ガウディ没後100年、カサ・バトリョがYKK AP・ミロ財団と文化発信を加速

 取材/LWL online編集部

スペイン・バルセロナの中心部、グラシア通りに建つカサ・バトリョは、建築家アントニ・ガウディを代表する建築のひとつであり、ユネスコ世界遺産にも登録されている。波打つようなファサード、色彩豊かなモザイク、骨や海を思わせる有機的な造形によって知られ、ガウディ建築の創造性を象徴する存在として、世界中から多くの来訪者を集めてきた。

そのカサ・バトリョが、ガウディ没後100年を迎える2026年、新たな文化発信を加速させている。バルセロナではこの節目にあわせ、「ガウディ・イヤー2026」をはじめ、カタルーニャ–日本交流年など、建築と文化をめぐる多彩な取り組みが展開されている。

カサ・バトリョは、日本企業YKK APが主導する国際文化プロジェクト「Gaudí: Windows on the Future」への参加に続き、2026年7月8日より、ジョアン・ミロ財団との共同企画による新展覧会『Gaudí-Miró-Gomis: Deconstructed』を開催する。

ガウディ建築を単なる歴史的遺産として保存・公開するだけではなく、現代アート、デジタル技術、国際的な文化交流の視点から再解釈していく。カサ・バトリョは、ガウディ没後100年という節目に、建築文化を未来へ開いていく発信拠点としての存在感を高めている。

「窓」からガウディ建築を読み解く、YKK APとの国際文化プロジェクト

カサ・バトリョが参加する「Gaudí: Windows on the Future」は、ガウディ建築を象徴する要素のひとつである「窓」に着目した国際文化プロジェクトである。

プロジェクトを主導するのは、日本の建築製品メーカーであるYKK AP。企業、学術機関、公共セクターが連携し、建築、創造性、未来への視点を探求する取り組みとして展開されている。

ガウディの建築において、窓は開口部であるとともに、外光を取り入れ、風を通し、室内外の関係を調整し、建築全体の有機的な造形とも深く結びつく。カサ・バトリョにおいても、窓は光、空気、街との関係をつくり出す重要な建築要素であり、ガウディの思想を読み解くための鍵となる。

本プロジェクトは、バルセロナと日本の両拠点で展開され、ガウディの創造性を現代的な視点から再解釈する文化交流として注目されている。ガウディ没後100年、そしてカタルーニャ–日本交流年という文脈のなかで、日本企業がガウディ建築の再解釈に関わることは、建築文化を介した国際的な対話としても意義深い。

カサ・バトリョで「Gaudí Window Nights」を実施

カサ・バトリョでは、「Gaudí: Windows on the Future」の一環として、6月を通じた特別企画「Gaudí Window Nights」を実施している。

期間中は毎日無料入場枠を設け、より多くの人々がガウディ建築に触れられる機会を創出。あわせて館内では、YKK APによる特別ポップアップ展示も開催されている。

展示では、ガウディが設計した窓の造形や思想に焦点を当て、映像、資料、展示コンテンツを通じて紹介する。カサ・バトリョという実際の建築空間の中で、ガウディがどのように光や風、外部環境を建築に取り込んだのかを体感的に読み解く構成となっている。

また館内では、ガウディがデザインした窓を包括的に取り上げる書籍『Gaudí: Windows on the Future』も期間限定で販売される。専門家による論考と写真作品を通じて、ガウディ建築を「窓」という視点から新たに読み解く内容だ。

住宅や建築において、窓は外部環境と暮らしをつなぐ重要な接点である。光、風、眺望、温熱環境、プライバシー。現代の住宅設計でも重視されるこうしたテーマを、ガウディは既に高度な造形と空間構成のなかに組み込んでいた。YKK APとのプロジェクトは、そうしたガウディ建築の普遍性を、現代の建築文化へと接続する試みともいえるだろう。

ガウディ、ミロ、ゴミスを横断する展覧会

さらにカサ・バトリョは、2026年7月8日より展覧会『Gaudí-Miró-Gomis: Deconstructed』を開催する。

本展は、カタルーニャを代表する3人の創造者たち、建築家アントニ・ガウディ、画家ジョアン・ミロ、写真家ホアキン・ゴミスの創造世界を横断的に再解釈する特別企画である。

共同制作を担うのはジョアン・ミロ財団。展覧会では、オリジナル作品、写真資料、映像、デジタルインスタレーションを組み合わせ、ガウディ、ミロ、ゴミスの表現を多層的に紹介する。

さらに、生成AI、3Dスキャン、フォトグラメトリーといった技術も活用される。建築、アート、写真、テクノロジーを交差させることで、ガウディの創造性を現代の感覚から再発見する没入型の展示体験を目指す。

会場となるのは、カサ・バトリョ内の「Casa Batlló Contemporary」。世界遺産建築そのものを舞台に、歴史的建築と現代アート、そして最新テクノロジーが重なり合うことになる。

世界遺産建築が現代文化の発信拠点へ

カサ・バトリョは、ガウディの代表作として知られる世界遺産建築である。一方、今回の一連の取り組みが示しているのは、歴史的建築を保存するだけではなく、そこから新たな文化発信を生み出していく姿勢である。

YKK APとの「Gaudí: Windows on the Future」では、窓という建築要素を通じて、ガウディ建築と現代の建築文化を結び直す。続く『Gaudí-Miró-Gomis: Deconstructed』では、ガウディ、ミロ、ゴミスというカタルーニャの創造者たちを、現代アートとテクノロジーの視点から再構成する。

建築は、時代ごとの視点によって読み直され、新たな意味を獲得していく。カサ・バトリョがいま推進しているのは、ガウディ建築を過去の偉業として称えるだけでなく、未来へ向けた創造の場として開いていく試みだといえるだろう。

日本企業との国際プロジェクト、そしてジョアン・ミロ財団との共同展覧会。ガウディ没後100年のカサ・バトリョは、建築、アート、テクノロジーが交差する文化発信の拠点として、さらなる注目を集めそうだ。

『Gaudí-Miró-Gomis: Deconstructed』開催概要

日本市場向けの発信も強化。日本人モデル募集も実施

カサ・バトリョ日本事務局であるACCORD株式会社は、本展覧会の開催にあわせ、日本市場向けの情報発信も強化する。

日本語公式Instagramを通じた継続的な情報発信に加え、2026年7月には現地バルセロナで実施する撮影プロジェクトへの日本人モデル募集も行う予定だ。

本プロジェクトでは、ガウディ建築と現代アートが融合するカサ・バトリョの魅力を、日本市場向けに発信するコンテンツを制作。日本語公式Instagramや各種媒体で展開していくという。モデル募集を含む詳細は、日本語公式Instagramで順次発表される。

日本語公式Instagram:https://www.instagram.com/casabatllojapan/?hl=ja

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