドとマットレスを単なる家具・寝具としてではなく、身体の姿勢を支え、くつろぎから起床までの時間を整えるプロダクトとして提案している点にある。
電動ベッドが支える「睡眠前と目覚めの姿勢」
「電動アジャスタブルベッド AX-BE732」は、背もたれと足元をそれぞれ独立して調整できる2モーター仕様の電動ベッドだ。背もたれを起こす、足元を上げる、フラットな状態に戻すといった操作により、就寝前の読書やくつろぎ、起床時の姿勢をサポートする。
電動ベッドというと、これまでは介護や療養のイメージが強かった。しかし近年は、ベッド上で読書をしたり、タブレットを見たり、眠る前の時間をゆるやかに過ごしたりする人も増えている。寝室が「眠る直前に入る場所」ではなく、「一日の終わりを整える場所」だと捉えれば、姿勢を細かく変えられるベッドの意味は大きい。
AX-BE732は、リモコンにメモリー機能を備え、好みのリクライニング位置を記憶できる。さらにリセットボタンでフラットな状態に戻すことも可能である。身体を横たえるだけでなく、起こす、支える、戻すといった動作をベッド側が担うことで、寝室での過ごし方はより柔軟になる。

インテリアに馴染む「ウェルネス家具」としての電動ベッド
もうひとつ注目したいのは、デザインである。AX-BE732は、ソファにも使われる織り生地を採用した布張りフレームとしており、落ち着いた印象でインテリアに馴染みやすいことを打ち出している。
ウェルネス関連の機器は機能性が前面に出すぎると、住空間の中で異物感を持ちやすい。特に寝室は視覚的なノイズを抑え、落ち着いた環境を整えたい場所である。だからこそ、電動機能を備えながらも、家具としてインテリアの中に自然に置けることは重要だ。
ベッドは寝室の中で大きな面積を占める。機能だけで選ぶのではなく、ファブリックの質感、色調、ヘッドボードの見え方、周囲の照明やカーテンとの相性まで含めて考える必要がある。今回の製品は、電動ベッドを「特別な機器」ではなく、日常のインテリアに取り込む方向性を示している。
7ゾーンマットレスが身体に合わせた寝姿勢を支える
同時に発売される「セブンゾーンマットレス AX-BM738」は、身体の部位ごとに硬さを変えた7ゾーン設計を採用する。頭、肩、腰、足など、身体は部位によって重さや沈み込み方が異なる。そのため、全体を一律の硬さで支えるのではなく、部位に応じて支持性を変えるという考え方だ。
仰向け寝では背中の自然なS字ラインを、横向き寝では背骨をまっすぐに近い状態へ保つことを目指す。さらに、異なる硬さのウレタンを違和感なく一体成形し、つなぎ目のない構造としている点も特徴である。
マットレスは、睡眠環境の中でも身体と最も長く接する要素である。柔らかければよい、硬ければよいという単純なものではなく、体格、寝姿勢、沈み込み方に応じた支持性が求められる。7ゾーン設計は、そうした個別性に応えようとするアプローチといえる。


また、AX-BM738は電動リクライニングベッドにも対応する。可動するベッドに対して、マットレスが自然に追従できることは、リクライニング時の快適性を左右する。ベッドとマットレスを別々の製品としてではなく、姿勢を支えるシステムとして考えることが重要になる。

睡眠サポートは今後の住宅設計のテーマに
今回の新製品は価格帯としては廉価な製品だが、示している方向性は大きい。睡眠サポートはもはや寝具売場だけの話ではなく、住まいの設計、インテリア計画、照明計画、空調計画と結びつくテーマである。
ウェルネスを住まいの価値として考えるのであれば、寝室は最後に余った部屋ではなく、最初から丁寧に設計すべき空間である。眠る前のくつろぎや横たわる姿勢、起き上がる動作までを含めて整えることが、これからの寝室づくりには求められていくだろう。
アテックスの電動アジャスタブルベッドとセブンゾーンマットレスは、寝室を「ただ眠る場所」から「回復のための空間」へと捉え直すきっかけになる。住まいのウェルネスは、目に見える設備だけでなく、毎晩身体を預ける場所から始まる。
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LWL online 編集部